【第一部完結】カフェと雪の女王と、多分、恋の話

凍星

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*32 鏡のかけらを溶かすには④

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オイルで濡れそぼり、すっかり解されたそこは、蓮の指を貪欲に飲み込んでいった。硬く閉じていた蕾が、押し広げられた両脚の中心で薄朱く色づき、恥ずかしげもなく――といった風情で綻び始める。
自分から腰を揺らして快楽に身を任せている泉水を見ると、蓮の欲望はどんどん肥大して止まらなくなっていった。

泉水は泉水で、指で弄られただけでまた達してしまいそうになっていて――
蓮が「何度でも」と口にしたのは冗談でも何でもなく本気だったのだと、今、身体で思い知らされている。
ぼうっとしてきた頭で、このまま自分ばかり何度もいかされる状態が続くのは嫌だと思った。蓮にも同じように感じて、達して欲しかった。
蓮の手を止めるように、自分の手を重ねて懇願する。

「……指じゃ嫌、だ。指じゃなくて、蓮くんが、欲しい……っ」

涙目になってこちらを見る泉水の姿に、「ああ、もう」と蓮は呟く。

(――そんなこと言っちゃうんだ?)

もっとゆっくり、泉水が「お願いだから止めて」と言うまで、いくらでも追い上げていたかったが、そんな言葉を聞けば、いい加減蓮の方も限界だった。
奥まで飲み込ませていた指を引き抜く。

「ああ、っ」
「……俺も、泉水さんが欲しい」

一気に抜かれたその刺激だけでも耐えきれないように喘ぐ泉水を俯せにして、テーブルに両手をつかせる。ベルトを緩め、下着をずらしてとっくに硬く大きくなったものを引きずり出し、もう一度オイルを手に取り、自分のそれに塗りつけた。
背後からのし掛かり、蓮は自分のモノを泉水の後孔に押し入れていく。

「あ、あ――っ……」

太く熱い切っ先が泉水の中に割り入って来る。
指で散々解され、熟れて爛れたそこは、泉水の予想に反して、案外容易く蓮を迎え入れてしまう。

(熱い……っ、大きい)

そんなのムリと思った瞬間、一気にぬるりと奥まで入り込んで、泉水は息を飲んだ。

「は、うっ……ああっ」
「苦しい?」
「へ、いき――だから、……っ」

押し広げられる違和感と痛みは確かにあって、必死に受け入れようとして息を詰める。すると、蓮の手が胸元に伸びて、刺激されて赤く尖ったままの乳首を両手で摘んだ。

「もっと力を抜いて?……泉水さん」
「あっ……!?」

きゅっ、と先端を潰すように強く、繰り返し揉まれ、そこからもどかしい痺れが生まれる。刺激が腰に伝わり、泉水の腰がうねった。かえって蓮を強く締め付けてしまう。

「わっ、泉水さんキツい……っ」
「だって、っ……蓮くんが……」
「じゃあ、こっちを弄った方が力抜ける?」

そう言って、前に回した手で泉水の陰茎を握り込んだ。
触れる前から下腹部に付くほど反り返っていたそれは、先走りが止まらないらしく、ずっと白い蜜を零している。
ぎゅうっと下から上に擦られ、先端の最も敏感な部分に爪を立てられた。

「や、ああっ……!」

ビクビクと身体が震えた。

「ここ、気持ちいい?」

爪先で割れ目をなぞられ、溢れてくる白濁をまた塗り込められる。

「いや……っ!ダメっ、それやだっ」

泉水が仰け反って、イヤイヤと首を振る。
その反応が堪らなくて、同時に蓮は腰を強く突き入れた。

「やあっ、ああっ、れ、ん……っ」

蓮のモノが最奥を求めて動き、抽挿が激しくなっていく。
前と後ろを同時に責められると、気が遠くなりそうなくらい感じた。
ぬちゅぬちゅと音を立て、中を掻き回される。泉水の嬌声が一層激しくなった。

「ああーっ、ダメ……っ、そんなの、ムリっ」
「すごく、感じてる……?ほら、こんなに、熱くうねって……泉水さんのここ、スゴい」

蓮の息が荒くなり、泉水の腰を掴む手に力が入る。少しずつ動きも激しくなって、ぶつかるように腰を突き動かす。
熱く蠢く粘膜に包まれ、蓮も余裕がなくなりつつあった。
柔らかいのに、絞るべき所はキツく、2人の感覚を快楽の渦に巻き込んでいく。

「泉水さん、っ……俺もう、ムリ」
「蓮くんっ……」

違和感も痛みも、まるで麻酔をかけられたように、いつの間にか遠のいて。
ただ気持ち良さだけが、強く押し寄せる。

(こんなに、感じた事なんて、ない……)

自分の身体がこんな風になるなんて、思いもしなかった。
他人に触れられ心と身体が冷たくなる反応なんて、最初から無かったかのようで――まるで別人になった気がした。

自分の中で凍りついていた何かが……ようやく溶けたのかもしれない、と。
そんな思いが、かすかによぎる。

首筋に、また蓮が甘く噛みついてきて、耳朶まで唇でなぞった。
快楽と同時に、何かが泉水の胸を締め付ける。唐突に言葉にならない想いが強く湧き上がり、苦しい体勢のまま蓮の髪を撫でた。
蓮の唇が頬に移動して、キスしてくる。
泉水が首を背後に傾けて、自分から蓮の唇を求めた。

触れ合う唇の隙間から「蓮」、と譫言のように何度も呟いて、相手の律動に合わせて、腰を揺らす。
お互いの感情が同時に高まって――
2人とも忘我の極みへと、攫われていった。
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