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第二十四節「密林包囲網 切望した過去 闇に紛れ蠢きて」
~叫~
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A班:北ブロック担当 藤咲勇、園部亜月
B班:東ブロック担当 相沢瀬玲、園部心輝
C班:西ブロック担当 アージ、マヴォ
D班:南ブロック担当 アンディ、ナターシャ
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これが各自に割り当てられた編成である。
更に彼等には六人程の一般兵が車両に乗って遠く後方から付き添い、彼等の進攻の補助を行う算段だ。
また、彼等の状況を把握する為に上空からの監視も欠かさない。
お決まりの無人ドローン機や衛星画像、通信機器や索敵機器……敵の動きを測る為の準備は最新機器で固められている。
そんなありとあらゆる電子戦略兵器を用いた戦いの肝が白兵戦……なんとも滑稽な事であろうか。
魔剣使いだけが戦える状況下、普通の人間が出来る事はそれが限度。
後は如何に彼等を有効に使い、勝利を収めることが出来るか……それだけである。
たった八名の戦闘要員……それに対し相手は推算で一千~二千余り。
そして相手のホームグラウンドとも言うべきジャングルの真っただ中。
明らかに不利と言える状況下での戦いが今、幕を開けようとしていた。
―――
早朝……熱帯地方独特の湿気を含む空気が体を包み込んで睡眠を妨げる。
だが、彼等の体の事は彼等が一番知る所。
既に各々が自主的に目を覚まし始め、環境に馴染ませる様にその体を動かしていた。
軽いストレッチと言えど馬鹿には出来ない。
筋肉をほぐし、その繊維一本一本に命力を施す様に神経を集中させる。
そういった小さな事から始める事で、自分の体をより自由に動かす事が可能となるのである。
自分の体の状態を知るのは、とても大事な事なのだ。
身体のコンディションを入念に確認し、万全を期す。
一部の者を除いて。
「あず、そろそろ起きないと後が辛いぞ」
「んうー……もうちょっと寝かせてぇ……昨日あんなに激しかったんだもぉん」
眼を瞑ったまま意味深な言葉を放つあずーに、勇が座った目を向ける。
「誤解を呼ぶ様な事を言っても、聞いてる人はどこにも居ないぞ。 そもそも調子乗ってあんな暴れるからだろ……みんな喜んでたからいいけどさ」
先日の夜、国連軍の兵士達を交えた夕食会でハイテンションになったあずーは自分の力をふんだんに見せつけ彼等を和ませていた。
兵士達を交えて色々と遊び回った結果、くたくたになるまで動き回り……結局こうして後日まで疲れが残る結果と成ってしまった訳である。
彼女は元々訓練をサボりがちだった事もあったのか、体力自体は常人となんら変わらない。
日夜訓練を欠かさない兵士達の体力が有り余る程だったという事もあったのだろうが、彼等数人に付き合えば疲れ果ててしまうのは無理も無いだろう。
ただ兵士達は屈強な男ばかり……年頃の少女との些細なスキンシップもまんざらでは無かった様だ。
約一名を除いてコンディションは万全。
勇は一つ溜息を吐くと、そっと建屋の窓からその顔を覗かせた。
そこは建屋の二階……大地は低く、見下ろせる場所。
その先に見えたのは、兵士達の慌ただしく動く様子。
彼等もまた体を動かし温める事で、各々の役割を果たす為の準備を整えている様だ。
同伴する兵士達以外にも、国連が派遣した医師等も姿を見せていた。
彼等は負傷者が出た時の治療を行う為にこの地に訪れた医師団だ。
この場所からは動かないが、何かあった時は拠点まで戻り治療を受ける事が出来る。
その為の医療器具、薬剤等も当然用意済みだ。
対象は魔特隊だけではなく、別働の国連兵達のケアも兼ねているので忙しい身となるのは間違いないだろう
「怪我しなきゃ……それで済む事さ」
勇はそう呟くと……眠りこけたあずーを置いて寝室から退出していく。
体を動かす兵士達に混ざり、彼もまた戦いに向けて体を温める。
全ては万全を期す為に。
日が昇り、紅い朝焼けが青白い空へと変わり始めた頃……遂に時は訪れる。
突如、勇達や国連兵達が備えるインカムに通信が入った。
『皆さん、おはようございます……福留です。 早速ですが、作戦の開始を通告する為に連絡致しました』
勇達にわかる様に日本語で話をした後、同様の内容が流暢な英語で流れていく。
勇達だけでなく国連の兵士達もが動きを止め、揃って静かに聞き耳を立てていた。
『体調の方は宜しいでしょうか? とはいえ……もはや皆さんに逃げ道は御座いません。 例え調子が悪かろうが、既に死に掛けであろうが、力を振り絞る事には代わりありませんからねぇ』
それは福留なりの冗談。
あずーは苦い顔を浮かべているが……兵士達の中には笑い声を上げる者がちらほら。
『では長い話もなんですので……この通信の終了を以って作戦開始の宣言と致します。 それでは皆さん、決して死ぬ事の無いよう……各々の持てる力を奮い、死力を尽くしてください。 全員が生き残り、勝利の声を全員で上げましょう……では、これで通信を終えます』
そして英訳された言葉が放たれた時……兵士達が揃い雄叫びを上げ、手に掴んだ長銃を空高く掲げる。
