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第48話 わたくしもてあそばれているぅぅぅ!?(遥視点 後編)
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な、なんて事ですの!?
わたくしが魔物に捕まるどころか、いいようにもてあそばれている!?
またあんなに握り締められたら耐えられる気がしませんわ!
なんとかしてこの手の中から脱出しないと!
うっ、何!? 顔に何か生暖かい感触が!?
「ひぶっ!? ま、まひゃかこいつぅぅぅうぼえっ!?」
わたくし、舐められているの!?
うあああ!? わたくしの顔を、そんな汚物のような大舌でえええ!?
や、やめ――
「おぶっ、おえっ! うっげぇぇぇ!!?」
臭い! 汚い! ぎもぢ悪いっ!
こんなのだえられるわげがないッ!!
「がはっ、はあッ! うう……え?」
な、今度は何!?
いきなり視界が暗くなって――はっ!?
そんなまさかウソウソウソウソオオオ!!!?
この魔物、わたくしの頭を噛んでいるぅぅぅ!!? 甘噛みしちゃってるぅぅぅ!?
やめてやめてやめてぇぇぇ! 歯形が付いちゃうからぁぁぁ!
わたくしの頭に魔物の歯形が刻まれちゃぅうううう!!!!
「いだい、いだいいだいいだい! やめて、やめれぇ~~~~~~!!!!!」
「ガフフッ! グフフフッ!!」
「アッ……そ、そんな、コイツ……まさか笑って!?」
うそ……コイツまさか、わたくしが叫んでいる事を楽しんでいる?
じゃあもしかして、コイツにとってわたくしは……ただの遊び道具に過ぎない?
冗談、でしょう……?
「あ、あ、ああああああ!!!」
「グッフフフフ! ハァァァァ!」
「あぎっ!? ぎゃああああああ!!!!!」
離れたと思ったらまた握られた! 握り潰されそう!
骨が、肉が筋が悲鳴を上げている!?
そんな、そんなあああ!!!
「あ"っ、やめっおぶっ!? うっげぇ!」
「グカカ! カカカカッ!」
「あいだっ!? いだい! 頭ゴリッでぇ噛むのやめれえええ!」
まさかコイツ、ずっと続けるつもりなの!?
この拷問を、わたくしが悲鳴を上げ続ける限り!?
いや、そんなのいや! もう耐えられない!
こんなの無理よ、絶対に無理ィ!!!
はっ、そうだ!
「あなただちぃ! 早くぅ助けなさいぃ! 何をしてますのぉ!」
「は、遥様!?」
そうよ、わたくしには味方がいる!
大金をはたいて雇っているわたくしの精鋭達が!
こんな時のために雇っているんですのよぉぉぉ!
「無理です! こいつら我々の知っているレッドオークじゃない!」
「……へ?」
「こいつら想定よりずっと強くて、私達だけじゃ押し切れません! 遥様なんとかしてください! きゃあああ!」
「あ、ああ……」
うそ、うそよ。
普通じゃない!? 違うわ、あなた達が弱過ぎるのよ!
覚悟が足りないのよ! わたくしを何としてでも助けるという犠牲心が!
「そんな雑魚なんてどうでもおげっ!? いいのですうぶあっ!? 死んででもわたくしをぉ助けなさいよおッ!!!」
「「「なっ……」」」
「一体何のために雇ったと、お、思っているんですの!? 下民がこの日まで、ぐぐぐっ!? 上級の身分でいられたのはあ! わたくしあってこそですのよぉぉぉ!?」
さぁこれでわかったでしょう!?
早くわたくしを助けるのです! あなた達の飼い主を!
それこそがあなた達の使命であり仕事であり義務なのよぉぉぉ!!!
「そんな事言ったって無理は無理に決まってるだろうが!」
「へッ!?」
「そうよ、自分で勝手に突っ込んでやられたのは遥様の方じゃない! 私達じゃこれ以上は無理なんです! もう!」
「下がれみんな、このままじゃあの人の二の舞だ!」
待ちなさい! なぜ下がるの!? 早く上がって来なさいよ!
わたくしを助けに来るのが定石でしょうが!?
どうして、なぜ行くの、待って、置いて行かないで。
助けて、お願い、あなた達だけが頼りなの。
もっとお金を払うから、いい職も斡旋するから、口利きもするから。
言う事を聞くから、いいポストを用意するわ、将来も約束してあげる。
だから待って、お願いだから。
なのになんで、待ってくれないの。
ど う し て――
あ……わたくしもしかして、見捨てられた……?
「あぐぅ!? あっがああああ!!?」
「グゥヒヒヒッ! ゲギギギギィィィ!!!!!」
「腕が折れっ!? ぎゃああああーーーーーーっ!!!!!」
そうか、わたくし、このまま死ぬんだわ。
この魔物に死ぬまでいたぶられて、弄ばれて、ゴミのように捨てられて。
……イヤ、そんなの絶対にイヤ! 死にたく、ない!
死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくないぃぃぃぃぃぃ!!!!!
「や……」
「グフ?」
「やぁだぁぁぁぁ~~~死にたくないよぉぉぉ! たすけてパパァ、マァマァァァ~~~~~~!!!!!」
もう誰でもいい。
助けて欲しい。
もうわたくしには何も残っていないの。
尊厳も、誇りも、意地も何もかも、もう股下から全部垂れ流してしまった。
そんなわたくしはもう、ばかみたいに泣き叫ぶ事しかできないのよぉぉぉ~~~!!!!!
