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第十五節「戦士達の道標 巡る想い 集いし絆」
~飛翔、先陣の二人~
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慌ただしく動き回る魔者達。
ある者は穴蔵へ、ある者は武器を取り……各々が任せられた役割へと立ち回り始める。
勇達魔剣使いの存在は既に彼等に認知されていた。
厳密に言えば、敢えて告知していたとも言えるだろう。
茶奈の推進炎や心輝の爆発光、瀬玲の矢弾に気付かぬ間抜けである筈も無く。
自分達を唯一傷つける事の出来る魔剣使いの存在を警戒しない魔者は存在する筈もないのだから。
「奴等が来たでぇ!!」
林に囲まれた穴蔵の上空を見上げ、魔者が叫ぶ。
途端、林の空に二筋の光を伴った影が高速で飛び去って行った。
心輝とあずー……二人の魔剣は高速機動を可能とする能力を有している。
この様な場面でしんがりを務めるのは決まって二人の役目だ。
とはいえ魔剣そのものに滑空能力がある訳ではなく……立ち並ぶ木々を器用に踏み叩き、その推進力を合わせて跳んでいるに過ぎないが。
「あずッ!! 手筈通り西側は任せるぜッ!!」
「おっけぇー!!」
その一言を皮切りに二筋の残光が離れ始め、互いに弧の軌跡を描いて旋回していく。
時折襲い来る木の矢が彼等の軌跡を僅かに歪ませるが……木々の合間からしか見えない高速で動く相手を捉える事など魔者達には出来はしなかった。
そんな中、あずーの視界へ着地に丁度良さそうな空間が映り込む。
密集度こそそれ程でもない林と言えど、高速移動する彼女達にとっては木々が着地を阻みかねない。
上空からの強襲ともあれば、この様に安全に着地する場所を見繕うのも大切な事なのである。
これ見よがしにその場所へと向けて飛び込むと……若草に包まれた大地が姿を現し、彼女の体を迎え入れた。
命力によって強化された身体は、滑空させる慣性の反動すらも吸収出来る程に強靭。
もはや肉体の常識を凌駕していると言っても過言ではない。
だが、例え強靭となった体でも……同じ命力を使って鍛え上げられた魔者の攻撃に耐えられる訳ではない。
「んなぁッ!! 魔剣使いィ!!」
地上へ降り立った彼女へ向けて、木々の合間から姿を現したボノゴ族達が大声を張り上げて襲い掛かる。
手に握られたナタの様な短曲刀が彼女に向けて勢い良く振り下ろされた。
だが、あずーはまるで羽毛が如く軽い体捌きでふわりと舞い上がると……魔者達の頭上を越え、その背後へと音無く着地を果たした。
ヒュゥゥゥンッ!!
それは風を斬る音。
彼女の持つエスカルオールは風を吹き出すだけではない……風をも引き裂く程に鋭いのだ。
ピュンッ、ピュンッ!!
