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面接(?)
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「少し待っていて」とクリスさんに言われて、俺とシャルは玄関先で暫しお待ち。さすがに見知らぬ人をいきなりウチに上げるわけにはいかんだろうしな。
少しと言う時間も経つ間もなく、クリスさんが村長さんを連れてきた。
「お待たせしました。アルフさんと、シャルさん、でしたかな」
穏やかそうな人だな。
だが、俺達はまだ他所者だ。ここは最後まで礼儀正しくいかせてもらおう。
「初めまして。俺はアルフと申します」
「義妹のシャルです」
あまり怖そうな人ではないからか、シャルも緊張を見せることなく名乗ってくれた。
「こちらこそ。私はこのサダルスウドの長の『ベン』と申します」
ベン村長か、覚えておこう。
「クリスからお話は聞いています。なんでも随分遠いところから、この村にお越しになられたとか」
「はい。永住地をどこにするかを義妹と相談して、穏やかに暮らせる場所がいいと言うことで、この村へ」
なんだか面接みたいだな。
まぁ、無難に答えていこう。
「なるほど。ところで、お二人の職業をお聞きしても?」
職業、職業……か。
これはちょっと考えて答えないとな。
今まではただの旅人で済ませていたが、ここで永住するとなるときちんとした職が必要になる。
働かざる者食うべからずってな。
「……国立トリスティン魔法学園の卒業、卒業後は実家でのデスクワークが主な仕事でした。あとは、用心棒の真似事を少々。この村で晴耕雨読をして暮らそうと思っていたのですが、修学経験が何か活かせればと」
「魔法学園での修学経験があるのですか?」
おっ、食いついた。
辺境の村だし、寺子屋みたいな施設は無いのかもしれない。
「もし良ければですが、この村の学問所で教師をやっていただけませんか?」
あるんだ、学校。
「学問所、ですか」
「はい。数年前に教師役が亡くなってからは、手の空いている者が持ち回っていたのですが、あまり効率が良いとは言えないものでして。アルフさん、どうか教師役を引き受けていただけませんか」
オゥ、そんな頼み込まれたら断れないジャマイカ。
俺自身の知識で魔法学園で学んだことの大凡は頭に入っているが、ちゃんと教えられるかどうかは微妙だな。
先生の真似事なんてやったことないんだが、職らしい職に手を付けられるのはありがたい話だ。
「分かりました。教員の資格などはありませんが、子どもたちのために微力を尽くしましょう」
「おぉ、ありがとうございます。アルフ先生」
先生て。
俺まだ20歳かそこらなんですが。
「それで、シャルさんの方は……」
ベン村長の視線がシャルに向けられる。
あ、ちょっと待ってベン村長、シャルは教育だってまともに受けられてないんです。
「その、わたしは……」
あかん、シャルが答えに窮している。このままではただの引きこもりニ○ト扱いされてしまう。
「ベン村長。お恥ずかしながら、義妹は少々人見知りでして。彼女には、俺の補佐をしていただこうと」
「お、お兄様っ?」
「いいな、シャル」
「…………はい」
シャルは少し納得してなさそうだが、仕方無い。すまんな。
シャルは俺の補佐役をすると聞いて、ベン村長は「そうでしたか」と頷いてくれた。
「クリス、お前はどう思う?」
「そうね。人柄も良さそうだし、学問所を任せられるなら、私としても文句は無いわ」
親子揃ってのお墨付きをいただきました。
「では、今日のところは私のところでゆっくりなさってください」
「ありがとうございます、ベン村長」
よし、今日のところは村長のお家で一泊だ。
少しと言う時間も経つ間もなく、クリスさんが村長さんを連れてきた。
「お待たせしました。アルフさんと、シャルさん、でしたかな」
穏やかそうな人だな。
だが、俺達はまだ他所者だ。ここは最後まで礼儀正しくいかせてもらおう。
「初めまして。俺はアルフと申します」
「義妹のシャルです」
あまり怖そうな人ではないからか、シャルも緊張を見せることなく名乗ってくれた。
「こちらこそ。私はこのサダルスウドの長の『ベン』と申します」
ベン村長か、覚えておこう。
「クリスからお話は聞いています。なんでも随分遠いところから、この村にお越しになられたとか」
「はい。永住地をどこにするかを義妹と相談して、穏やかに暮らせる場所がいいと言うことで、この村へ」
なんだか面接みたいだな。
まぁ、無難に答えていこう。
「なるほど。ところで、お二人の職業をお聞きしても?」
職業、職業……か。
これはちょっと考えて答えないとな。
今まではただの旅人で済ませていたが、ここで永住するとなるときちんとした職が必要になる。
働かざる者食うべからずってな。
「……国立トリスティン魔法学園の卒業、卒業後は実家でのデスクワークが主な仕事でした。あとは、用心棒の真似事を少々。この村で晴耕雨読をして暮らそうと思っていたのですが、修学経験が何か活かせればと」
「魔法学園での修学経験があるのですか?」
おっ、食いついた。
辺境の村だし、寺子屋みたいな施設は無いのかもしれない。
「もし良ければですが、この村の学問所で教師をやっていただけませんか?」
あるんだ、学校。
「学問所、ですか」
「はい。数年前に教師役が亡くなってからは、手の空いている者が持ち回っていたのですが、あまり効率が良いとは言えないものでして。アルフさん、どうか教師役を引き受けていただけませんか」
オゥ、そんな頼み込まれたら断れないジャマイカ。
俺自身の知識で魔法学園で学んだことの大凡は頭に入っているが、ちゃんと教えられるかどうかは微妙だな。
先生の真似事なんてやったことないんだが、職らしい職に手を付けられるのはありがたい話だ。
「分かりました。教員の資格などはありませんが、子どもたちのために微力を尽くしましょう」
「おぉ、ありがとうございます。アルフ先生」
先生て。
俺まだ20歳かそこらなんですが。
「それで、シャルさんの方は……」
ベン村長の視線がシャルに向けられる。
あ、ちょっと待ってベン村長、シャルは教育だってまともに受けられてないんです。
「その、わたしは……」
あかん、シャルが答えに窮している。このままではただの引きこもりニ○ト扱いされてしまう。
「ベン村長。お恥ずかしながら、義妹は少々人見知りでして。彼女には、俺の補佐をしていただこうと」
「お、お兄様っ?」
「いいな、シャル」
「…………はい」
シャルは少し納得してなさそうだが、仕方無い。すまんな。
シャルは俺の補佐役をすると聞いて、ベン村長は「そうでしたか」と頷いてくれた。
「クリス、お前はどう思う?」
「そうね。人柄も良さそうだし、学問所を任せられるなら、私としても文句は無いわ」
親子揃ってのお墨付きをいただきました。
「では、今日のところは私のところでゆっくりなさってください」
「ありがとうございます、ベン村長」
よし、今日のところは村長のお家で一泊だ。
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