タイム連打ってなんだよ(困惑)

こすもすさんど(元:ムメイザクラ)

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14話 隠し物は飛竜の卵

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 ふむ、彼らに助け舟を出すつもりは無いが、こっちとしては早いところ依頼達成を確認してもらいたいんだ。
 都合はこちらのもの、だが割り込みにならないようにな。

「あー、時間がかかりそうなら後にしてくれないか?後がつっかえてるんだ」

 この三人とは全く関係が無い風を見せつつ、こちらの都合を押し通す。
 俺の声に、受付嬢と三人組の視線がこちらに向けられる。

「あんたはさっきの」

 リーダーは「助かった」と言う顔をしたが、そんなことはどうでもいい。

「どうも。時間がかかるならこっちを先にしてくれ、依頼達成の報告だけで済む」

 俺達も暇じゃないんだ、と言う態度を見せつつ、アイリスを手招きして、カウンターに近付けさせる。

「あ、あぁ、彼らの用件を先にしてやってくれ」

 これ幸いと言わんばかりに、リーダーはその場から去ろうとするが、

「お待ちください。まだ確認が出来ておりません」

 受付嬢は抑揚の無い声で待ったをかけた。
 そう来たか。なら、こっちはこうさせてもらおう。

「なんだ、ならさっさと済ませてくれ」

 そう言いながらリーダーを見やりつつ、一歩引いて見せる。

「いや、だから俺達は後でいいと……」

「それはダメだってこのお嬢さんは言ってるだろうが、いいから早くしろよ!」

 声を荒げてダンッとカウンターを叩いてみせ、周囲の視線を集めさせる。
 こっちはただの順番待ちをしているだけだからな、非は何もないので遠慮無く正論を突き付けさせてもらおう。

「そ、それは、その……」

 分かりやすい大きな声と音に、リーダーは狼狽えている。
 おいおい、それじゃ「疚しいもの隠してます」って言ってるようなもんだろう。
 周囲も「なんだ喧嘩か?」「やれやれー!」と囃し立て始めているので、そろそろ収拾つけてほしいんだけどな。

「はーい、何の騒ぎ?」



 すると、カウンターの奥からゆったりとした歩みで、ローブを纏った、青い髪を長く伸ばした女性が表に出てくる。
 着ているものは制服ではないし、耳も長く尖っている辺り、エルフ……ギルドマスターだろうか?

「んー、『エトナ』ちゃん、状況説明してくれる?」

 ギルドマスターらしきエルフの女性から、「エトナちゃん」と呼ばれた受付嬢は、彼らの荷物に目を向けながら、事態を説明する。

「はい。こちらの三名は、"メディリーフ“の採集依頼を受けており、納品も確認致しました。ですが、出立前にあの大きな包みを運んではいませんでした。危険物の可能性もあるとして、中を改めさせてもらおうとしましたが、のらりくらりと」

 ん?あの大きな包みはよその町から運んできたものじゃないのか。
 それにあの大きさで、しかもヴェイルワイバーンがひどく気が立っていたことも含めると、

 ……ははぁ、こいつらが何を運んでいたのか分かったぞ。

「そうだねぇ、もし本当に危ないものだったら良くないし、確認だけでもさせてもらえる?危なくないなら、ギルドとしても何も言わないから、ね?」

 ニッコリスマイルのギルドマスター。なのにその笑顔にとてつもない"圧“を感じるのは気のせいではないだろう。

「それとも……何か、"悪いこと“をしようとしてたのかな?」

 一歩一歩とギルドマスターが大きな包みに近付く。

「あっ、ちょっ、待っ……」

 リーダーがそれを制止しようとするが、ギルドマスターは構わずに布を引っぺ返した。

 布に覆われていたのは、だった。

「これは……エトナちゃん、鑑定してもらえる?」

「はい」

 ギルドマスターの目配せに、エトナはすぐに鑑定魔法を発動、魔法陣を広げて卵の情報を読み取り――読み取るまでもないだろうが――鑑定完了。

「鑑定結果、『ヴェイルワイバーンの卵』です」

 やっぱりな。
 ギルドマスターもちょっと困ったように苦笑している。

「うーん、飛竜種の卵かぁ……現在、カイツールのギルドでは飛竜種の卵の納品依頼は発注されてないんだけど、これ、どうしたの?」

「そ、その……た、んですよ……」

 するとリーダーはしどろもどろになりながら、ギルドマスターから目を逸らしながら理由を明かした。

「そっかぁ、食べてみたかったんだ?うんうん、気持ちは分かるよ。貴族の夜会なんかで、飛竜種の卵を使った料理とかあるし」

 でもね、とギルドマスターは毅然とした態度で告げる。

「ギルドが認定した依頼以外で、魔物の卵を採取するのは、原則禁止だよ。これは、森の生態系を守るためでもあるから」

 そう。
 ギルドマスターが言うように、魔物の卵は基本的に採取してはいけないものだ。
 危険な飛竜の個体数が減るからいいじゃないか、と思うかもしれないが、実はそうではない。
 一定数の飛竜が生まれてくれないと、からだ。
 過去に卵を乱獲した結果、絶滅してしまったと言う動物や魔物もいる。
 ギルドが卵類の納品依頼を受諾する際は、調査隊がしっかりその地の個体数や卵の数を把握し、卵を採取しても問題ない、あるいは卵の数を減らすべきと判断された場合にのみ、受注可能になるのだ。

 つまり、彼らはギルドに無断で卵の採取を強行し、その結果、こどもを奪われたヴェイルワイバーンは当然怒り狂って卵を取り戻しに襲い掛かった、と言うわけだ……これで全ての出来事に合点が入った。
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