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マギアアームド・ファンタジア
7話 遭遇・邂逅
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ゴール地点は、山道の山頂部だ。
飛行型ならそこまでひとっ飛びかもしれないが、陸戦型はそこまでの推力を持たないので、道なりに登っていくしかない。
順調に山道を登っていくアロウとカノラだが、不意にアロウが足を止めた。
「アロウくん?どうしたの?」
「……戦闘の音が聞こえる」
金属同士がぶつかる甲高い音。
どうやら、ゴール地点の近くで戦闘が発生しているようだ。
「もしかすると、ボス戦か?」
「ボ、ボスがいるの?」
「ボス敵のいるチュートリアルだと思う。けど、慌てずに戦えば勝てるはずだ」
いくらボス戦になるかもしれないとはいえ、チュートリアルクエストなので、先程に倒したゴブリンより少し強いくらいだろう。
それなら普通に倒せるはずだ、とアロウはカノラに言い聞かせる。
緊張の糸を張りつつ、山頂部へと近付いていく。
そうして最初に見えたのは、赤色の長い髪をした少女。カノラと同じ装備のようだが、所々を薄いピンク色に染められている。
その少女と相対するのは、純白の少女。
髪も肌も、身に付ける衣服も白く、頭には犬の耳に似た獣耳が生えている。
手にしているのは、華美な装飾が施された、片手剣と盾。
「チッ、また来たか……次から次へと鬱陶しい!」
アロウとカノラを視認して、そう忌々しげに発したのは純白の少女。
「また……?」
対する赤髪の少女は、自身の後方、アロウとカノラの方に目を向け、
次の瞬間には純白の少女は飛び掛かり、その剣で斬りつけようと振りかざし――
「危ないっ!」
「きゃっ!?」
同じタイミングでアロウも駆け出し、赤髪の少女を突き飛ばし、シールドでその剣を受ける。
ギヂィッ、とシールドの表面に剣刃がめり込み、シールドの方に亀裂が走る。
「ぐっ……!」
「邪魔だ!」
純白の少女は剣を引き抜くと、その場で跳躍、アロウを踏み台にするようにしてさらに跳び上がる。
アロウが振り向いた時には、山頂から山肌を滑るように駆け下りていく姿を見送っていた。
「あんな急斜面を……」
「アロウくんっ、大丈夫!?」
一歩遅れて、カノラが駆け寄ってくる。
「うん、俺は大丈夫。シールドが壊れたぐらい」
それより、とアロウは自分が突き飛ばした赤髪の少女に視線を向ける。
「急に突き飛ばしてすみません、大丈夫ですか?」
「あ……私は大丈夫です」
突き飛ばされて尻餅をついていた赤髪の少女は、立ち上がる。
「何があったんですか?」
この赤髪の少女が、先程の純白の少女と戦闘を行っていたのだろう。
「私は、採集クエストをしていたんですけど、ここを通り掛かったら、急にあの子が出てきて、敵だって勘違いされてしまって……」
「でも、俺達が来たらすぐに逃げましたけど……」
単に数的不利を見て逃走しただけかもしれないが。
アロウは周囲を見渡し、特に怪しいところは無い事を確かめる。
「とにかく、無事で良かったってことで」
「そ、そうですね。助けてくれて、ありがとうございます」
ぺこり、と頭を下げる赤髪の少女。
飛行型ならそこまでひとっ飛びかもしれないが、陸戦型はそこまでの推力を持たないので、道なりに登っていくしかない。
順調に山道を登っていくアロウとカノラだが、不意にアロウが足を止めた。
「アロウくん?どうしたの?」
「……戦闘の音が聞こえる」
金属同士がぶつかる甲高い音。
どうやら、ゴール地点の近くで戦闘が発生しているようだ。
「もしかすると、ボス戦か?」
「ボ、ボスがいるの?」
「ボス敵のいるチュートリアルだと思う。けど、慌てずに戦えば勝てるはずだ」
いくらボス戦になるかもしれないとはいえ、チュートリアルクエストなので、先程に倒したゴブリンより少し強いくらいだろう。
それなら普通に倒せるはずだ、とアロウはカノラに言い聞かせる。
緊張の糸を張りつつ、山頂部へと近付いていく。
そうして最初に見えたのは、赤色の長い髪をした少女。カノラと同じ装備のようだが、所々を薄いピンク色に染められている。
その少女と相対するのは、純白の少女。
髪も肌も、身に付ける衣服も白く、頭には犬の耳に似た獣耳が生えている。
手にしているのは、華美な装飾が施された、片手剣と盾。
「チッ、また来たか……次から次へと鬱陶しい!」
アロウとカノラを視認して、そう忌々しげに発したのは純白の少女。
「また……?」
対する赤髪の少女は、自身の後方、アロウとカノラの方に目を向け、
次の瞬間には純白の少女は飛び掛かり、その剣で斬りつけようと振りかざし――
「危ないっ!」
「きゃっ!?」
同じタイミングでアロウも駆け出し、赤髪の少女を突き飛ばし、シールドでその剣を受ける。
ギヂィッ、とシールドの表面に剣刃がめり込み、シールドの方に亀裂が走る。
「ぐっ……!」
「邪魔だ!」
純白の少女は剣を引き抜くと、その場で跳躍、アロウを踏み台にするようにしてさらに跳び上がる。
アロウが振り向いた時には、山頂から山肌を滑るように駆け下りていく姿を見送っていた。
「あんな急斜面を……」
「アロウくんっ、大丈夫!?」
一歩遅れて、カノラが駆け寄ってくる。
「うん、俺は大丈夫。シールドが壊れたぐらい」
それより、とアロウは自分が突き飛ばした赤髪の少女に視線を向ける。
「急に突き飛ばしてすみません、大丈夫ですか?」
「あ……私は大丈夫です」
突き飛ばされて尻餅をついていた赤髪の少女は、立ち上がる。
「何があったんですか?」
この赤髪の少女が、先程の純白の少女と戦闘を行っていたのだろう。
「私は、採集クエストをしていたんですけど、ここを通り掛かったら、急にあの子が出てきて、敵だって勘違いされてしまって……」
「でも、俺達が来たらすぐに逃げましたけど……」
単に数的不利を見て逃走しただけかもしれないが。
アロウは周囲を見渡し、特に怪しいところは無い事を確かめる。
「とにかく、無事で良かったってことで」
「そ、そうですね。助けてくれて、ありがとうございます」
ぺこり、と頭を下げる赤髪の少女。
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