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19話 エトナちゃん大捜索
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アンドリューさんの夕食兼晩酌に付き合い、アンドリューさんがいい具合に酔ってきたところでお開きになった昨夜から一晩。
宿屋で借りた部屋のカーテンを開けてみれば、朝日が遠慮なく窓に差し込んでくる。眩しい。
今日もいい天気、絶好の依頼日和だ。
朝日を浴びながらのんびり身支度を整えていると、昨日と同じくアイリスが先に迎えに来てくれたので、そのまま合流して朝食を食べに行く。
宿を引き払ったら真っ直ぐ酒場へ。
「今日は何の依頼を受けるのですか?」
「そうだな、現在受注可能な依頼を一通り目に通してから決めるつもりだが、なるべく実戦的……小型の魔物の間引きを優先して受けようと思う」
昨日はスライム――臆病で戦闘力も弱い相手だったので、今日はもう少し強めの、と言うよりも縄張り意識のあるゴブリンや、猪型の魔物のギルファンゴ辺りがいいな。
小型の魔物の間引き依頼が無ければ、まぁ簡単にこなせる依頼でもいいか。
そうして酒場に入ると、カウンターの様子が昨日と違った。
受付嬢数人とリーゼマスターが何やら話し込んでおり――エトナと言っていたピンク髪の受付嬢の少女がいない。今日は休みか?
内容はよく聞こえないが、受付嬢達とリーゼマスターの表情から、あまり楽しい内容では無さそうだ。
「おはようございます、ギルドマスター」
何がどうしたかは知らないが、ギルドマスターが表に出ているので挨拶はしておこう。
アイリスも合わせて「おはようございます」と言うと、リーゼマスターが振り向いた。
「え?あぁ、リオくんにアイリスさん。おはよう」
「何か問題でも起きたんですか?」
あまり踏み込むつもりはないが、世間話のついで程度に訊いてみる。
すると、リーゼマスターは困ったように。
「エトナちゃん……桃色の髪の受付嬢がいるでしょう?あの娘、今日も出勤なのにまだ来ていないの」
「単純に寝坊して遅刻してるだけなんじゃ?」
いくら有能で真面目だろうと、人間は人間、こなれていることを失敗したりもする。それくらいは普通にあると思ったのだが、
「うぅん、エトナちゃんは今日まで無遅刻無欠勤。昨日も特別疲れていたように見えなかったし、今日に限ってこんな遅刻をするとは思えないかな」
遅刻するにしても何時間も遅れることはない、と言うリーゼマスター。
「まだ自宅にいるとかは?」
「お家にも訪ねてみたけど、反応は無かったから、家は出ているはずなの」
そう言われるとなんだか少し心配になるな。
「リオさん」
ふとアイリスに呼ばれたので振り向くと、どう見ても「心配してます」と言う顔をしていた。
「受付嬢さんがいないと、冒険者の私達もギルドの皆さんも困りますし、依頼の方は後回しにして、エトナちゃんを捜しに行きましょう」
ですよねー。
「……そうだな。まぁ、町を散歩がてら捜して回ってみるか」
午前中はそれに時間を費やしてもいいか。
「ごめんね二人とも、ギルドの問題なのに」
リーゼマスターは申し訳なさそうに頭を下げてくる。
「ギルドマスターが頭下げないでくださいよ、ちょっとその辺を散歩しにいくだけですから」
「……ありがとうね。私もこれからエトナちゃんの捜索を始めるから」
「分かりました、じゃぁまた後で」
行こうか、とアイリスと一緒に潜ったばかりの酒場の戸をまた潜って外に出る。
……遠くの空から暗雲が近付いてきているな、昼頃から雨が降るかもしれない。
それから。
アイリスと手分けして住民からエトナのことを訊いて回ってみたが、それらしい情報は得られず、途中で合流したリーゼマスターも同じような結果だった。
もうすぐ昼前になるかと言う頃に、空が曇り覆われ、すぐにも雨が降り出してきた。
「……見つかりませんね」
アイリスは曇天を見上げながら、そう呟いた。
目撃証言ひとつ聞かないのは、偶然が重なり過ぎただけとは思えない。
「……やはり、何か事件に巻き込まれていると見るべきだな」
となると、これは人為的なもの……誘拐か拉致か。
「リオさん、そろそろギルドマスターさんとの合流時間です」
アイリスが柱時計を見て、リーゼマスターとの合流時間が近いことを伝えてくれる。
「そうか。なら、一度酒場の前に……」
と言いかけたところで、
「おぉ、リオにお嬢さん。こんな雨の中どうした?」
声をかけてきたのは、アンドリューさんだった。昨夜のアルコールは抜けているようだ。
「アンドリューさん、いいところに」
「ん?なんだなんだ?」
今朝酒場に赴いたら、エトナと言うピンク髪の受付嬢が出勤しておらず、行方不明になっているようなので、リーゼマスターと手分けしてエトナを捜索中と言うことを伝えると。
「うーむ、ピンク色の髪の女の子か。見覚えは無いなぁ」
「そうですか……」
アンドリューさんも見てないと言う。
だが、何か思い当たる節があったのか、「む?」と目を見開いた。
「そう言えばさっき、怪しそうな奴らが、やけに大きな包みを運んでいたのを見たんだが……その女の子の体格はどのくらいだ?」
「私より一回り小柄なくらいです」
アイリスは自分を例えにしてそう伝える。
彼女と比較した上で、身体の凹凸は控えめと言うか成長期の途中と言うか……
アンドリューさんは一度アイリスを見て、
「……うむ、遠目から見ただけだが、サイズ的にそれくらいだったかもしれんな」
「「!!」」
もしかしたら、当たりかもしれない。
「アンドリューさん、今からちょっと時間いいですか?」
宿屋で借りた部屋のカーテンを開けてみれば、朝日が遠慮なく窓に差し込んでくる。眩しい。
今日もいい天気、絶好の依頼日和だ。
朝日を浴びながらのんびり身支度を整えていると、昨日と同じくアイリスが先に迎えに来てくれたので、そのまま合流して朝食を食べに行く。
宿を引き払ったら真っ直ぐ酒場へ。
「今日は何の依頼を受けるのですか?」
「そうだな、現在受注可能な依頼を一通り目に通してから決めるつもりだが、なるべく実戦的……小型の魔物の間引きを優先して受けようと思う」
昨日はスライム――臆病で戦闘力も弱い相手だったので、今日はもう少し強めの、と言うよりも縄張り意識のあるゴブリンや、猪型の魔物のギルファンゴ辺りがいいな。
小型の魔物の間引き依頼が無ければ、まぁ簡単にこなせる依頼でもいいか。
そうして酒場に入ると、カウンターの様子が昨日と違った。
受付嬢数人とリーゼマスターが何やら話し込んでおり――エトナと言っていたピンク髪の受付嬢の少女がいない。今日は休みか?
