時き継幻想フララジカ

日奈 うさぎ

文字の大きさ
478 / 1,197
第十六節「銀乙女強襲 世界の真実 長き道に惚けて」

~魔特隊杯 第二周目~

しおりを挟む
 さぁレースが始まり、徐々に各者の位置取りがばらけてまいりました。
 依然トップは後続を大きく引き離して園部亜月、持ち前の高速移動は伊達ではありません。


 あの〝すぴぃど〟で迫られては生半可な相手は慌てふためくのみであろうな。


 後続に続くのは、園部心輝、アンディ、ナターシャ、レンネィ、そこから少し離れてマヴォ、アージ、藤咲勇の後方集団、大きく離れて相沢瀬玲が最後尾。


 思ったよりも荒れませんなぁ。


 ご期待なさっていたのですね。
 しかしどうにも各者、最初の周回ともあり慎重に事を運んでいる模様。
トップの亜月選手がほぼ独走状態に対し、後方はまだまだ余力を残すつもりでしょうか。


 コースを知る為に各自が状況を確かめているのでしょうねぇ、とすれば勝負は二週目からが本番といったところでしょうか。
 さすがに戦火を潜り抜けて来た彼等ですから、戦いの基本をわきまえてるのでしょうね。
 それが果たしてレースにどこまで通用するか……。


 冷静な状況判断有難う御座います。
 本レース、3周となっております。
 果たしてこのトップとの差を埋める事は出来るのかー……。



 ヘアピンコースを曲がり、ダウン&アップストレートに差し掛かりました亜月選手。
 ここで早速パワー全開です。


 なかなかの馬力よ……しかしあれ程の力を出し続ける事は如何に強者といえど厳しいのではなかろうか。


 といいますと?


 命力は有限ゆえ、あづぅ殿が持ちうる命力が尽きた時……それが失速の時に御座る。
 あれ程までに飛ばし命力が尽きようものなら……今先頭に立とうが直ぐに追い抜かれてしまおうな。


 成程、彼女の底力が尽きた時が彼女の落ち目、という訳なのでしょう。
 ん、お、おや……。


 おやおや……ジョゾウさんの懸念が的中しましたね……。


 おっと亜月選手、突然の失速ー!!
 アップストレートが登りきれないー!!



「んうーもぉ~飛ばし過ぎたぁ!!」



 残念亜月選手、完全にガス欠の模様……一気に失速し通常速度へ戻ってしまいました。


 歩いておればいずれ回復するであろう……しかしこの調子であれば〝れぇす〟復帰は難しいであろうなぁ。


 レースカーであれば本来加速が重要となってくるこの登り坂ストレート、人間の足には負担が大きかったかー?
 後続からやってきました園部心輝、アンディ、ナターシャに抜かれ次々と順位を落としていきます。
 順位が入れ替わり、間も無くスタート地点に各者がやってまいります。
 一番手に加速するのはー……園部心輝選手。
 後続のアンディ、ナターシャとの距離を大きく離しストレートを高速で一気に移動!!
 あっという間に観客席の前を通り抜け今、一週目を終えました。


 後続の選手達もやってきましたねぇ~。


 後続が次々と一週目を終えます。
 先程より順位が変わりまして……レンネィ、アンディ、ナターシャ、そしてすぐ後ろに追い付いてきたマヴォ、相変わらずアージと勇……徐々のその均衡が崩れつつあります。
 アンディとナターシャ選手が位置を落としましたね、全体的に速度が上がっているからでしょうか。


 言われて見れば……確かに一周目とは明らかに速度が違いますねぇ……。


 先程の亜月選手とは違い、ある一定で加速を留めて距離を保ち続ける心輝選手。
 最初のカーブ、おぉ、いい曲がりです、コツを掴んだのでしょうか。
 車でならありえない直角ターン、これが人間の柔軟さかー!!


 〝こぅすあうつ〟せねば基本的にどのように動いても問題はない故、あのように動く事は非常に有効と言えるであろうな。


 おっと、ここでアンディとナターシャがマヴォ選手に抜かれ―……レンネィ選手と一騎打ち状態となっております。
 お互い道を譲りません!!


 ぶつかりあう二人が戦士の意地と根性がここに見受けられような。


 二週目の中盤……トップは園部心輝、少し離れ後続集団が次点を狙い激しい道の奪い合いが続きます。
 おや、少しづつアンディ選手、ナターシャ選手が失速していますね。
 どうしたのでしょうか?


