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第八節「心の色 人の形 力の先」
~猛攻、起死回生の一撃を~
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オンズ王の追撃が止まらない。
勇が空中で身動きの出来ない事を良い事に、降りては跳び上がってを繰り返す。
その正確無比の跳躍はもはや逃げ道無し。
勇はただ防ぎ、また打ち上げられるだけだ。
そのオンズ王の棍棒捌きも凄まじいまでに卓越している。
何があろうとも直上に打ち上げて来るのだ。
例え勇がどう落ちてこようとも、どう防ごうとも関係無く。
次の追撃に備える形で。
こうもなれば勇に行き先の決定権は無い。
まさにサッカーボールの如く、ただただ空中で転がされ続けるのみ。
「くそぉ!! どうすればいい、どうすればッ!?」
このまま続けば過去の魔剣使い達の二の舞だ。
例え覚醒したとはいえ、こうも重い攻撃が続けばいずれ堪え切れなくなる。
そうなった時が最後、重撃をまともに喰らって命は無いだろう。
だからといって打開策も無い。
それ程までにオンズ王の棍棒捌きは妙技なのである。
というのも―――
「アハハハハッ!! いつまで耐えきれるかぁ!?」
またしても真っ直ぐ襲い掛かる金棍棒。
勇も今度こそは反撃と、魔剣を構えて待ち構える
だがその途端、棍棒が突如として異様な動きを見せた。
なんと目の前で大きく旋回したのである。
それも勇の真横へと。
でもオンズ王はなお勇の目の前だ。
その異常なまでの稼働距離。
そしてその挙動。
明らかに何かがおかしい。
それも当然か。
今、彼女は金棍棒を掴んではいないから。
武器を操っていたのは―――舌。
なんと恐ろしく長く太い舌で金棍棒を操っていたのである。
これこそがオンズ王の真骨頂。
【オンズ族】の特徴とも言える舌を腕以上の器用さで操る事が出来るのだ。
その可動範囲はもはや腕どころか体以上。
一体どこにそんな舌が隠されていたのかと思える程に長い。
加えて鍛えに鍛え上げられて出来た筋力は、腕で振るう事と変わらない剛力さえ誇る。
ガッキャァーーーンッ!!
故に、再び勇が打ち上げられる事は必然。
辛うじて防いだものの、今度は放り投げられる様に空へと舞い上がる。
「うああッ!!」
でもその衝撃は先程以上。
不意打ちとも言える攻撃が勇の防御を緩慢化させたのだ。
オンズ王に死角無し。
そう知らしめるかのような妙技を前に、勇が焦りを禁じ得ない。
まさに打つ手無し。
―――こいつは強い! 今までの相手なんて話にならない程にッ!!―――
もはや声すら漏らす事も叶わない。
余りにも強烈な打ち上げ故に、呼吸すらままならないからだ。
逃げられない状況。
いつまで耐えれるかわからない体。
呼吸さえ叶わない動向。
全てが勇を追い詰め、精神的にも疲弊させていく。
それでも攻撃が止む事は無い。
その間にもオンズ王が勇へと目掛けて跳び上がっていたのだから。
脅威が迫り来る。
殺してやろうと咆え上げて。
鈍器を片手に、殺意をばら撒きながら。
「ならその殺意をッ!! 叩き切ればいいだけだあッ!!」
しかし勇は負けない。
もう諦めたりはしない。
引き下がるつもりも無い。
迫り来るなら打ち破ればいいだけだ。
そう叫んだ勇が見せたのは、先程と寸分変わらぬ―――防御。
剣の腹を構えて防ぐだけの。
「アハハハハッ!!! されるがままじゃのおッ!!」
そうなればオンズ王が攻めない訳も無い。
再び重く素早い棍突が勇目掛けて一直線に突き抜ける。
だが、それが防御であるというのはただのオンズ王の思い込みに過ぎない。
故に彼女は見るだろう。
己が棍棒を突き出した先に起きる光景を。
自慢の一撃に対する、想像もしえない勇の動きを。
棍棒が直撃する寸前で―――勇がその切っ先をぐるりとオンズ王へと向けたのだ。
それだけではない。
飛び込んでくる棍棒の側面を敢えて魔剣で滑らせて。
その身を押し出す様にして攻撃軌道から躱させて。
更には魔剣同士が擦れた摩擦によって強い回転力を発生させる。
ギャリリリンッッ!!!
こうして生まれた回転力が勇にこれと無い力を与える事となる。
「なんじゃとおッ!?」
そうして棍棒を転げ落ちた先に待つのは当然、オンズ王。
でも、勇の狙いは彼女自身ではない。
「おおおおおッッッ!!!」
狙うは、その戦闘力の源たる一つ。
バヅンッッッ!!!!!
その瞬間、暗闇の空に鈍く弾けた断裂音が響き渡る。
勇がその一閃の下に、オンズ王の舌を断ち切ったのである。
とても強靭な舌だった。
今の回転力と魔剣の威力が無ければこうも断てはしないだろうと思える程に。
しかしそれもこうして成し遂げたから。
「きぃやあああ~~~~~~ッ!!??」
たちまちオンズ王がきりもみしながら大地へと落ちていく。
舌を失い、超重量の金棍棒が離れた事で重量バランスが崩れた所為で。
よほどの力を込めていたのだろう、もはやその軌道はグラグラと。
もちろん勇もようやく地上へ降りる事が出来る。
切り抜けられた事への安堵を感じながら。
ズズゥーーーンッ!!!