二閃が十字を描き、空を裂く。
たちまち襲い掛かってきた魔者達の体から弾ける様に血飛沫が細かく舞い飛んだ。
「ンガあッ……!?」
鋭い斬撃の下、魔者達が白目を剥いて大地へと伏していく。
だが、激しい音だったのにも拘らず……彼等の倒れた地面には血のりが浮かぶ事は無かった。
「大袈裟だなぁ……みねうち~でござーる!!」
途端、ニッコリと笑顔を浮かべた彼女が決まったと言わんばかりに魔剣を構えてポーズを取る。
殺さない程度の浅い斬り込みが入る程度の加減された斬撃。
だが魔者達は斬られたと錯覚し、気を失ったのだろう。
それ程に鋭い一撃であった。
ちなみに本当の『峰打ち』とは決して異なる訳だが……本物を知らない当人が適当なだけ過ぎない。
そんな天然な様を見せつつも、彼女はその場を後にする。
目的を果たす為に……颯爽と林の中へと消えていったのだった。
あずーと同じくして、心輝もまた着地地点を見つけて大地へと降り立っていた。
彼女のケースと異なり魔者達の追撃は無く……滑空していた勢いのままに木々の合間を駆け巡っていく。
突き出された右腕の魔剣から火花を散らしながら木々を避ける様にジグザグに駆け抜け、時折見せる魔者達を軽快な体捌きから繰り出す格闘術で叩き伏せていく。
「死ねェ!!」
そんな彼の進路から、木の陰に隠れていた魔者が武器を振り被り襲い掛かった。
「―――っせェ!!」
だがその瞬間、心輝の刻む軌跡が大きく歪む。
大地に跡を刻む片足の踵を軸に、心輝が全身を一瞬で回転させたのだ。
振り子の原理を利用した遠心力による回転運動は、彼の直進的な軌道を直角に曲げる事を可能とした。
その軌道はまるで魔者の攻撃を避けるかの様に歪で……激しく刻まれたのだった。
「バッ―――!?」
目の前で起きた異様な状況を前に魔者が慌て声を荒げた時……彼の時は止まる。
その一瞬は心輝にとって回避でもあり、攻撃でもあったのだ。
激しい遠心力を乗せた鋭い蹴撃が間髪入れずに魔者の後頭部へと打ち当てられ……人間よりも重い筈の体が宙を舞い飛んだ。
力無く大地へ転がっていく魔者。
勢いを止めた時……既に魔者は目を回し、気を失っていた。
「どうだあッ!! これが心輝様の実力よぉ!!」
そう、彼は腕甲型魔剣から判る通りの格闘者。
一年という期間を経て……その戦闘スタイルは拳による打撃のみならず、命力を篭めた蹴り等をも駆使した【全身闘法】へと進化を果たしていた。
だがそこは曲がりなりにも兄妹か……魔者を打ち抜いた後、心輝が取るのは決めポーズ。
意識してはいないのだろうが、おのずと行動パターンは似る様だ。
「っよし、次行くぜ、次ッ!!」
再び拳を構えると……勢いのままに心輝は飛び出す。
彼等の戦いはまだ終わった訳では無いのだから。
ある者は穴蔵へ、ある者は武器を取り……各々が任せられた役割へと立ち回り始める。
勇達魔剣使いの存在は既に彼等に認知されていた。
厳密に言えば、敢えて告知していたとも言えるだろう。
茶奈の推進炎や心輝の爆発光、瀬玲の矢弾に気付かぬ間抜けである筈も無く。
自分達を唯一傷つける事の出来る魔剣使いの存在を警戒しない魔者は存在する筈もないのだから。
「奴等が来たでぇ!!」
林に囲まれた穴蔵の上空を見上げ、魔者が叫ぶ。
途端、林の空に二筋の光を伴った影が高速で飛び去って行った。
心輝とあずー……二人の魔剣は高速機動を可能とする能力を有している。
この様な場面でしんがりを務めるのは決まって二人の役目だ。
とはいえ魔剣そのものに滑空能力がある訳ではなく……立ち並ぶ木々を器用に踏み叩き、その推進力を合わせて跳んでいるに過ぎないが。
「あずッ!! 手筈通り西側は任せるぜッ!!」
「おっけぇー!!」
その一言を皮切りに二筋の残光が離れ始め、互いに弧の軌跡を描いて旋回していく。
時折襲い来る木の矢が彼等の軌跡を僅かに歪ませるが……木々の合間からしか見えない高速で動く相手を捉える事など魔者達には出来はしなかった。
そんな中、あずーの視界へ着地に丁度良さそうな空間が映り込む。
密集度こそそれ程でもない林と言えど、高速移動する彼女達にとっては木々が着地を阻みかねない。
上空からの強襲ともあれば、この様に安全に着地する場所を見繕うのも大切な事なのである。
これ見よがしにその場所へと向けて飛び込むと……若草に包まれた大地が姿を現し、彼女の体を迎え入れた。
命力によって強化された身体は、滑空させる慣性の反動すらも吸収出来る程に強靭。
もはや肉体の常識を凌駕していると言っても過言ではない。
だが、例え強靭となった体でも……同じ命力を使って鍛え上げられた魔者の攻撃に耐えられる訳ではない。
「んなぁッ!! 魔剣使いィ!!」
地上へ降り立った彼女へ向けて、木々の合間から姿を現したボノゴ族達が大声を張り上げて襲い掛かる。
手に握られたナタの様な短曲刀が彼女に向けて勢い良く振り下ろされた。
だが、あずーはまるで羽毛が如く軽い体捌きでふわりと舞い上がると……魔者達の頭上を越え、その背後へと音無く着地を果たした。
ヒュゥゥゥンッ!!
