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第二十三節「驚異襲来 過ち識りて 誓いの再決闘」
~内 情 告 白~
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「セリさんその髪は!?」
「いや、もうその質問応えるの何度目かわからないんだけど!?」
瀬玲と和解した勇は彼女と福留を連れて事務所へと戻っていた。
事務所にも既に瀬玲と一緒に戻っていたアージ、マヴォ、笠本が席に着いており、長い旅の最後を締めくくるかの様に彼等を待っていた。
「福留さん、報告が遅れて申し訳ありません」
「えぇ、その事は既に聞き及んでいる通り、モンゴル政府の判断なので仕方ありません」
イ・ドゥールの件で要請に応えた際、モンゴル政府から「問題解決までの通信機器による外部連絡を避けて欲しい」という条件を受けていた。
恐らく機密保持の関係上、彼等の流す情報が外部に流れる可能性を払拭出来なかった為であろう。
瀬玲の療養中、笠本は一時帰国した際に勇達に経過状況だけは伝えていたが……そんな理由もあって帰国時期までは伝えられなかったという訳である。
彼女達に帰還により人数が増えた事で、僅かに活気が取り戻された事が嬉しいのだろう……茶奈が先程の陰鬱な雰囲気を払いのけ、ウキウキした表情を浮かべていた。
「はいはーい、皆注目~! 勇と私からちょっとした重大発表がありまーす!!」
皆が集まると、途端瀬玲が手をパンパンと鳴らして注目を呼ぶ。
何が起こるのか、何をしようというのか……そんな期待を膨らませた仲間達が彼女達の方へ視線を向けた。
そこに在るのは勇の真剣な眼差しを向けた面立ち。
視線を向けた彼等もその雰囲気に呑まれ、表情を曇らせていく。
「皆、聞いて欲しい……俺はまた、皆に隠し事をしていた」
勇の初めの一言、それが茶奈達に不安を過らせる。
「また」という言葉は主に茶奈に向けられたもので、他の者達にはわからぬ事ではあったが……そこに気付いたか否か、誰しもがその言葉に対し口を挟む事は無かった。
「俺はおよそ半年前……剣聖さんが退院して間も無い頃、体の異変を感じた。 それ以来、俺の体からはどんどん命力の量が減っていくという前代未聞と言われる事態に陥っていたんだ」
「何ッ……!?」
思わずアージの声が漏れ、それを皮切りに周囲が騒然とする。
「そんなはずは無い」……そうも言いたげな驚愕の顔を浮かべたアージとマヴォへ視線を向けながら、勇は続きその言葉を連ねた。
「剣聖さんすらも知らない症状らしく、俺の体にある命力はいずれ近い内に……無くなる」
勇から語られた真実……それは誰しもが驚きを隠す事の出来ない事実。
だが、それを疑う様に……アージがおもむろに立ち上がり、勇の下へと歩み寄ると……その手を出す様促す。
それに呼応する様に、勇はそっとアージへとその手を差し出した。
彼の手をアージの手が優しく包み込み、その力を感じ取る……。
途端彼の疑いを持った目が鋭くなっていくのが手に取ってわかる様であった。
「……確かに、減っている……ここまで、減るものなのか……!?」
「はい。 そして、その先に行き着くのは……まだ誰にもわからないんです。 剣聖さんすらも」
不意にアージの手から拳が離されると……勇はその手を降ろし軽く俯く。
事情を一番把握しているが自身であるからこそ、事の深刻さを克明に表情に映していた。
「もしかしたら俺は……もうすぐ、命力が無くなり……死ぬかもしれない、そう言われた」
その時、茶奈の口を思わず彼女の手が塞ぐ。
深刻な事態である事を窺わせる声色と、その内容が……思わず彼女の感情を揺らがせた。
