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第四十八 辞書に載っている単語を作れ その十七 考察

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それは果たして辞書と呼べるのだろうか?
こちらが辞書では無いと言い張っても、
あちら(運営側)が辞書だと言い張れば、
辞書として成立してしまうし、
その結果を受け入れなければならない。


モニター画面から離れて、本棚に移動。
薄い辞書を手に取った。

辞書をめくると、いとも容易く『すいよう』の項目を発見。
そうだよね、小学生向けの辞書だって『すいよう』位は載ってるよね。


そのまま、そのページを破った。

禁止事項程やりたくなるのは何でだろうね?

川に飛び込み禁止は危険だから禁止されている、だからやらないけど。

本を破るのは禁止、物を大切に扱いなさいって事だから。
特に教科書を破るのなんて御法度中の御法度だよね。
それに次ぐくらいの悪さ加減だよね、辞書を破くのなんてのは。

辞書を破いて、ちょっと気持ち良かった。
これが背徳感ってヤツなんだろうね。


ナポレオンが言ったらしい
『世の辞書に不可能の文字は無い』
これは後年の創作らしいけど。


辞書の『ふかのう』のページを破ってみた。
やはり、気持ちいい。
あー、これでナポレオン越えを果たしちゃったね。

『パンが無いなら、ケーキを食べればいいじゃない」
これも後年の創作らしいけど。


次々とページを破り続けて、
遂に辞書は表表紙と裏表紙だけになった。

これなら、この辞書に載っている単語は存在しなくなった訳だね。
運営は白紙の辞書か、全ページの破れた辞書が使用されてる、
そう考えたのが正解だろう。

じゃあ、白紙の辞書が使用されていると前提条件を加えたら、
この後は競技はどうしたらいいんだろう?

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