140 / 159
約束の未来へ
137話 ラストダンジョン
しおりを挟む
"大穴"に飛び込むために落下すること数十秒ほど。
目隠しをしたままバンジージャンプをするような感覚だが、ようやく地表らしいものが見えてきたところでスラスターを噴射して姿勢制御、ゆっくりと着地する。
ルナ、カノラ、メイプル、ジルダも順に着地してくる。
辺りを見てみれば、これまでの遺跡の深部――祭壇の間の一歩手前の通路のように、冷ややかな印象のある石壁に囲われた道。
しかし、データの破損が漏れ出している割には、この辺りにその崩れたテクスチャは見当たらない。
「まさにラストダンジョンって感じだね」
メイプルがそう口にしたように、いかにもこの先で邪悪な魔王が待ち構えているかのような、おどろおどろしさがある。
「ラストダンジョンかどうかは知らないけど、用心に越したことは無さそうね」
ジルダはミサイルのハッチを開き、弾頭を通常の炸薬に切り替える。
「よし……行こう」
この先は何が待ち構えているか分からない。
けれどフェルテのためには、行かねばなない。
恐怖と緊張を腹の底に押し込んで、アロウは先頭に立って歩き出す。
やはり道中にもモンスターはいるようで、闇の力を宿した『ブラックスライム』や『エビルゴブリン』、『ファントムナイト』、上空からは『ガーゴイル』『デスハーピー』『ヘルコンドル』が襲い来る。
それら一体一体は大した強さではなく、苦戦することもない。
問題なのは、
「さすがに、数が多いですね……!」
スラスターウイングを翻しながらツインエナジーライフルを連射するルナは、ここまでに何十体もの飛行型モンスターを撃破している。
「うーん、これじゃなかなか進めないね……」
そのルナの死角をカバーしつつも強化魔術を掛けて回っているカノラは、奥に進めば進むほどモンスターの数が増え、それに伴って自分達の足も進まないことを気にする。
「あーもうっ、邪魔邪魔!倒した端から出てくんなし!」
魔獣系のモンスターの素材を多数使って強化した『ビーストクロウ』を振り回しながら縦横無尽にモンスターの群れを引き裂いていくメイプルは、倒しても倒しても後から涌いてくるような数のモンスターに辟易している。
「持久戦は望むところじゃ無いのよ……どれだけ弾薬代が掛かると!」
金がかかると言いながらも、その弾薬を惜しみなく駆使してモンスターの群れをヘビーガトリングガンとミサイルで効率よく吹き飛ばしていくジルダ。
「フェルテが待ってるかもしれないんだ……邪魔を、するなぁッ!」
ファントムナイトの振るう剣をドラゴニウムシールドで弾き返し、返す刀のプラズマソードで斬り裂き、周囲のモンスターをエナジーライフルで撃ち落としていく。
アロウ達五人が進撃していく一方、カインとオーディンもまた大穴の底へ到着した。
「アロウ達はどこまで進んでいるんだ?」
オーディンは四脚形態で地を踏み潰すように着地する。
「分からん、だがそこまで奥には進んではいないだろう。この地の調査は二の次、アロウ君達の無事の確認を最優先だ」
蒼翼を羽ばたかせてふわりと柔らかく着地するのはカイン。
「そう言えば、フェルテが創造神の神子だのどうとか言っていたが……」
「創造神、神子……ふむ、彼女は異世界転生の女神から遣わされた存在なのかもしれないな」
「異世界転生の女神か、ますますメタ臭くなってきたな。……尤も、それが現実の仮想世界にまで侵食しつつあるなら、笑い話ではすまないが」
まぁいい、とオーディンはグングニルを構え、カインもエナジーライフルをマウントラッチから取り出す。
暗闇の向こう側から、魔物の群れが押し寄せてくる。
「行くぞオーディン!」
「応ッ!」
目隠しをしたままバンジージャンプをするような感覚だが、ようやく地表らしいものが見えてきたところでスラスターを噴射して姿勢制御、ゆっくりと着地する。
ルナ、カノラ、メイプル、ジルダも順に着地してくる。
辺りを見てみれば、これまでの遺跡の深部――祭壇の間の一歩手前の通路のように、冷ややかな印象のある石壁に囲われた道。
しかし、データの破損が漏れ出している割には、この辺りにその崩れたテクスチャは見当たらない。
「まさにラストダンジョンって感じだね」
メイプルがそう口にしたように、いかにもこの先で邪悪な魔王が待ち構えているかのような、おどろおどろしさがある。
「ラストダンジョンかどうかは知らないけど、用心に越したことは無さそうね」
ジルダはミサイルのハッチを開き、弾頭を通常の炸薬に切り替える。
「よし……行こう」
この先は何が待ち構えているか分からない。
けれどフェルテのためには、行かねばなない。
恐怖と緊張を腹の底に押し込んで、アロウは先頭に立って歩き出す。
やはり道中にもモンスターはいるようで、闇の力を宿した『ブラックスライム』や『エビルゴブリン』、『ファントムナイト』、上空からは『ガーゴイル』『デスハーピー』『ヘルコンドル』が襲い来る。
それら一体一体は大した強さではなく、苦戦することもない。
問題なのは、
「さすがに、数が多いですね……!」
スラスターウイングを翻しながらツインエナジーライフルを連射するルナは、ここまでに何十体もの飛行型モンスターを撃破している。
「うーん、これじゃなかなか進めないね……」
そのルナの死角をカバーしつつも強化魔術を掛けて回っているカノラは、奥に進めば進むほどモンスターの数が増え、それに伴って自分達の足も進まないことを気にする。
「あーもうっ、邪魔邪魔!倒した端から出てくんなし!」
魔獣系のモンスターの素材を多数使って強化した『ビーストクロウ』を振り回しながら縦横無尽にモンスターの群れを引き裂いていくメイプルは、倒しても倒しても後から涌いてくるような数のモンスターに辟易している。
「持久戦は望むところじゃ無いのよ……どれだけ弾薬代が掛かると!」