 命力に関しては相当自信があったようですが……恐らく体力不足……なんだかんだ言ってやはり鍛えた地力は違うみたいですねぇ。


 ここへ来て経験不足が露呈してしまった二人の選手、そこへアージ選手と藤咲勇選手が追い抜き順位を二つ繰り上げた~!!


 さすが勇ど……選手、見事な走りに御座る。


 しかし、本来命力が少ない事で有名な藤咲勇選手、ここまで戦えるのは一体何故なのでしょう?


 拙僧の解釈であるが……命力は己が持つ体力や筋力を増幅し、常人には無き力を発揮出来るようになる触媒の様なものであるが……その依存は基本の体力等に随従するもので御座る。
 いわば、基礎肉体能力が基本値に対して命力値分だけ乗算される様なもの。
 しかし勇選手は命力の乗算値こそ少ないものの……その母数、基礎肉体能力の向上に重点を置いているので御座る。


 つまり簡単に言うと、普通の魔剣使いが肉体1x命力2=2なのに対し、勇君は肉体2x命力1.5=3という訳なのですね。


 左様。


 力説、有難う御座います。
 肉体を鍛える事を重視した藤咲勇選手の走りは、魔剣使いの中でも手練れと呼ばれるアージ選手に負けるとも劣りません。
 徐々に第二集団のレンネィ選手とマヴォ選手に近づきつつあります。


 心輝君も徐々に距離を詰められているようですねぇ、表情から焦りを感じます。


 心輝選手、ヘアピンコースのS字ゾーンへ入りました。


 ジグザグ走行が綺麗ですねぇ、手馴れた感じが見受けられます。
 ショートカットを狙うかと思っていたのですが、意外と堅実派なのかもしれませんねぇ。


 失速したようには見えない所を察するに……温存でしょうか、園部心輝選手。
 そのままヘアピンカーブを抜けてダウン&アップストレートへ……。
 おっと、後続からマヴォ、レンネィ選手の登場、どうやら順位が入れ替わったようですね。


 少しずつですが、距離を詰めに行っていますねぇ……動向が怪しくなってきた様ですよ。


 二つ目のカーブ、そこを過ぎればファイナルラップが待つストレートコース。
 心輝選手、アップコースを飛び抜けて……そのまま一気にストレートに躍り出る!!
 再びグワイヴの爆炎による加速!!
 速い!!


 しかしあの魔剣から噴出される炎、後続者に熱くないんでしょうか?


 その心配は御座らぬ。
 命力の力で具現化させた自然現象は敵意が無い相手には何の影響も御座らん。
 大気に命力が吸収されていくので発火による熱の影響は無いと思うてよかろう。
 ただし、茶奈殿の飛行の様な、周囲を押し出していく様な力には影響がある故注意なされよ。


 あの飛行能力も攻撃技の応用らしいですからね、炎そのものに殺傷能力があると違うのでしょう。


 そのまま心輝選手がトップに、二番でマヴォ選手、三番手レンネィ選手、そこを追従するアージ選手と勇選手がせめぎ合いながら後を追います。


 さぁ選手達がファイナルラップ合図のフラッグを受け、最後の周回を回ろうとしています。
 果たして最後まで無事にレースが終わるのか、そして栄冠は誰の手にー!?


 ここで一旦の〝しぃえむ〟に御座る。


しおりを挟む
感想 15

あなたにおすすめの小説

【完結】魔法大戦 〜失われた古代魔法で無双する!〜

加瀬 一葉
ファンタジー
 王立魔法学校。高等部に編入してきた冴えない生徒ラフィト。エリートが集うこの学校で、辺境出身のラフィトは落ちこぼれの劣等生なのだが……。  実は彼は、失われたはずの古代魔法を操る一族の末裔。魔族の脅威が増す時代に、ラフィトは人類を救うことができるのか?  過去と現在が交錯する、魔法ファンタジー。