「だから俺は必死だったんだと思う……空島の一件も、それまでの出来事も……自分が残された時間で出来る事をやろうって。 だから今までの俺は皆にとって必死過ぎるんじゃないかって見られてたかもしれない……その点に関しては、本当に迷惑を掛けた。 申し訳ない」
勇の顔がそっと下がり、小さく頭を垂れる。
そんな彼の対応に……再びアージの声が被さった。
「気にするな、勇殿が必死だったが故に……我等には気付かされた事も多い。 刺激にもなった。 その理由こそ不純なれど、マイナスは無かった……少なくとも俺はそう信じたい」
「ありがとう、アージさん……その言葉だけで救われますよ」
アージが軽く頷く。
そんな彼を、そして同様な視線を向ける仲間達を前に……勇の沈んでいた顔に僅かな笑みが浮かぶ。
だがそんな中……茶奈だけは潤わせた瞳を彼に向け、じっと静かに見つめていた。
それに気付いた勇は彼女にその視線を向け、仲間達から貰った笑顔で応える。
「心配は尽きないけど……結果は決まった訳じゃない。 俺は死ぬ気なんて無いから……だから茶奈……可能性を、諦めないでくれ」
「……はい……」
茶奈がそっと自身の口を隠した手を退かす。
そこに現れたのは、現実を受け止め噛み締めた唇。
都合のいい事だけが起きる世の中では無い。
それをつい最近知ったばかりだからこそ、彼女は事実を受け入れ自身の心に刻む。
「事実をを受け入れた上で、最善策を講じればいいんだ」、と。
勇の報告が終わり、しんみりとした空気が事務所を包む。
だがそんな雰囲気を打ち壊すかの様に、ずっと静かだった瀬玲の手が再び手拍子を刻んだ。
「はいはーい、暗い話はここまで。 わかってると思うけど、勇の事を責めるのは無しで。 勇は勇で結構この問題を深く感じてるからさ?」
瀬玲が勇へ視線を向けてウィンクを飛ばす。
戸惑う彼であったが……内心と言えば、彼女のフォローで余計なしがらみを避けるが出来そうで安堵感を覚えていた。
「いや、もうその質問応えるの何度目かわからないんだけど!?」
瀬玲と和解した勇は彼女と福留を連れて事務所へと戻っていた。
事務所にも既に瀬玲と一緒に戻っていたアージ、マヴォ、笠本が席に着いており、長い旅の最後を締めくくるかの様に彼等を待っていた。
「福留さん、報告が遅れて申し訳ありません」
「えぇ、その事は既に聞き及んでいる通り、モンゴル政府の判断なので仕方ありません」
イ・ドゥールの件で要請に応えた際、モンゴル政府から「問題解決までの通信機器による外部連絡を避けて欲しい」という条件を受けていた。
恐らく機密保持の関係上、彼等の流す情報が外部に流れる可能性を払拭出来なかった為であろう。
瀬玲の療養中、笠本は一時帰国した際に勇達に経過状況だけは伝えていたが……そんな理由もあって帰国時期までは伝えられなかったという訳である。
彼女達に帰還により人数が増えた事で、僅かに活気が取り戻された事が嬉しいのだろう……茶奈が先程の陰鬱な雰囲気を払いのけ、ウキウキした表情を浮かべていた。
「はいはーい、皆注目~! 勇と私からちょっとした重大発表がありまーす!!」
皆が集まると、途端瀬玲が手をパンパンと鳴らして注目を呼ぶ。
何が起こるのか、何をしようというのか……そんな期待を膨らませた仲間達が彼女達の方へ視線を向けた。
そこに在るのは勇の真剣な眼差しを向けた面立ち。
視線を向けた彼等もその雰囲気に呑まれ、表情を曇らせていく。
「皆、聞いて欲しい……俺はまた、皆に隠し事をしていた」
勇の初めの一言、それが茶奈達に不安を過らせる。
「また」という言葉は主に茶奈に向けられたもので、他の者達にはわからぬ事ではあったが……そこに気付いたか否か、誰しもがその言葉に対し口を挟む事は無かった。