それは風を斬る音。
彼女の持つエスカルオールは風を吹き出すだけではない……風をも引き裂く程に鋭いのだ。
ピュンッ、ピュンッ!!
二閃が十字を描き、空を裂く。
たちまち襲い掛かってきた魔者達の体から弾ける様に血飛沫が細かく舞い飛んだ。
「ンガあッ……!?」
鋭い斬撃の下、魔者達が白目を剥いて大地へと伏していく。
だが、激しい音だったのにも拘らず……彼等の倒れた地面には血のりが浮かぶ事は無かった。
「大袈裟だなぁ……みねうち~でござーる!!」
途端、ニッコリと笑顔を浮かべた彼女が決まったと言わんばかりに魔剣を構えてポーズを取る。
殺さない程度の浅い斬り込みが入る程度の加減された斬撃。
だが魔者達は斬られたと錯覚し、気を失ったのだろう。
それ程に鋭い一撃であった。
ちなみに本当の『峰打ち』とは決して異なる訳だが……本物を知らない当人が適当なだけ過ぎない。
そんな天然な様を見せつつも、彼女はその場を後にする。
目的を果たす為に……颯爽と林の中へと消えていったのだった。
あずーと同じくして、心輝もまた着地地点を見つけて大地へと降り立っていた。
彼女のケースと異なり魔者達の追撃は無く……滑空していた勢いのままに木々の合間を駆け巡っていく。
突き出された右腕の魔剣から火花を散らしながら木々を避ける様にジグザグに駆け抜け、時折見せる魔者達を軽快な体捌きから繰り出す格闘術で叩き伏せていく。
「死ねェ!!」
そんな彼の進路から、木の陰に隠れていた魔者が武器を振り被り襲い掛かった。
「―――っせェ!!」
だがその瞬間、心輝の刻む軌跡が大きく歪む。
大地に跡を刻む片足の踵を軸に、心輝が全身を一瞬で回転させたのだ。
振り子の原理を利用した遠心力による回転運動は、彼の直進的な軌道を直角に曲げる事を可能とした。
その軌道はまるで魔者の攻撃を避けるかの様に歪で……激しく刻まれたのだった。
「バッ―――!?」
目の前で起きた異様な状況を前に魔者が慌て声を荒げた時……彼の時は止まる。
その一瞬は心輝にとって回避でもあり、攻撃でもあったのだ。
激しい遠心力を乗せた鋭い蹴撃が間髪入れずに魔者の後頭部へと打ち当てられ……人間よりも重い筈の体が宙を舞い飛んだ。
力無く大地へ転がっていく魔者。
勢いを止めた時……既に魔者は目を回し、気を失っていた。
「どうだあッ!! これが心輝様の実力よぉ!!」
そう、彼は腕甲型魔剣から判る通りの格闘者。
一年という期間を経て……その戦闘スタイルは拳による打撃のみならず、命力を篭めた蹴り等をも駆使した【全身闘法】へと進化を果たしていた。
だがそこは曲がりなりにも兄妹か……魔者を打ち抜いた後、心輝が取るのは決めポーズ。
意識してはいないのだろうが、おのずと行動パターンは似る様だ。
「っよし、次行くぜ、次ッ!!」
再び拳を構えると……勢いのままに心輝は飛び出す。
彼等の戦いはまだ終わった訳では無いのだから。
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