勇者パーティーに追放された支援術士、実はとんでもない回復能力を持っていた~極めて幅広い回復術を生かしてなんでも屋で成り上がる~

名無し
ファンタジー
 突如、幼馴染の【勇者】から追放処分を言い渡される【支援術士】のグレイス。確かになんでもできるが、中途半端で物足りないという理不尽な理由だった。  自分はパーティーの要として頑張ってきたから納得できないと食い下がるグレイスに対し、【勇者】はその代わりに【治癒術士】と【補助術士】を入れたのでもうお前は一切必要ないと宣言する。  もう一人の幼馴染である【魔術士】の少女を頼むと言い残し、グレイスはパーティーから立ち去ることに。  だが、グレイスの【支援術士】としての腕は【勇者】の想像を遥かに超えるものであり、ありとあらゆるものを回復する能力を秘めていた。  グレイスがその卓越した技術を生かし、【なんでも屋】で生計を立てて評判を高めていく一方、勇者パーティーはグレイスが去った影響で歯車が狂い始め、何をやっても上手くいかなくなる。  人脈を広げていったグレイスの周りにはいつしか賞賛する人々で溢れ、落ちぶれていく【勇者】とは対照的に地位や名声をどんどん高めていくのだった。

S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります

内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品] 冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた! 物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。 職人ギルドから追放された美少女ソフィア。 逃亡中の魔法使いノエル。 騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。 彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。 カクヨムにて完結済み。 ( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )

S級冒険者の子どもが進む道

干支猫
ファンタジー
【12/26完結】 とある小さな村、元冒険者の両親の下に生まれた子、ヨハン。 父親譲りの剣の才能に母親譲りの魔法の才能は両親の想定の遥か上をいく。 そうして王都の冒険者学校に入学を決め、出会った仲間と様々な学生生活を送っていった。 その中で魔族の存在にエルフの歴史を知る。そして魔王の復活を聞いた。 魔王とはいったい? ※感想に盛大なネタバレがあるので閲覧の際はご注意ください。

魔力ゼロの英雄の娘と魔族の秘密

藤原遊
ファンタジー
魔法が支配する世界で、魔力を持たない少女アリア・マーウェラ。彼女は、かつて街を守るために命を落とした英雄的冒険者の両親を持ちながら、その体質ゆえに魔法を使えず、魔道具すら扱えない。しかし、彼女は圧倒的な身体能力と戦闘センスを武器に、ギルドでソロ冒険者として活動していた。街の人々やギルド仲間からは「英雄の娘」として大切にされつつも、「魔力を捨てて進化した次世代型脳筋剣士」と妙な評価を受けている。 そんなある日、アリアは山中で倒れていた謎の魔法使いイアンを助ける。彼は並外れた魔法の才能を持ちながら、孤独な影を背負っていた。やがて二人は冒険の中で信頼を深め、街を脅かす魔王復活を阻止するため、「カギ」を探す旅に出る。 しかしイアンには秘密があった。彼は魔族と人間の混血であり、魔王軍四天王の血を引いていたのだ。その事実が明らかになったとき、アリアは「どんな過去があっても、イアンはイアンだよ」と笑顔で受け入れる。 過去に囚われたイアンと、前を向いて進むアリア。二人の絆が、世界を揺るがす冒険の行方を決める――。シリアスとギャグが織り交ざる、剣と魔法の冒険譚!

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

元皇子の寄り道だらけの逃避行 ~幽閉されたので国を捨てて辺境でゆっくりします~

下昴しん
ファンタジー
武力で領土を拡大するベギラス帝国に二人の皇子がいた。魔法研究に腐心する兄と、武力に優れ軍を指揮する弟。 二人の父である皇帝は、軍略会議を軽んじた兄のフェアを断罪する。 帝国は武力を求めていたのだ。 フェアに一方的に告げられた罪状は、敵前逃亡。皇帝の第一継承権を持つ皇子の座から一転して、罪人になってしまう。 帝都の片隅にある独房に幽閉されるフェア。 「ここから逃げて、田舎に籠るか」 給仕しか来ないような牢獄で、フェアは脱出を考えていた。 帝都においてフェアを超える魔法使いはいない。そのことを知っているのはごく限られた人物だけだった。 鍵をあけて牢を出ると、給仕に化けた義妹のマトビアが現れる。 「私も連れて行ってください、お兄様」 「いやだ」 止めるフェアに、強引なマトビア。 なんだかんだでベギラス帝国の元皇子と皇女の、ゆるすぎる逃亡劇が始まった──。 ※カクヨム様、小説家になろう様でも投稿中。

処理中です...