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第106話 パーソナリアルライド!
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『もぉー幻聴じゃないってばー! えいえーい!』
「うおおッ!? 待って髪引っ張らないで!? ていうかどうやって引っ張ってんの!?」
つくしが自力で絆ライディングを行い、俺のための装備へと変化した。
それも成功し、俺は今つくしだった服を着れている。
なのに、なぜかその服がしゃべってるんだけど?
それどころかつくしの意識がまんま残っているんだけど?
コンでもここまでダイレクトに残らないよ? なんで!?
『服の形がわかるのはあたしと記憶が繋がってる証拠! つまりこれが彼方との人格共有同化――名付けて〝パーソナリアルライド!〟』
「い、いやそうじゃなくて! なんで喋れてるんだよぉ!?」
『彼方ぁ、ちょっとノリ悪いよ?』
「ご、ごめん……」
服に――いや、つくしに怒られてしまった。
せっかくの感動的な変身だったのに雰囲気が台無しなんだが?
もしかしてこれって俺のせいなの?
「それで、なんで?」
『そこはほらぁ、あたしの記憶を辿ってよぉ~……まぁいっか。あのね、こういうシチュエーションっていうのは大概、変身した人はしゃべれるものなの!』
「そ、そうなの? その根拠は?」
『アニメで見た!』
「そ、そう……」
そうですか。アニメで着想を得たんですか。
それでイメージ通りにやったらできてしまったと。
――天才かッ!!!
『いやーそれほどでもありますよー! にゅふふふ!』
「君の才能が怖いよ。とっても怖い」
しかも俺の思考をすべて読み取ってくれている。
その代わり俺もつくしの記憶も意識すれば見る事ができるんだろうな。
たしかにこれならアームドライドと同等の事ができるかもしれない。
まさか着想を得ただけで実現可能なんて。
おまけにこの再現度……つくしは本当に天才なんだな。
さしずめ思考した事を何でも体現させられる、実行力の天才ってやつか……!
「ウフフフフフ……悪いんだけどイチャラブはまた後にして欲しいの」
「うおおっ!? モモ先輩いつのまにっ!?」
『いやーバレてしまいましたかー!』
「割とみんな必死だから、ね? 今回ばかりはちょっと控えて?」
「『すんませーん!」』
くっ、だがあまりにも驚きすぎてモモ先輩に怒られてしまった。
俺としては真面目に行きたかったけどつくしがそうさせてくれないっ!
ごめんなさーい! パイセンズー!
……おっとまずい、俺の意識がつくしに乗っ取られそうになった。
これは俺も油断してはいけないやつだな。
『それじゃー一発ブチかましますかー!』
「ああ、やってやろう。魔物遥を倒すために!」
「って事はもう見つけたのね? 遥を助け出す手段を」
「ええ。俺達はあいつを助けますよ。絶対に」
「うん、わかった。なら気を付けてね」
『ありがとー!』
モモ先輩はそう聞くと、疲れたように尻餅を突いてしまった。
もうだいぶ消耗してしまっているのだろう。
体力がないから仕方がないし、そっとしておいてあげよう。
……となると、澪奈部長達も割とギリギリか。
俺達はちょっとみんなに甘えすぎていたみたいだ。
そこはあとであらためて反省するとしよう。
だが今は、魔物遥を倒す事に集中させてもらう!
そこで俺は右腕を頭上にかざして意識を向ける。
すると手元に光が集まり、一本の長い錫杖が姿を現した。
服と同じく虹色に輝く水晶杖が。
これは俺とつくしのイメージが合わさったヒーラーロッド。
それもダンジョンの特性に合わせて装備変化を起こしたものだ。
すなわち、俺とつくしのレベルに合わせて超強化された武器という事である。
『どう? 相応の武器を持つってやっぱいいでしょ?』
「ああ、こうなるとダンジョンも軒下も変わらない。やっぱりもっとも相性の合った武器は……イイ!」
『今までは使えなかったもんねー!』
軒下ではある一定のレベル帯を越えると、武器が急激な成長を遂げる。
使用者の意思に合わせて力を加減してくれたり、限界を越えたりしてくれるんだ。
そしてその特性はダンジョン製の武器にもしっかりと引き継がれている!
よって試しに振り回してみたが、とても調子がいい。
くるりと回しただけで光粒子が弾け飛び、足元が真空波で深く切り刻まれた。
そうだよな、俺のレベルならこれくらいはなんて事なく可能だから。
それにこの手に吸い付く感じ、もうすごく懐かしい。
ヒーラーをやらなくなったのはたしか中一くらいの時だったか。
あの時はもう回復すらいらなくなって片手棍だけで周回無双してたっけ。
だからもう飽きて執着も無くて、ダンジョンでも使う気は起きなかった。
『んじゃーぶっとばせぇー! ヒーラーレベル〝999+X〟、カンストオーバーのパワーでっ!』
「ああ、今度こそ格の違いってのを見せつけてやるぞ!」
だが今は久々にとてもワクワクしている!
ずっと前にカンストさせたこの力が正しい形で活用できる事に喜んで!
遥、待ってろよ!
