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第二十節「心よ強く在れ 事実を乗り越え 麗龍招参」
~圧倒的防御の鎧~
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ボッ……ボボッ……!!
突如周囲に奇妙な音が鳴り始め、勇の眉がピクリと動く。
瀬玲達もその音に気付き目を見開いた。
ボボボッ……クォーーーーーンッ!!
「うぅッ!?」
勇の顔が引きつり、その体が僅かに下がる。
不意の挙動から片足が半歩後ろへと滑らせて後退させていた。
茶奈の命力全域鎧が展開されたのである。
彼女の体に纏わりつく超濃度の赤く淡い命力の光が力強く体現し、周囲に居る者達を圧倒する。
「でっ、出たッ!! 茶奈ちゃんのフルクラスタッ!!」
壁際で見ていた心輝が思わず声を上げ、それを聞いた瀬玲もまた驚きの顔を浮かべていた。
「あ、あれが本当の……!?」
先日の騒動で初めて見た黒いフルクラスタとは異なる、神々しい程までに光り輝くフルクラスタを前に圧倒感を感じ、彼女の頬から滲み出た汗が流れ落ちる。
「でも何で今更……最初から使えばいいのに……」
「恐らく、普段は使えないのだろう。 命力の有体は感情にも起因する事が多い……彼女のフルクラスタは感情が昂る事で発動が可能なのかもしれんな」
「女神ちゃんは優しいからな、普段は無意識に抑えてるんだろうよ……だがああなっちまえば、勇殿だって勝ち目は薄いぜ」
茶奈の力を実際の目で見た事があるからこそ自信を持って二人は頷く。
勇自身もまた……彼女のフルクラスタと直接戦った事があるからこそ既に理解していた。
あれは『危険なモノ』……なのだと。
感情が昂り、重厚な命力の鎧を身に纏った茶奈が一歩片足を踏み出し……更にもう片足を前に踏み出していく。
耳を突く共振音が響き渡る中、徐々に互いの距離が詰められる。
そして互いの拳が届きそうな程までに近づき……勇が見下ろし、茶奈が見上げる。
一触即発……その間を裂いたのは勇の不意の一撃。
構えられた右拳が彼女の頬を狙い、弧を描いて突き刺さった。
パァーーーンッ!!
だが……
グォーーーーンッ!!
途端、強烈な重低音が鳴り響く。
勇の拳が突き当たったはずの茶奈の顔は顔色一つ変える事無く、彼を睨み付けていた。
尋常ではない厚さの命力の壁が彼女を守り、勇の攻撃を無効化していたのだ。
「ウウッ!?」
危険を察した勇は殴りつけた腕を引きながら不意に後ろへと飛び退く。
しかしその瞬間、勇の体が意思とは真逆の方向、すなわち茶奈の方へと突然引き込まれた。
引いた彼の腕を茶奈の左手が掴み取り、引き込んでいたのだ。
そして……その勢いのまま茶奈の側を通り過ぎる勇の頬に、彼女の裏拳が炸裂する。
ドガッ!!
「ガハッ!?」
その勢いのまま彼女の後方へと投げ捨てられる勇の体。
低空を滑空し、殴られた勢いで体が一回転するが……バランスを取り地に足を付け滑らせていく。
ザザザッ!!
その一瞬、彼女の姿を視線から外してしまった勇は……次の彼女の動きを捉え驚愕する。
既に彼の懐に小さな体が潜り込み、拳を構えていた。
彼を投げ飛ばした慣性で体を彼に向け、そのまま共に飛んでいたのだ。
咄嗟に両腕で頭を守る様にクロスさせガードするが……茶奈の一撃が深々と勇の腹部へと突き刺さる。
ドッゴォ!!
「グブォ!?」
途端彼の体が宙に浮き、腕が下がり悶絶する顔が露わとなる。
腹部への攻撃を警戒していなかった訳ではない。
ただ、彼が持つ防御能力を超えた攻撃力が炸裂した、ただそれだけである。
高く舞う勇の体……無防備となった彼に更なる茶奈の追撃が襲い掛かった。
飛び上がった彼女から左腕が突き出され、勇の顔を一直線に狙う。
だが僅かに彼の顔が逸れ……頬を鋭い拳撃が掠り、僅かな煙を上げるに留まった。
その拍子に勇は飛び上がって来た彼女の肩を両手で抑え、壁の様な剛性を誇る胴体を蹴りつける。
すると彼の体が後ろに跳ね飛び、床へとその足を付け着地を果たした。
生半可な攻撃ではダメージを与える事が出来ないからこその……その特性を利用した、ダメージを与える為ではない攻撃。
飛び上がった勢いが収まり、茶奈の体が重力に引かれ再び床に足を付ける。
再びその顔は勇へと向けられその力強い眼光を瞬かせていた。
コォォーーーースゥーーーー……
茶奈の一呼吸……それが終わった時が彼女の攻撃の再開の合図。
「やはり勇殿が劣勢……ならばこの勝負、茶奈殿に負ける理由は無い」
「女神ちゃんはやっぱ強ぇ……」
二人が腕を構え、力を溜める。
互いの持ちうる技術、能力を篭め……互いが足を踏み出した。
ドンッ!!
その瞬間、床を叩く衝撃音が鳴り響き、互いの距離が一気に詰まっていく。
互いに動くのは、その右拳。
お互いの拳が振り抜かれ、突き合う。
ドォォーーーーーーンッ!!
