星の王〜能力覚醒で無双開始。もう遅いなんて事ないから首を洗って待ってろよ殺してやるからな。

草間保浩

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第四十六話

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 旅に出て三日。
セナ達は未だ無事に旅を続けられていた。

 魔物は出るが、今の超人集団と化したセナ、ベルモット、ユゥリに勝てる魔物は今のところ出現しておらず、セナにステータスを奪われて死ぬだけだった。

「そういえば、魔物のスキルってのがあるんだけど、これは何なんだろう。」

 【健脚】や【剛腕】なんかのスキルと違い、魔物のスキルは【ゴブリン】や【ウルフ】なんかのその種族名で表記されている。
 かといって、セナがそのスキルを使うこともできず、ただステータスを奪う際の副産物程度にしか思っていなかった。

「え、あんまり持ってたらセナも魔物になるかもってこと?」
「えと、というか、そんなスキルを取得していたのですか?」
「うん、今まで用途がわからな過ぎて。良い機会だし、二人に聞いてみたくて。」

 旅と言ってもその多くは移動時間。
雑談で疲労感を紛らわせたいという感覚で、スキルについての談義を始めた。

「使ったらセナがゴブリンに変身しちゃったり!」
「使用って感じじゃないから、多分パッシブスキルなんだよ。」
「では、魔物の技能が使えるとか、ウルフであれば、爪や牙が伸びたり」
「あはは、人狼って感じになったら嫌だな。」

 そんな風に和気藹々と話しながらも、魔物に遭遇すればそれと戦う。
そうなれば雑談は中断。無心で魔物を殲滅するだけ。

「俺の想像なんだが、例えば魔物にため込んだスキルを全部与えたら、何か変化があるんじゃないかって。」
「あー、それ面白いかも。」
「ですが、危険なのでは?」
「うん、危険かもしれない。」

 実際問題、セナは魔物のスキルを貯めこんでも今のところデメリットは感じていない。

 貯めるスキルに容量があるならどうにか処分するが、百を超えても問題がない以上、きっとこれに限界はない。限界が来た時に何かあるかもしれないが、今はそうじゃないからどうとも言えない。

「魔物の使役とか、そういうスキルもあるらしいからな。」
「あ、【春スライム】とか【メタドラ】には渡せないの?」
「……どうだろう。考えてもみなかった。」

 ユゥリのアイデアを受け入れ、その場に【春スライム】を召喚する。
魔物スキルはいくつか種類があるが、【スライム】は30個。

 作業の片手間、村の近くに出てきたやつを狩ってた時のもの。

ちなみに最大数の魔物スキルは【ゴブリン】の250。

「この【スライム】を全部【春スライム】に与える。」

 【春スライム】に触れながら、【スライム】のスキルを与える。

『【春スライム】が【四季スライム】に進化しました。』

 初めて聞く声が頭の中に響いて、【春スライム】のぷるぷるボディが淡く発光する。
 それは数秒で収まり、そこには斑色のスライムがいた。

「え!?本当に変わった!?」
「見たことのないスライムですね。【春スライム】も見たことはなかった種ですが、これは更に不思議ですね。」
「……二人とも、今の声は聞こえなかったのか?」
「「??」」
 
 今の声は二人に聞こえていないらしい。
正体不明の声だったが、セナはその内容を漏らさず覚えて理解している。

「このスライムは【四季スライム】って言うらしい。」
「しき?変な名前なのは変わらないけど、どんなスライムになったの?」

 ユゥリからの質問に、セナは答えを理解している。

「四体のスライムに分裂が可能、合体時には強力なスライムになる。」
「へ、へぇ、詳しいんだ。セナ、もしかして魔物とか好きなの?」
「というよりも、何か今知ったような雰囲気ですが。」

 ベルモットの見立ては正しく、セナは【四季スライム】について今初めて知った。
 何かからインストールされたように、初めて知ったことだらけだが、セナはそもそもインストールなどの知識が無いため、ただただ不思議な現象としか言えないまま、【四季スライム】を受け入れるだけで終わった。

「四体に分裂って、どんな感じなんだろ。」

 セナの言葉に反応するように、【四季スライム】はグニャリと変形し、
そのまま四体の色違いスライムに分かれた。

「水色と、橙色と、緑色と、あ、これは【春スライム】かな。」
「属性でしょうか。火や水、風、土のような。」
「色がやたら明るいが、【春スライム】が四匹になったようなもんか。」

 セナ達はまたいろいろ話ながらも、南へ向かって進み続ける。

 結局、神聖教の増援には遭遇せず、大きめの街に辿り着いたのは、それから更に二週間ほど歩き続けた後だった。
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