ダンジョン塔の地下迷宮~俺だけ入れる激レア階層を駆使して最強を目指す~

ふぃる汰@単行本発売中

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第2章 地下2階層

46話 イノシー狩り

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「あそこがイノシークの根城か……」


 エルハイド族の集落がある森を出た俺は、草原の奥にそびえる巨大な岩山へと目を向ける。
あの岩山エリアにアジトを構えたイノシークたちが暮らしているという訳だな。


「ぼひーっ」


「ぼひっ」


「…………」


 イノシークたちが暮らす岩山エリアがあるのは、エルハイド族が住む森の先にある草原エリアのさらに奥。
そしてこの草原エリアには、エルハイド族たちの食料であり、イノシークに変異する可能性のあるイノシーと呼ばれる生き物が生息していた。


「えーっと……ダメだ、ライザーカードが反応しない」


 アイテムやモンスターを調べる時のように、イノシーにライザーカードをかざしてみても何も情報が出てこなかった。
この草っぱらにぐでんと横たわる、豚とアザラシをくっ付けたかのような生き物はNPC的なやつなのだろうか?


「でもイノシークに変異するなら、イノシーの状態で全滅させた方が良い気がするんだけど……」


「ぼひー」


「ああでも君たち、エルハイド族のごはんだったね」


「ぼひ……」


「もしかして墓碑って言ってる?」


 草の上に寝転がり、アザラシのような手足と身体でゆっくり進み、豚のような顔でのんびり草を毟って食べる。
これは……なんか簡単に狩られてしまいそうだぞ。
エルハイド族の擬態を駆使した隠密能力、別にいらなくないか?


「……ん? 誰かこっちに向かってくるな」


 魔装の身体強化能力によって聴力も良くなった俺は、岩山エリア方面からの足音をいち早く察知し、草原エリアにポツポツと生える木の陰に潜んで姿を隠す。


「ブヒッ! ブッヒヒイ!!」


「ブヒヒヒイ!」


「(あれは……イノシークだ)」


 昨日、エルハイド族の集落を襲っていたブタ男に似たモンスターが何匹か岩山方面から草原へとやってくる。
イノシークたちはそれぞれが大きなズタ袋を背負っていて、ひざ上くらいまである草むらの中を探って何かを捕まえ、それを袋の中に入れていた。
まあ、何かっていうか……


「ぼひーっ」


「ぼひひー」


「(イノシー狩りっつうか、つかみ取りだなこりゃ)」


 草むらの中に無防備に寝転んでいるであろうイノシーを捕まえて、ポイポイとズタ袋の中に詰めていく。
やっぱめちゃめちゃ簡単に獲れるじゃないか。
エルハイド族も弓の狩猟とかじゃなくてつかみ取りの方が効率良いぞ。


「(でも、このまま見てたらあの大量のイノシーが敵になってしまうな……なんとかして、ここで食い止めないと)」


 俺は第11階層でクラフターに作ってもらったトンファーのような武器『黒鉄甲の打突旋棍』を装備し、隠れていた木の陰から飛び出した。


「おらっ!!」


「ブヒッ!?」


 ガツッ!! バッキイイイイイン……!!


「ブ、ブヒィ……ッ!」


 1番近くにいたイノシークのみぞおちに強烈な打撃を入れてコアを破壊し、不意打ちで1匹討伐することに成功する。


「ブッ……ブヒー!!」


「ブヒブヒィ!!」


 イノシー狩りに夢中になっていたイノシークたちが仲間の断末魔を聞いて俺の存在に気付く。


「流石に気付かれるか。それじゃあ、残りは正々堂々戦わないとな」


 俺は両手に装備した『黒鉄甲の打突旋棍』を構え直し、イノシーク達との戦闘を開始した。
 


 
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