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第64話 あたしって彼方が好きなのかな?(つくし視点)
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やっぱり人数多いってスゴエモ!
結構奥まで進んでも一杯付いてきてたし!
でも分かれ道もまだまだいくつもやってくる。
それに鍾乳洞みたいな変わり映えの無い中を右往左往に進むし。
時には上下にも動くから、もうどこにいるのかもわかんなくなっちった!
「ここでワシらも分かれるで! ほなまた後でなぁ!」
とうとう大阪チームも別の道に行っちゃったなー。
これでこの先はもうあたし達だけで探索しないとだ。
「ここからはちょっとペースを落として行こう」
「そ、そうして欲しい……私はちょっと体力、持たなさそう」
「モモパイセン体力ないからなー」
「むしろヒーラーなのについていけているつくしの方がおかしいのですわよ」
えーそんな事ないよーだってあたしは軒下魔宮でレベル上がってるし。
あ、それはモモパイセンもなんだけどさー。
「つくしは体力お化けだからな。ステータス補正もほとんど無いのにこれだよ」
「そもそも全体的にステータス値がおかしくありませんのあなた達!?」
「えへへー秘密の特訓してるからね!」
「それなのにつくしの体力8って。あとヒーラーなのに腕力423ってどういう事ですの!? 腕力の補正が低いとはいえ、日本屈指の双剣使いでレベル52であるわたくしの十倍はあるんですけど!?」
「ハハハすごいよな、つくしのステータスって。腕力と精神力極振りなんだぜ」
「あなたも大概ですけどね」
そっか、遥は軒下魔宮を知らないんだったね。
もし彼方の事を信じてくれるなら連れて行ってもらえるかもしれない。
あれ、でもそういえば遥って昔、彼方の家に行けなかったんだっけ。
彼方もなんか「コンは遥が嫌いだから今日は来ない」って言ってたし、誘ってもダメかもしれないなー。残念!
「お、また分かれ道だ。それじゃあ片側を頼むよ」
「うん、それじゃまた後でねー」
あんまり話す間もなく分かれ道が来ちゃったかー。
まーいつもと比べたら気軽におしゃべりができるだけマシかな。
でもダンジョンだから油断は禁物だよね。
彼方と別れたら遥も途端に黙っちゃったし。
それはきっと遥が前方を警戒してくれているから。
印も付けてくれてるし、あたしはついていくだけでいいって感じ。
なんだかイイトコ持ってかれてる感じがするなぁ。楽でいいけどさ。
「つくし、少し聞きたい事があります」
「はいはーい?」
ん、いきなりなんだろ? 遥があたしみたいなのに聞くなんて。
何か間違えた事しちゃったかな?
「つくしは彼方の事が好きなのですか?」
「……へ?」
な!? ななーっ!?
そ、それはどういうことですかなのぉーーー!?
「な、何の事かな~~~??? ぷぴーぷぴどぅわー」
「ふふっ、とぼけなくてもみんな気付いていますよ、きっと。彼方以外は、ですが」
「ヒエ……」
「だってあなた、嘘と演技がとても苦手みたいですもの」
「ウッ、会って間もない遥にも見抜かれてるゥ~……」
うーん、変な気分だなぁ。
それ、自分でもまだはっきりしてない事なのに。
「……そうだよ、あたしは多分、彼方が好き……なんだと思う」
「思う、とは?」
「まだ実感無いんだ。あたしは本当に彼方が好きなのかなって。頼ってるだけかもしれないし、信じすぎているだけなのかもしれないし」
「それが好きだという事なのでは?」
「ううん、あたしにとってはそれは多分違うんだ」
「どういう事かしら?」
うまく説明できないな。
多分、遥にはまだあたしの事全部伝えられてないから。
ううん、これは多分、彼方にもまだ言えない。
あたしはこの気持ちをハッキリさせちゃいけないって、そう思っているから。
じゃないとあたしは、結果的に彼方を裏切る事になる。
「色々あるんだよね、家庭の事情ってやつがさ」
「なるほど、つくし自体の問題という訳ですわね」
「うん。このまま好きって言っちゃうのは多分、あたし的には卑怯な事なんだ。だからその問題が解決するまでは気軽に好きだなんて言えないよ」
「そう……でしたらこれ以上は突っ込むのは野暮ですわね」
どうやら遥はわかってくれたみたいだ。
よかった、思ったより聞き分けのいい人で。
「でも早く整理しないと、遅れたらわたくしが彼方を食べてしまいますわよ?」
「えっ!? 彼方は筋肉だらけで多分フナよりおいしくないよ!」
「そっちの食べるではありませんわ……まぁいいですけど。フフッ」
でも彼方を食べられちゃうのはもっと嫌だな~。
何とかその前に気持ちとか家庭の事情とかクリアにしないと。
あーでもでも、それも一体いつまで続くやら。
難しいなぁ、っていうかムリゲーだよぉ……。
結構奥まで進んでも一杯付いてきてたし!