勇達もまたそれに釣られる様に……それぞれが持つ魔剣の切っ先を力強く天へと突いたのだった。
A班:北ブロック担当 藤咲勇、園部亜月
B班:東ブロック担当 相沢瀬玲、園部心輝
C班:西ブロック担当 アージ、マヴォ
D班:南ブロック担当 アンディ、ナターシャ
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これが各自に割り当てられた編成である。
更に彼等には六人程の一般兵が車両に乗って遠く後方から付き添い、彼等の進攻の補助を行う算段だ。
また、彼等の状況を把握する為に上空からの監視も欠かさない。
お決まりの無人ドローン機や衛星画像、通信機器や索敵機器……敵の動きを測る為の準備は最新機器で固められている。
そんなありとあらゆる電子戦略兵器を用いた戦いの肝が白兵戦……なんとも滑稽な事であろうか。
魔剣使いだけが戦える状況下、普通の人間が出来る事はそれが限度。
後は如何に彼等を有効に使い、勝利を収めることが出来るか……それだけである。
たった八名の戦闘要員……それに対し相手は推算で一千~二千余り。
そして相手のホームグラウンドとも言うべきジャングルの真っただ中。
明らかに不利と言える状況下での戦いが今、幕を開けようとしていた。
―――
早朝……熱帯地方独特の湿気を含む空気が体を包み込んで睡眠を妨げる。
だが、彼等の体の事は彼等が一番知る所。
既に各々が自主的に目を覚まし始め、環境に馴染ませる様にその体を動かしていた。
軽いストレッチと言えど馬鹿には出来ない。
筋肉をほぐし、その繊維一本一本に命力を施す様に神経を集中させる。
そういった小さな事から始める事で、自分の体をより自由に動かす事が可能となるのである。
自分の体の状態を知るのは、とても大事な事なのだ。
身体のコンディションを入念に確認し、万全を期す。
一部の者を除いて。
「あず、そろそろ起きないと後が辛いぞ」
「んうー……もうちょっと寝かせてぇ……昨日あんなに激しかったんだもぉん」
眼を瞑ったまま意味深な言葉を放つあずーに、勇が座った目を向ける。
「誤解を呼ぶ様な事を言っても、聞いてる人はどこにも居ないぞ。 そもそも調子乗ってあんな暴れるからだろ……みんな喜んでたからいいけどさ」
先日の夜、国連軍の兵士達を交えた夕食会でハイテンションになったあずーは自分の力をふんだんに見せつけ彼等を和ませていた。
兵士達を交えて色々と遊び回った結果、くたくたになるまで動き回り……結局こうして後日まで疲れが残る結果と成ってしまった訳である。
彼女は元々訓練をサボりがちだった事もあったのか、体力自体は常人となんら変わらない。
日夜訓練を欠かさない兵士達の体力が有り余る程だったという事もあったのだろうが、彼等数人に付き合えば疲れ果ててしまうのは無理も無いだろう。
ただ兵士達は屈強な男ばかり……年頃の少女との些細なスキンシップもまんざらでは無かった様だ。
約一名を除いてコンディションは万全。
勇は一つ溜息を吐くと、そっと建屋の窓からその顔を覗かせた。
そこは建屋の二階……大地は低く、見下ろせる場所。
その先に見えたのは、兵士達の慌ただしく動く様子。
彼等もまた体を動かし温める事で、各々の役割を果たす為の準備を整えている様だ。
同伴する兵士達以外にも、国連が派遣した医師等も姿を見せていた。
彼等は負傷者が出た時の治療を行う為にこの地に訪れた医師団だ。
この場所からは動かないが、何かあった時は拠点まで戻り治療を受ける事が出来る。
その為の医療器具、薬剤等も当然用意済みだ。
対象は魔特隊だけではなく、別働の国連兵達のケアも兼ねているので忙しい身となるのは間違いないだろう
「怪我しなきゃ……それで済む事さ」
勇はそう呟くと……眠りこけたあずーを置いて寝室から退出していく。
体を動かす兵士達に混ざり、彼もまた戦いに向けて体を温める。
全ては万全を期す為に。
日が昇り、紅い朝焼けが青白い空へと変わり始めた頃……遂に時は訪れる。
突如、勇達や国連兵達が備えるインカムに通信が入った。
『皆さん、おはようございます……福留です。 早速ですが、作戦の開始を通告する為に連絡致しました』
勇達にわかる様に日本語で話をした後、同様の内容が流暢な英語で流れていく。
勇達だけでなく国連の兵士達もが動きを止め、揃って静かに聞き耳を立てていた。
『体調の方は宜しいでしょうか? とはいえ……もはや皆さんに逃げ道は御座いません。 例え調子が悪かろうが、既に死に掛けであろうが、力を振り絞る事には代わりありませんからねぇ』
それは福留なりの冗談。
あずーは苦い顔を浮かべているが……兵士達の中には笑い声を上げる者がちらほら。
『では長い話もなんですので……この通信の終了を以って作戦開始の宣言と致します。 それでは皆さん、決して死ぬ事の無いよう……各々の持てる力を奮い、死力を尽くしてください。 全員が生き残り、勝利の声を全員で上げましょう……では、これで通信を終えます』
そして英訳された言葉が放たれた時……兵士達が揃い雄叫びを上げ、手に掴んだ長銃を空高く掲げる。
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