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第3章 地下3階層
95話 賑やかな応援団
しおりを挟む「えっと……すいません、本日の第3回戦に出場するライザーの和取ソラです」
「ライザーカードを確認いたします」
ユグドラバトル開催日の朝。遂に郷原くんと戦う日がやって来た。
昨日、麦畑と下見に来たばかりのドーム状の闘技施設『ユグドラコロシアム』の入り口で受付を行なう。
俺の試合までは時間があるからバトルエリアにはまだ入場出来ないけど、初めてのユグドラバトルなので余裕を持って受付を済ませておこう。
「確認いたしました。それではこちらのプレートを首に下げていただいて、時間になったらプレートに付属されている通信機器に連絡が入るのでそれまではエリア外でお過ごしください」
「分かりました」
ユグドラコロシアムは透明なドーム状の『バトルエリア』とそれ以外の施設に分けられる。
このバトルエリアはユグドラタワーと同じくこの世界に唐突に出現した未知の建造物で、中にはフロアランク21以上のライザーしか入ることが出来ない。
これは管理する人たちが決めたルールではなく、物理的に条件を満たしたライザーでないと扉が開かないのだ。
「バトルリポーター消滅事件か……」
先ほど受付を済ませたバトルエリア前のカウンターの横に、小さな慰霊碑が設置されている。
バトルエリアの入り口にはユグドラタワーのリフトのようなゲートがあって、そこに設置されているスキャナーにライザーカードをかざして中に入るのだが、ユグドラコロシアムが出現した当時、ゲートを通るライザーと一緒にユグドラバトルの実況リポーターが無理やり中に入ろうとしたところ、ゲートを越えた瞬間に消滅するという事件が発生した。
これが『バトルリポーター消滅事件』で、いきなり消えたリポーターを見つける為にライザーたちがユグドラコロシアムやタワーの中を捜索したが、未だに遺体も見つかっていない。
「だ、大丈夫だよな? 俺も消えちゃったりしないよな……?」
「なーにビビってんすか先輩~」
「うわっ! って、なんだアオイか……」
「なんだとは失礼な。こちとらソラ先輩の応援に駆け付けた可愛い後輩っすよ」
「はいはい、ありがたき幸せでございます」
慰霊碑の前でバトルリポーター消滅事件の解説文を呼んでいると、後輩JKの日奈多アオイが背後からひょこっと顔を出す。
どうやら俺の応援に来てくれたようだ。
「俺は試合があるからこの時間に来たけど、観客にしては来るの早すぎじゃない?」
「だって観客席の良いとこ取りたいっすもん」
「そういうもんか」
ユグドラコロシアムはこの地に出現したバトルエリアの周囲に観客席や映像中継、実況用の設備、売店や救護室などを増築したエンターテイメント施設だ。
隣にはユグドラタワー、手前にはコロシアムとタワーを繋ぐユグドラセンターが作られ、ライザー活動、観光、ショッピング、ユグドラバトルの観戦などなど、様々な催しを楽しめる複合型テーマパークとして賑わっている。
「あれっ? アオイちゃんもう来てる~!」
「さすが、ソラにいの正妻候補……」
「へぇっ!? せ、正妻ですか?」
「お前ら……」
姦しい3人娘が近づいてくると思ったら、我が妹たちと友人だった。
っていうかマリーまで見に来てくれたのか……多分ヒナ辺りが強引に誘ったんだろうなあ。
「へっへっへ~。ウチ、ソラ先輩の正妻らしいっすよ」
「アオイまで妹たちに悪ノリすんなって。竜童さんも、冗談だから気にしなくていいよ」
「ルナ、聞いた? アオイだって~!」
「ソラにい、前は日奈多さんって呼んでたのに……」
「せ、正妻確定、です……!」
「確定してないよ」
ずいぶんと騒がしい応援団だけど、まあ、来てくれたのは嬉しいかな。
「あっいたいた! おーい! ソラさーんっ!」
「愛しの梅雨川が応援に来ましたよ~……って、なんですかこのピチピチティーンたちは。ソラ氏のハーレム応援団ですか~?」
「まーた騒がしいのが来た……」
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