わたくしが魔物に捕まるどころか、いいようにもてあそばれている!?
またあんなに握り締められたら耐えられる気がしませんわ!
なんとかしてこの手の中から脱出しないと!
うっ、何!? 顔に何か生暖かい感触が!?
「ひぶっ!? ま、まひゃかこいつぅぅぅうぼえっ!?」
わたくし、舐められているの!?
うあああ!? わたくしの顔を、そんな汚物のような大舌でえええ!?
や、やめ――
「おぶっ、おえっ! うっげぇぇぇ!!?」
臭い! 汚い! ぎもぢ悪いっ!
こんなのだえられるわげがないッ!!
「がはっ、はあッ! うう……え?」
な、今度は何!?
いきなり視界が暗くなって――はっ!?
そんなまさかウソウソウソウソオオオ!!!?
この魔物、わたくしの頭を噛んでいるぅぅぅ!!? 甘噛みしちゃってるぅぅぅ!?
やめてやめてやめてぇぇぇ! 歯形が付いちゃうからぁぁぁ!
わたくしの頭に魔物の歯形が刻まれちゃぅうううう!!!!
「いだい、いだいいだいいだい! やめて、やめれぇ~~~~~~!!!!!」
「ガフフッ! グフフフッ!!」
「アッ……そ、そんな、コイツ……まさか笑って!?」
うそ……コイツまさか、わたくしが叫んでいる事を楽しんでいる?
じゃあもしかして、コイツにとってわたくしは……ただの遊び道具に過ぎない?
冗談、でしょう……?
「あ、あ、ああああああ!!!」
「グッフフフフ! ハァァァァ!」
「あぎっ!? ぎゃああああああ!!!!!」
離れたと思ったらまた握られた! 握り潰されそう!
骨が、肉が筋が悲鳴を上げている!?
そんな、そんなあああ!!!
「あ"っ、やめっおぶっ!? うっげぇ!」
「グカカ! カカカカッ!」
「あいだっ!? いだい! 頭ゴリッでぇ噛むのやめれえええ!」
まさかコイツ、ずっと続けるつもりなの!?
この拷問を、わたくしが悲鳴を上げ続ける限り!?
いや、そんなのいや! もう耐えられない!
こんなの無理よ、絶対に無理ィ!!!
はっ、そうだ!
「あなただちぃ! 早くぅ助けなさいぃ! 何をしてますのぉ!」
「は、遥様!?」
そうよ、わたくしには味方がいる!
大金をはたいて雇っているわたくしの精鋭達が!
こんな時のために雇っているんですのよぉぉぉ!
「無理です! こいつら我々の知っているレッドオークじゃない!」
「……へ?」
「こいつら想定よりずっと強くて、私達だけじゃ押し切れません! 遥様なんとかしてください! きゃあああ!」
「あ、ああ……」
うそ、うそよ。
普通じゃない!? 違うわ、あなた達が弱過ぎるのよ!
覚悟が足りないのよ! わたくしを何としてでも助けるという犠牲心が!
「そんな雑魚なんてどうでもおげっ!? いいのですうぶあっ!? 死んででもわたくしをぉ助けなさいよおッ!!!」
「「「なっ……」」」
「一体何のために雇ったと、お、思っているんですの!? 下民がこの日まで、ぐぐぐっ!? 上級の身分でいられたのはあ! わたくしあってこそですのよぉぉぉ!?」
さぁこれでわかったでしょう!?
早くわたくしを助けるのです! あなた達の飼い主を!
それこそがあなた達の使命であり仕事であり義務なのよぉぉぉ!!!
「そんな事言ったって無理は無理に決まってるだろうが!」
「へッ!?」
「そうよ、自分で勝手に突っ込んでやられたのは遥様の方じゃない! 私達じゃこれ以上は無理なんです! もう!」
「下がれみんな、このままじゃあの人の二の舞だ!」
待ちなさい! なぜ下がるの!? 早く上がって来なさいよ!
わたくしを助けに来るのが定石でしょうが!?
どうして、なぜ行くの、待って、置いて行かないで。
助けて、お願い、あなた達だけが頼りなの。
もっとお金を払うから、いい職も斡旋するから、口利きもするから。
言う事を聞くから、いいポストを用意するわ、将来も約束してあげる。
だから待って、お願いだから。
なのになんで、待ってくれないの。
ど う し て――
あ……わたくしもしかして、見捨てられた……?
「あぐぅ!? あっがああああ!!?」
「グゥヒヒヒッ! ゲギギギギィィィ!!!!!」
「腕が折れっ!? ぎゃああああーーーーーーっ!!!!!」
そうか、わたくし、このまま死ぬんだわ。
この魔物に死ぬまでいたぶられて、弄ばれて、ゴミのように捨てられて。
……イヤ、そんなの絶対にイヤ! 死にたく、ない!
死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくないぃぃぃぃぃぃ!!!!!
「や……」
「グフ?」
「やぁだぁぁぁぁ~~~死にたくないよぉぉぉ! たすけてパパァ、マァマァァァ~~~~~~!!!!!」
もう誰でもいい。
助けて欲しい。
もうわたくしには何も残っていないの。
尊厳も、誇りも、意地も何もかも、もう股下から全部垂れ流してしまった。
そんなわたくしはもう、ばかみたいに泣き叫ぶ事しかできないのよぉぉぉ~~~!!!!!
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