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第二十五 現象の名付け親 その二

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嫌っていた筈の競技なのに。

競技が行われる事を心待ちにしていた自分が居るのもたしかである。

アナウンス「五人にはペーパーテストを行って貰う。
      現時点では正解は存在しない。
      五人の解答を比較する。
      最適切な解答に二点。
      その次に適切な解答に一点。
      その他は零点とする。
      合計点数の上位三名を勝ち抜けとする」

五人中三人が勝ち抜けとは、大盤振る舞いですね。

人数合わせの都合ですかね?

アナウンス「他者と似た解答の場合は採点から除外。
      無記入の場合も採点から除外。
      解答は地球上の言語ならばなんでも良し。
      制限時間は三時間。
      室内での移動は制限しない。
      室内の物を参考にしても構わない」

ひらがなカタカナ漢字、その他も良いのか。

カンニングオーケーって事だね。

カンニングのしようがないんだけど。

だから本棚も本もないのか。

そう言えば、文字が見当たらないな、室内には。

多分冷凍庫内の冷凍食品には注意文があるんだろうけど。

天井からマジックハンドが出て来て、用紙とタイマーを置いた。

アナウンス「競技開始」

これ、今迄マジックハンドだと思ってたけど。

ひょっとしてアームハンドが正解かな?
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