けたたましい衝撃音と共に衝撃波が生まれ、周囲のギャラリーを強く煽る。
誰しもがその衝撃を受け……立ち続ける事すら叶わずその腰を引き耐えさせたのだった。
突如周囲に奇妙な音が鳴り始め、勇の眉がピクリと動く。
瀬玲達もその音に気付き目を見開いた。
ボボボッ……クォーーーーーンッ!!
「うぅッ!?」
勇の顔が引きつり、その体が僅かに下がる。
不意の挙動から片足が半歩後ろへと滑らせて後退させていた。
茶奈の命力全域鎧が展開されたのである。
彼女の体に纏わりつく超濃度の赤く淡い命力の光が力強く体現し、周囲に居る者達を圧倒する。
「でっ、出たッ!! 茶奈ちゃんのフルクラスタッ!!」
壁際で見ていた心輝が思わず声を上げ、それを聞いた瀬玲もまた驚きの顔を浮かべていた。
「あ、あれが本当の……!?」
先日の騒動で初めて見た黒いフルクラスタとは異なる、神々しい程までに光り輝くフルクラスタを前に圧倒感を感じ、彼女の頬から滲み出た汗が流れ落ちる。
「でも何で今更……最初から使えばいいのに……」
「恐らく、普段は使えないのだろう。 命力の有体は感情にも起因する事が多い……彼女のフルクラスタは感情が昂る事で発動が可能なのかもしれんな」
「女神ちゃんは優しいからな、普段は無意識に抑えてるんだろうよ……だがああなっちまえば、勇殿だって勝ち目は薄いぜ」
茶奈の力を実際の目で見た事があるからこそ自信を持って二人は頷く。
勇自身もまた……彼女のフルクラスタと直接戦った事があるからこそ既に理解していた。
あれは『危険なモノ』……なのだと。
感情が昂り、重厚な命力の鎧を身に纏った茶奈が一歩片足を踏み出し……更にもう片足を前に踏み出していく。
耳を突く共振音が響き渡る中、徐々に互いの距離が詰められる。
そして互いの拳が届きそうな程までに近づき……勇が見下ろし、茶奈が見上げる。
一触即発……その間を裂いたのは勇の不意の一撃。
構えられた右拳が彼女の頬を狙い、弧を描いて突き刺さった。
パァーーーンッ!!
だが……
グォーーーーンッ!!
途端、強烈な重低音が鳴り響く。
勇の拳が突き当たったはずの茶奈の顔は顔色一つ変える事無く、彼を睨み付けていた。
尋常ではない厚さの命力の壁が彼女を守り、勇の攻撃を無効化していたのだ。
「ウウッ!?」
危険を察した勇は殴りつけた腕を引きながら不意に後ろへと飛び退く。
しかしその瞬間、勇の体が意思とは真逆の方向、すなわち茶奈の方へと突然引き込まれた。
引いた彼の腕を茶奈の左手が掴み取り、引き込んでいたのだ。
そして……その勢いのまま茶奈の側を通り過ぎる勇の頬に、彼女の裏拳が炸裂する。
ドガッ!!
「ガハッ!?」
その勢いのまま彼女の後方へと投げ捨てられる勇の体。
低空を滑空し、殴られた勢いで体が一回転するが……バランスを取り地に足を付け滑らせていく。
ザザザッ!!
その一瞬、彼女の姿を視線から外してしまった勇は……次の彼女の動きを捉え驚愕する。
既に彼の懐に小さな体が潜り込み、拳を構えていた。
彼を投げ飛ばした慣性で体を彼に向け、そのまま共に飛んでいたのだ。
咄嗟に両腕で頭を守る様にクロスさせガードするが……茶奈の一撃が深々と勇の腹部へと突き刺さる。
ドッゴォ!!
「グブォ!?」
途端彼の体が宙に浮き、腕が下がり悶絶する顔が露わとなる。
腹部への攻撃を警戒していなかった訳ではない。
ただ、彼が持つ防御能力を超えた攻撃力が炸裂した、ただそれだけである。
高く舞う勇の体……無防備となった彼に更なる茶奈の追撃が襲い掛かった。
飛び上がった彼女から左腕が突き出され、勇の顔を一直線に狙う。
だが僅かに彼の顔が逸れ……頬を鋭い拳撃が掠り、僅かな煙を上げるに留まった。
その拍子に勇は飛び上がって来た彼女の肩を両手で抑え、壁の様な剛性を誇る胴体を蹴りつける。
すると彼の体が後ろに跳ね飛び、床へとその足を付け着地を果たした。
生半可な攻撃ではダメージを与える事が出来ないからこその……その特性を利用した、ダメージを与える為ではない攻撃。
飛び上がった勢いが収まり、茶奈の体が重力に引かれ再び床に足を付ける。
再びその顔は勇へと向けられその力強い眼光を瞬かせていた。
コォォーーーースゥーーーー……
茶奈の一呼吸……それが終わった時が彼女の攻撃の再開の合図。
「やはり勇殿が劣勢……ならばこの勝負、茶奈殿に負ける理由は無い」
「女神ちゃんはやっぱ強ぇ……」
二人が腕を構え、力を溜める。
互いの持ちうる技術、能力を篭め……互いが足を踏み出した。
ドンッ!!
その瞬間、床を叩く衝撃音が鳴り響き、互いの距離が一気に詰まっていく。
互いに動くのは、その右拳。
お互いの拳が振り抜かれ、突き合う。
ドォォーーーーーーンッ!!
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