でも分かれ道もまだまだいくつもやってくる。
それに鍾乳洞みたいな変わり映えの無い中を右往左往に進むし。
時には上下にも動くから、もうどこにいるのかもわかんなくなっちった!
「ここでワシらも分かれるで! ほなまた後でなぁ!」
とうとう大阪チームも別の道に行っちゃったなー。
これでこの先はもうあたし達だけで探索しないとだ。
「ここからはちょっとペースを落として行こう」
「そ、そうして欲しい……私はちょっと体力、持たなさそう」
「モモパイセン体力ないからなー」
「むしろヒーラーなのについていけているつくしの方がおかしいのですわよ」
えーそんな事ないよーだってあたしは軒下魔宮でレベル上がってるし。
あ、それはモモパイセンもなんだけどさー。
「つくしは体力お化けだからな。ステータス補正もほとんど無いのにこれだよ」
「そもそも全体的にステータス値がおかしくありませんのあなた達!?」
「えへへー秘密の特訓してるからね!」
「それなのにつくしの体力8って。あとヒーラーなのに腕力423ってどういう事ですの!? 腕力の補正が低いとはいえ、日本屈指の双剣使いでレベル52であるわたくしの十倍はあるんですけど!?」
「ハハハすごいよな、つくしのステータスって。腕力と精神力極振りなんだぜ」
「あなたも大概ですけどね」
そっか、遥は軒下魔宮を知らないんだったね。
もし彼方の事を信じてくれるなら連れて行ってもらえるかもしれない。
あれ、でもそういえば遥って昔、彼方の家に行けなかったんだっけ。
彼方もなんか「コンは遥が嫌いだから今日は来ない」って言ってたし、誘ってもダメかもしれないなー。残念!
「お、また分かれ道だ。それじゃあ片側を頼むよ」
「うん、それじゃまた後でねー」
あんまり話す間もなく分かれ道が来ちゃったかー。
まーいつもと比べたら気軽におしゃべりができるだけマシかな。
でもダンジョンだから油断は禁物だよね。
彼方と別れたら遥も途端に黙っちゃったし。
それはきっと遥が前方を警戒してくれているから。
印も付けてくれてるし、あたしはついていくだけでいいって感じ。
なんだかイイトコ持ってかれてる感じがするなぁ。楽でいいけどさ。
「つくし、少し聞きたい事があります」
「はいはーい?」
ん、いきなりなんだろ? 遥があたしみたいなのに聞くなんて。
何か間違えた事しちゃったかな?
「つくしは彼方の事が好きなのですか?」
「……へ?」
な!? ななーっ!?
そ、それはどういうことですかなのぉーーー!?
「な、何の事かな~~~??? ぷぴーぷぴどぅわー」
「ふふっ、とぼけなくてもみんな気付いていますよ、きっと。彼方以外は、ですが」
「ヒエ……」
「だってあなた、嘘と演技がとても苦手みたいですもの」
「ウッ、会って間もない遥にも見抜かれてるゥ~……」
うーん、変な気分だなぁ。
それ、自分でもまだはっきりしてない事なのに。
「……そうだよ、あたしは多分、彼方が好き……なんだと思う」
「思う、とは?」
「まだ実感無いんだ。あたしは本当に彼方が好きなのかなって。頼ってるだけかもしれないし、信じすぎているだけなのかもしれないし」
「それが好きだという事なのでは?」
「ううん、あたしにとってはそれは多分違うんだ」
「どういう事かしら?」
うまく説明できないな。
多分、遥にはまだあたしの事全部伝えられてないから。
ううん、これは多分、彼方にもまだ言えない。
あたしはこの気持ちをハッキリさせちゃいけないって、そう思っているから。
じゃないとあたしは、結果的に彼方を裏切る事になる。
「色々あるんだよね、家庭の事情ってやつがさ」
「なるほど、つくし自体の問題という訳ですわね」
「うん。このまま好きって言っちゃうのは多分、あたし的には卑怯な事なんだ。だからその問題が解決するまでは気軽に好きだなんて言えないよ」
「そう……でしたらこれ以上は突っ込むのは野暮ですわね」
どうやら遥はわかってくれたみたいだ。
よかった、思ったより聞き分けのいい人で。
「でも早く整理しないと、遅れたらわたくしが彼方を食べてしまいますわよ?」
「えっ!? 彼方は筋肉だらけで多分フナよりおいしくないよ!」
「そっちの食べるではありませんわ……まぁいいですけど。フフッ」
でも彼方を食べられちゃうのはもっと嫌だな~。
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