「俺はおよそ半年前……剣聖さんが退院して間も無い頃、体の異変を感じた。 それ以来、俺の体からはどんどん命力の量が減っていくという前代未聞と言われる事態に陥っていたんだ」
「何ッ……!?」
思わずアージの声が漏れ、それを皮切りに周囲が騒然とする。
「そんなはずは無い」……そうも言いたげな驚愕の顔を浮かべたアージとマヴォへ視線を向けながら、勇は続きその言葉を連ねた。
「剣聖さんすらも知らない症状らしく、俺の体にある命力はいずれ近い内に……無くなる」
勇から語られた真実……それは誰しもが驚きを隠す事の出来ない事実。
だが、それを疑う様に……アージがおもむろに立ち上がり、勇の下へと歩み寄ると……その手を出す様促す。
それに呼応する様に、勇はそっとアージへとその手を差し出した。
彼の手をアージの手が優しく包み込み、その力を感じ取る……。
途端彼の疑いを持った目が鋭くなっていくのが手に取ってわかる様であった。
「……確かに、減っている……ここまで、減るものなのか……!?」
「はい。 そして、その先に行き着くのは……まだ誰にもわからないんです。 剣聖さんすらも」
不意にアージの手から拳が離されると……勇はその手を降ろし軽く俯く。
事情を一番把握しているが自身であるからこそ、事の深刻さを克明に表情に映していた。
「もしかしたら俺は……もうすぐ、命力が無くなり……死ぬかもしれない、そう言われた」
その時、茶奈の口を思わず彼女の手が塞ぐ。
深刻な事態である事を窺わせる声色と、その内容が……思わず彼女の感情を揺らがせた。
「だから俺は必死だったんだと思う……空島の一件も、それまでの出来事も……自分が残された時間で出来る事をやろうって。 だから今までの俺は皆にとって必死過ぎるんじゃないかって見られてたかもしれない……その点に関しては、本当に迷惑を掛けた。 申し訳ない」
勇の顔がそっと下がり、小さく頭を垂れる。
そんな彼の対応に……再びアージの声が被さった。
「気にするな、勇殿が必死だったが故に……我等には気付かされた事も多い。 刺激にもなった。 その理由こそ不純なれど、マイナスは無かった……少なくとも俺はそう信じたい」
「ありがとう、アージさん……その言葉だけで救われますよ」
アージが軽く頷く。
そんな彼を、そして同様な視線を向ける仲間達を前に……勇の沈んでいた顔に僅かな笑みが浮かぶ。
だがそんな中……茶奈だけは潤わせた瞳を彼に向け、じっと静かに見つめていた。
それに気付いた勇は彼女にその視線を向け、仲間達から貰った笑顔で応える。
「心配は尽きないけど……結果は決まった訳じゃない。 俺は死ぬ気なんて無いから……だから茶奈……可能性を、諦めないでくれ」
「……はい……」
茶奈がそっと自身の口を隠した手を退かす。
そこに現れたのは、現実を受け止め噛み締めた唇。
都合のいい事だけが起きる世の中では無い。
それをつい最近知ったばかりだからこそ、彼女は事実を受け入れ自身の心に刻む。
「事実をを受け入れた上で、最善策を講じればいいんだ」、と。
勇の報告が終わり、しんみりとした空気が事務所を包む。
だがそんな雰囲気を打ち壊すかの様に、ずっと静かだった瀬玲の手が再び手拍子を刻んだ。
「はいはーい、暗い話はここまで。 わかってると思うけど、勇の事を責めるのは無しで。 勇は勇で結構この問題を深く感じてるからさ?」
瀬玲が勇へ視線を向けてウィンクを飛ばす。
戸惑う彼であったが……内心と言えば、彼女のフォローで余計なしがらみを避けるが出来そうで安堵感を覚えていた。
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