今すぐお前をその憎悪の中から解き放ってやるからな!
「うおおッ!? 待って髪引っ張らないで!? ていうかどうやって引っ張ってんの!?」
つくしが自力で絆ライディングを行い、俺のための装備へと変化した。
それも成功し、俺は今つくしだった服を着れている。
なのに、なぜかその服がしゃべってるんだけど?
それどころかつくしの意識がまんま残っているんだけど?
コンでもここまでダイレクトに残らないよ? なんで!?
『服の形がわかるのはあたしと記憶が繋がってる証拠! つまりこれが彼方との人格共有同化――名付けて〝パーソナリアルライド!〟』
「い、いやそうじゃなくて! なんで喋れてるんだよぉ!?」
『彼方ぁ、ちょっとノリ悪いよ?』
「ご、ごめん……」
服に――いや、つくしに怒られてしまった。
せっかくの感動的な変身だったのに雰囲気が台無しなんだが?
もしかしてこれって俺のせいなの?
「それで、なんで?」
『そこはほらぁ、あたしの記憶を辿ってよぉ~……まぁいっか。あのね、こういうシチュエーションっていうのは大概、変身した人はしゃべれるものなの!』
「そ、そうなの? その根拠は?」
『アニメで見た!』
「そ、そう……」
そうですか。アニメで着想を得たんですか。
それでイメージ通りにやったらできてしまったと。
――天才かッ!!!
『いやーそれほどでもありますよー! にゅふふふ!』
「君の才能が怖いよ。とっても怖い」
しかも俺の思考をすべて読み取ってくれている。
その代わり俺もつくしの記憶も意識すれば見る事ができるんだろうな。
たしかにこれならアームドライドと同等の事ができるかもしれない。
まさか着想を得ただけで実現可能なんて。
おまけにこの再現度……つくしは本当に天才なんだな。
さしずめ思考した事を何でも体現させられる、実行力の天才ってやつか……!
「ウフフフフフ……悪いんだけどイチャラブはまた後にして欲しいの」
「うおおっ!? モモ先輩いつのまにっ!?」
『いやーバレてしまいましたかー!』
「割とみんな必死だから、ね? 今回ばかりはちょっと控えて?」
「『すんませーん!」』
くっ、だがあまりにも驚きすぎてモモ先輩に怒られてしまった。
俺としては真面目に行きたかったけどつくしがそうさせてくれないっ!
ごめんなさーい! パイセンズー!
……おっとまずい、俺の意識がつくしに乗っ取られそうになった。
これは俺も油断してはいけないやつだな。
『それじゃー一発ブチかましますかー!』
「ああ、やってやろう。魔物遥を倒すために!」
「って事はもう見つけたのね? 遥を助け出す手段を」
「ええ。俺達はあいつを助けますよ。絶対に」
「うん、わかった。なら気を付けてね」
『ありがとー!』
モモ先輩はそう聞くと、疲れたように尻餅を突いてしまった。
もうだいぶ消耗してしまっているのだろう。
体力がないから仕方がないし、そっとしておいてあげよう。
……となると、澪奈部長達も割とギリギリか。
俺達はちょっとみんなに甘えすぎていたみたいだ。
そこはあとであらためて反省するとしよう。
だが今は、魔物遥を倒す事に集中させてもらう!
そこで俺は右腕を頭上にかざして意識を向ける。
すると手元に光が集まり、一本の長い錫杖が姿を現した。
服と同じく虹色に輝く水晶杖が。
これは俺とつくしのイメージが合わさったヒーラーロッド。
それもダンジョンの特性に合わせて装備変化を起こしたものだ。
すなわち、俺とつくしのレベルに合わせて超強化された武器という事である。
『どう? 相応の武器を持つってやっぱいいでしょ?』
「ああ、こうなるとダンジョンも軒下も変わらない。やっぱりもっとも相性の合った武器は……イイ!」
『今までは使えなかったもんねー!』
軒下ではある一定のレベル帯を越えると、武器が急激な成長を遂げる。
使用者の意思に合わせて力を加減してくれたり、限界を越えたりしてくれるんだ。
そしてその特性はダンジョン製の武器にもしっかりと引き継がれている!
よって試しに振り回してみたが、とても調子がいい。
くるりと回しただけで光粒子が弾け飛び、足元が真空波で深く切り刻まれた。
そうだよな、俺のレベルならこれくらいはなんて事なく可能だから。
それにこの手に吸い付く感じ、もうすごく懐かしい。
ヒーラーをやらなくなったのはたしか中一くらいの時だったか。
あの時はもう回復すらいらなくなって片手棍だけで周回無双してたっけ。
だからもう飽きて執着も無くて、ダンジョンでも使う気は起きなかった。
『んじゃーぶっとばせぇー! ヒーラーレベル〝999+X〟、カンストオーバーのパワーでっ!』
「ああ、今度こそ格の違いってのを見せつけてやるぞ!」
だが今は久々にとてもワクワクしている!
ずっと前にカンストさせたこの力が正しい形で活用できる事に喜んで!
遥、待ってろよ!
今すぐお前をその憎悪の中から解き放ってやるからな!
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