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第四十八 辞書に載っている単語を作れ その十六 四回戦開始

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はい、これで名実ともにこの本は『日記』になりました。
メデタシ、メデタシ、メデタシ。
別にメデタクはありません。

This is a pen.
これはペンです。
なんでこう言うのか?
それは実際にそれ(これ)がペンだから。

この本が日記だと言えるのは実際に日記だから。
でも実際には日記では。
日記ではないとする根拠は?
日記としての文章が書かれていないから。

つまり、日記だけど日記じゃない。
日記だと判断する事も出来るけど、
日記じゃないと判断する事も出来る。

それが日記ではなくって、辞書だったら?





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四回戦が始まった。

五枚のカードが手元(モニター画面の中)に配られた。


『あ』
『い』
『す』
『た』
『わ』


作戦は三回戦と同じ、兎に角最速でボタンを押して、
解答権を得る予定。




一枚目の札が表になった。
『よ』





二枚目の札が表になった。
『う』




『あ』
『い』
『す』
『た』
『わ』
から二文字
『よ』
『う』
から二文字で
合計四文字の単語を作らなきゃ。

出来た。

ポチ。

解答ボタンをクリックした。


クリックして並び替えて単語を表示。
『すいよう』

確認のボタンをクリック。
直後に
ブブー
とブザーが鳴った。

うん、三回戦と完全に同じだね。


あるよね。
すいようなら、
水曜
水溶
水様
酸い様
吸い様

どんな酷い辞書を使ってるんだろう。




と言うか、どんな辞書を使ってるのかは分かった。
ただの予測に過ぎないけど。



日記っぽい本の表紙に『日記』に横線二本を引く。
その上の空白部分に『辞書』と書き込む。
これでこの白紙の本は辞書になった訳だ。



運営が使ってるのは白紙の辞書だと思われる。





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