金がかかると言いながらも、その弾薬を惜しみなく駆使してモンスターの群れをヘビーガトリングガンとミサイルで効率よく吹き飛ばしていくジルダ。
「フェルテが待ってるかもしれないんだ……邪魔を、するなぁッ!」
ファントムナイトの振るう剣をドラゴニウムシールドで弾き返し、返す刀のプラズマソードで斬り裂き、周囲のモンスターをエナジーライフルで撃ち落としていく。
アロウ達五人が進撃していく一方、カインとオーディンもまた大穴の底へ到着した。
「アロウ達はどこまで進んでいるんだ?」
オーディンは四脚形態で地を踏み潰すように着地する。
「分からん、だがそこまで奥には進んではいないだろう。この地の調査は二の次、アロウ君達の無事の確認を最優先だ」
蒼翼を羽ばたかせてふわりと柔らかく着地するのはカイン。
「そう言えば、フェルテが創造神の神子だのどうとか言っていたが……」
「創造神、神子……ふむ、彼女は異世界転生の女神から遣わされた存在なのかもしれないな」
「異世界転生の女神か、ますますメタ臭くなってきたな。……尤も、それが現実の仮想世界にまで侵食しつつあるなら、笑い話ではすまないが」
まぁいい、とオーディンはグングニルを構え、カインもエナジーライフルをマウントラッチから取り出す。
暗闇の向こう側から、魔物の群れが押し寄せてくる。
「行くぞオーディン!」
「応ッ!」
0
あなたにおすすめの小説
スキルハンター~ぼっち&ひきこもり生活を配信し続けたら、【開眼】してスキルの覚え方を習得しちゃった件~
名無し
ファンタジー
主人公の時田カケルは、いつも同じダンジョンに一人でこもっていたため、《ひきこうもりハンター》と呼ばれていた。そんなカケルが動画の配信をしても当たり前のように登録者はほとんど集まらなかったが、彼は現状が楽だからと引きこもり続けていた。そんなある日、唯一見に来てくれていた視聴者がいなくなり、とうとう無の境地に達したカケル。そこで【開眼】という、スキルの覚え方がわかるというスキルを習得し、人生を大きく変えていくことになるのだった……。
サイレント・サブマリン ―虚構の海―
来栖とむ
SF
彼女が追った真実は、国家が仕組んだ最大の嘘だった。
科学技術雑誌の記者・前田香里奈は、謎の科学者失踪事件を追っていた。
電磁推進システムの研究者・水嶋総。彼の技術は、完全無音で航行できる革命的な潜水艦を可能にする。
小与島の秘密施設、広島の地下工事、呉の巨大な格納庫—— 断片的な情報を繋ぎ合わせ、前田は確信する。
「日本政府は、秘密裏に新型潜水艦を開発している」
しかし、その真実を暴こうとする前田に、次々と圧力がかかる。
謎の男・安藤。突然現れた協力者・森川。 彼らは敵か、味方か——
そして8月の夜、前田は目撃する。 海に下ろされる巨大な「何か」を。
記者が追った真実は、国家が仕組んだ壮大な虚構だった。 疑念こそが武器となり、嘘が現実を変える——
これは、情報戦の時代に問う、現代SF政治サスペンス。
【全17話完結】
大和型戦艦、異世界に転移する。
焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。
※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ
ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。
見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は?
異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。
鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。
エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~
シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。
主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。
追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。
さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。
疫病? これ飲めば治りますよ?
これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。
攻撃魔法を使えないヒーラーの俺が、回復魔法で最強でした。 -俺は何度でも救うとそう決めた-【[完]】
水無月いい人(minazuki)
ファンタジー
【HOTランキング一位獲得作品】
【一次選考通過作品】
---
とある剣と魔法の世界で、
ある男女の間に赤ん坊が生まれた。
名をアスフィ・シーネット。
才能が無ければ魔法が使えない、そんな世界で彼は運良く魔法の才能を持って産まれた。
だが、使用できるのは攻撃魔法ではなく回復魔法のみだった。
攻撃魔法を一切使えない彼は、冒険者達からも距離を置かれていた。
彼は誓う、俺は回復魔法で最強になると。
---------
もし気に入っていただけたら、ブクマや評価、感想をいただけると大変励みになります!
#ヒラ俺
この度ついに完結しました。
1年以上書き続けた作品です。
途中迷走してました……。
今までありがとうございました!
---
追記:2025/09/20
再編、あるいは続編を書くか迷ってます。
もし気になる方は、
コメント頂けるとするかもしれないです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる