異世界ヒーロープリティ☆デビル~魔族と組んで腐った王政から民を救います!~

ふぃる汰@単行本発売中

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29話 ノーウォール・ノーガール

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 街中に突如出現した巨大な壁、それはピックル……じゃなくて、ゼッペキボウギャークとかいう新手のボウギャークだった。


「ゼッペキボウギャーーーグ!!」


 ビビビビビビビ!!!!


「キャアアアア!!」


「ああっ! マイハニーの胸が絶壁に……!?」


「返して! 私の胸を返してよおおお!!」


 ゼッペキボウギャークから放たれた謎の光線をくらった女性たちの胸が平面になってしまった。


「この前の下着のやつよりやべえな」


「最終形態って感じルナ」


 ゼッペキボウギャークはやはり壁であるためか、移動などはせずその場に鎮座している。


「女性の胸を奪うなど許せんのじゃ!」


「フレイムはもっと大きくなりたーい!」


「「プリデビ☆トランスフォーム!!」」


 キラキラキラキラ♪テッテッテレレレー♪


「あ、俺はもう変身してるんでここはスルーで」


「誰に言ってるんだルナ?」


 パアアアアアアア……!!


「地獄の沙汰もキラキラ次第! 無敵の土曜日! デビル☆サタデー!」


「子供はもふもふ、大人は火の海! 灼熱の火曜日! デビル☆チューズデー!」


「あ、ここからっすね……ジメジメ人生に一筋の光! 毎日が日曜日! デビル☆サンデー!」


「「「美少女ヒーロー! プリティ☆デビル!!」」」


 __ __


「ボウギャーーーーーク!!」


 ビビビビビビビ!!


「うわあああああ俺の鍛え上げた大胸筋がああああ!!」


 いやあれ男にも効くのかよ。


「ウェスタさんは店内で隠れていてください!」


「わかったわ!」


「サンデーさん」


「あっシャーチクさん! アイツに制裁を一発かましてもらっ」


「あ、今日半休取ってるんでもう帰りますね。お先です」


「えっあっおつかれさまでーす。ってオオオオオオイ!?」


 パアアアアアアア……


「ウソだろ、マジで帰りやがった」


 半休ってなんだよ今まで買い物してたじゃねえか。


「女性の扱いは難しいルナ」


「いやそういう問題じゃない気がするけどなあ」


「おーいサンデー! 壁殴りに行くからついてくるのじゃ!」


 野球少年かお前は。


「ボウギャーーーーーク!!」


 ビビビビビビビ!!


「うわっ!!」


「サ、サタデー!!」


 …………。


「なんともないのじゃ」


 絶壁光線をくらったサタデーがペチペチと胸を触るも、なにも変化が無いようだ。まあ今のは完全に壁打ちだったからな。


「チューズデーぱーんち!!」


 ガツンッ!!


「かたーい!」


 おそらく一番の怪力であろう、チューズデーの攻撃をくらってもヒビすら入らないゼッペキボウギャーク。やはり壁だけあって耐久力が高いみたいだ。


「どうするんじゃサンデー。今回はサイダー瓶のボウギャークのように内側から破壊することも出来んぞ」


「そうだな……二人とも、ちょっと来い」


「なんじゃ、良い案があるのか?」


「さくせんかいぎ?」


「ああ、ちょっとな……ごにょごにょごにょ」


 ゼッペキボウギャークの光線は、こちらに向いている壁側からしか発射されていない。となれば、俺たちから見えてない壁裏に倒すヒントがあるかもしれない。


「ふむ。……で、ごにょごにょとはなんじゃ」


「ごにょごにょ?」


「いやそういう表現だよ! ちゃんと説明したじゃん!」


 ちなみに俺が言ったのは、『俺が後ろに回り込むから、正面から攻撃してボウギャ―クを引き付けてくれ』だ。


「普通に話してもあの壁までは聞こえんじゃろ」


「いいじゃねえか気分の問題だよ」


「ボウギャーク、フレイムにちゅーもーく!! パンチ!!」


「ちょっとフライングやってチューズデーちゃん!」


 チューズデーが特攻隊長よろしく一人でボウギャ―クに突っ込んでいった。意外と脳筋だなあの子。


「拙者も行ってくるのじゃ。サンデー、後は頼んだぞ!」


「おう!」


 ……。


 …………。


「えーというわけでね、ゼッペキボウギャークの裏側に回ったんですけども」


「こっちみろフレイムパーンチ!」


「当て馬サタデーかかと落とし!」


「ボウギャ―ク!!」


 二人は作戦通りとにかく攻撃を繰り返し、ゼッペキボウギャークを俺から遠ざけている。


「いやーこれはまた、なんというか……」


 壁の裏に、なんか看板立てるつっかえ棒みたいなやつが付いてる。あれで倒れないようバランス取ってたんか。


「よし、アレをぶっ壊そう」


 サンデースペシャルローキック! バキッボキッ。よし、折れた。


「これで作戦完了だぜ。よっしゃチューズデー! 必殺技だ!」


「わかったー!!」


「1発やったるのじゃチューズデー!!」
 

「くらえ~!! チューズデーの、モフっと☆社会的炎上パーンチ!!」


 チューズデーの拳に炎が宿り、ゼッペキボウギャークのど真ん中に強烈な右ストレートが打ち込まれる。


「ボウギャッ!?」


 今まで微動だにしなかったゼッペキボウギャークが後ろに倒れていく。どうやらあのつっかえ棒を壊した効果があったようだ。


「ゼッペキボウギャーーーク!!」


 自重でひびが入り、地面に崩れ落ちるゼッペキボウギャークの上からサタデーが襲いかかる。


「人に壁を強要しおって……壁なんていうもんはのお、自分で作って乗り越えるもんなんじゃ!!」


「え、どういうこと?」


「なんか名言っぽいこと言いたいだけだろ」


「ピックルスよ、反省せい! サタデーの、ろーりんぐ☆更生ビーム!!」


 もはやピックルス言っちゃってるし。


 ビビビビビビビ!!


「ゼ、ゼッペキイイイイ!!」


「はい、次サンデーの名言じゃ。頼むぞ」


「俺もやるのかよ。えーと、壁でも丘でも山でも、なんでもいいじゃねえか。みんな違ってみんな良い。俺がニートでもな」


「「プリデビ☆はっぴねす!」」


「俺の話聞けよ」


 パアアアアアアア……


 こうしてゼッペキボウギャークは倒され、第8エリアから奪われたおっぱいが戻ってきたのであった。


「NO WALL,NO GIRL.……」


「なんやねんその捨て台詞」


 英語にすりゃあ良いってもんじゃねえぞ。


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