ホラー小話

痛みを共有する双子

くそ、なんだこの体質は。
イラつく。
あいつを殺せば、治るんだ。
もう悩まされる事もない、楽になるんだ。
もうこんな所に居たくない。

圭一が心の中で毒づいた。


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圭一と圭二は一卵性の双子である。
この双子、奇妙な体質の持ち主で、片方が怪我をすると
もう一方も同じ場所に傷が出現するのである。

何処かにぶつけた訳でもなく、何の前触れも無く、
片方が怪我をすると、それに連動して
もう片方に痛みを伴った傷口が現れる。

医者や学者が研究したが、原因は不明。


二人は痛みを共有する特殊体質なのでさらに詳しく調べられる事になった。

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検査が始まり早一年。
二人はこの一年、研究施設からの外出を許可されていない。


圭一のストレスは既に限界を超えていた。









圭一と圭ニは二人っきりで、室内に居る。
今なら監視の目も無い。


圭一は、背後から圭二を絞め殺した。

やった、これで俺は自由だ……


直後に圭一も死亡した。
死因は絞殺死。








この特殊な双子は生死も共有していたのだ。