内容はよく聞こえないが、受付嬢達とリーゼマスターの表情から、あまり楽しい内容では無さそうだ。
「おはようございます、ギルドマスター」
何がどうしたかは知らないが、ギルドマスターが表に出ているので挨拶はしておこう。
アイリスも合わせて「おはようございます」と言うと、リーゼマスターが振り向いた。
「え?あぁ、リオくんにアイリスさん。おはよう」
「何か問題でも起きたんですか?」
あまり踏み込むつもりはないが、世間話のついで程度に訊いてみる。
すると、リーゼマスターは困ったように。
「エトナちゃん……桃色の髪の受付嬢がいるでしょう?あの娘、今日も出勤なのにまだ来ていないの」
「単純に寝坊して遅刻してるだけなんじゃ?」
いくら有能で真面目だろうと、人間は人間、こなれていることを失敗したりもする。それくらいは普通にあると思ったのだが、
「うぅん、エトナちゃんは今日まで無遅刻無欠勤。昨日も特別疲れていたように見えなかったし、今日に限ってこんな遅刻をするとは思えないかな」
遅刻するにしても何時間も遅れることはない、と言うリーゼマスター。
「まだ自宅にいるとかは?」
「お家にも訪ねてみたけど、反応は無かったから、家は出ているはずなの」
そう言われるとなんだか少し心配になるな。
「リオさん」
ふとアイリスに呼ばれたので振り向くと、どう見ても「心配してます」と言う顔をしていた。
「受付嬢さんがいないと、冒険者の私達もギルドの皆さんも困りますし、依頼の方は後回しにして、エトナちゃんを捜しに行きましょう」
ですよねー。
「……そうだな。まぁ、町を散歩がてら捜して回ってみるか」
午前中はそれに時間を費やしてもいいか。
「ごめんね二人とも、ギルドの問題なのに」
リーゼマスターは申し訳なさそうに頭を下げてくる。
「ギルドマスターが頭下げないでくださいよ、ちょっとその辺を散歩しにいくだけですから」
「……ありがとうね。私もこれからエトナちゃんの捜索を始めるから」
「分かりました、じゃぁまた後で」
行こうか、とアイリスと一緒に潜ったばかりの酒場の戸をまた潜って外に出る。
……遠くの空から暗雲が近付いてきているな、昼頃から雨が降るかもしれない。
それから。
アイリスと手分けして住民からエトナのことを訊いて回ってみたが、それらしい情報は得られず、途中で合流したリーゼマスターも同じような結果だった。
もうすぐ昼前になるかと言う頃に、空が曇り覆われ、すぐにも雨が降り出してきた。
「……見つかりませんね」
アイリスは曇天を見上げながら、そう呟いた。
目撃証言ひとつ聞かないのは、偶然が重なり過ぎただけとは思えない。
「……やはり、何か事件に巻き込まれていると見るべきだな」
となると、これは人為的なもの……誘拐か拉致か。
「リオさん、そろそろギルドマスターさんとの合流時間です」
アイリスが柱時計を見て、リーゼマスターとの合流時間が近いことを伝えてくれる。
「そうか。なら、一度酒場の前に……」
と言いかけたところで、
「おぉ、リオにお嬢さん。こんな雨の中どうした?」
声をかけてきたのは、アンドリューさんだった。昨夜のアルコールは抜けているようだ。
「アンドリューさん、いいところに」
「ん?なんだなんだ?」
今朝酒場に赴いたら、エトナと言うピンク髪の受付嬢が出勤しておらず、行方不明になっているようなので、リーゼマスターと手分けしてエトナを捜索中と言うことを伝えると。
「うーむ、ピンク色の髪の女の子か。見覚えは無いなぁ」
「そうですか……」
アンドリューさんも見てないと言う。
だが、何か思い当たる節があったのか、「む?」と目を見開いた。
「そう言えばさっき、怪しそうな奴らが、やけに大きな包みを運んでいたのを見たんだが……その女の子の体格はどのくらいだ?」
「私より一回り小柄なくらいです」
アイリスは自分を例えにしてそう伝える。
彼女と比較した上で、身体の凹凸は控えめと言うか成長期の途中と言うか……
アンドリューさんは一度アイリスを見て、
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