勇が着地を果たしたのとほぼ同時に、大地に強い衝撃が響き渡る。
おそらくオンズ王がきりもみのままに落ちた所為だろう。
つまり、まともには着地出来なかったという訳で。
「あれだけの速度で落ちたからな……さすがに死ぬよな?」
一方の勇は器用に木の枝を使って軽々と着地。
こういう時こそ【感覚鋭化】が非常に役に立つもので。
ちなみに互いの落ちた場所はそれなりに離れている様だ。
あれだけ暴れれば落下軌道がずれるのも当然か。
ともあれ、結果的になんとかなりはした。
終わった確証はまだ無いが、仕切り直すとしても十分過ぎる好戦況だろう。
「念の為、少し息だけ整えていくか……」
だからこそ勇の足取りは軽く。
でも最後の最後まで気を抜かない。
油断しない事。
それがこの数日で何度も痛感して得た教訓なのだから。
勇が空中で身動きの出来ない事を良い事に、降りては跳び上がってを繰り返す。
その正確無比の跳躍はもはや逃げ道無し。
勇はただ防ぎ、また打ち上げられるだけだ。
そのオンズ王の棍棒捌きも凄まじいまでに卓越している。
何があろうとも直上に打ち上げて来るのだ。
例え勇がどう落ちてこようとも、どう防ごうとも関係無く。
次の追撃に備える形で。
こうもなれば勇に行き先の決定権は無い。
まさにサッカーボールの如く、ただただ空中で転がされ続けるのみ。
「くそぉ!! どうすればいい、どうすればッ!?」
このまま続けば過去の魔剣使い達の二の舞だ。
例え覚醒したとはいえ、こうも重い攻撃が続けばいずれ堪え切れなくなる。
そうなった時が最後、重撃をまともに喰らって命は無いだろう。
だからといって打開策も無い。
それ程までにオンズ王の棍棒捌きは妙技なのである。
というのも―――
「アハハハハッ!! いつまで耐えきれるかぁ!?」
またしても真っ直ぐ襲い掛かる金棍棒。
勇も今度こそは反撃と、魔剣を構えて待ち構える
だがその途端、棍棒が突如として異様な動きを見せた。
なんと目の前で大きく旋回したのである。
それも勇の真横へと。
でもオンズ王はなお勇の目の前だ。
その異常なまでの稼働距離。
そしてその挙動。
明らかに何かがおかしい。
それも当然か。
今、彼女は金棍棒を掴んではいないから。
武器を操っていたのは―――舌。
なんと恐ろしく長く太い舌で金棍棒を操っていたのである。
これこそがオンズ王の真骨頂。
【オンズ族】の特徴とも言える舌を腕以上の器用さで操る事が出来るのだ。
その可動範囲はもはや腕どころか体以上。
一体どこにそんな舌が隠されていたのかと思える程に長い。
加えて鍛えに鍛え上げられて出来た筋力は、腕で振るう事と変わらない剛力さえ誇る。
ガッキャァーーーンッ!!
故に、再び勇が打ち上げられる事は必然。
辛うじて防いだものの、今度は放り投げられる様に空へと舞い上がる。
「うああッ!!」
でもその衝撃は先程以上。
不意打ちとも言える攻撃が勇の防御を緩慢化させたのだ。
オンズ王に死角無し。
そう知らしめるかのような妙技を前に、勇が焦りを禁じ得ない。
まさに打つ手無し。
―――こいつは強い! 今までの相手なんて話にならない程にッ!!―――
もはや声すら漏らす事も叶わない。
余りにも強烈な打ち上げ故に、呼吸すらままならないからだ。
逃げられない状況。
いつまで耐えれるかわからない体。
呼吸さえ叶わない動向。
全てが勇を追い詰め、精神的にも疲弊させていく。
それでも攻撃が止む事は無い。
その間にもオンズ王が勇へと目掛けて跳び上がっていたのだから。
脅威が迫り来る。
殺してやろうと咆え上げて。
鈍器を片手に、殺意をばら撒きながら。
「ならその殺意をッ!! 叩き切ればいいだけだあッ!!」
しかし勇は負けない。
もう諦めたりはしない。
引き下がるつもりも無い。
迫り来るなら打ち破ればいいだけだ。
そう叫んだ勇が見せたのは、先程と寸分変わらぬ―――防御。
剣の腹を構えて防ぐだけの。
「アハハハハッ!!! されるがままじゃのおッ!!」
そうなればオンズ王が攻めない訳も無い。
再び重く素早い棍突が勇目掛けて一直線に突き抜ける。
だが、それが防御であるというのはただのオンズ王の思い込みに過ぎない。
故に彼女は見るだろう。
己が棍棒を突き出した先に起きる光景を。
自慢の一撃に対する、想像もしえない勇の動きを。
棍棒が直撃する寸前で―――勇がその切っ先をぐるりとオンズ王へと向けたのだ。
それだけではない。
飛び込んでくる棍棒の側面を敢えて魔剣で滑らせて。
その身を押し出す様にして攻撃軌道から躱させて。
更には魔剣同士が擦れた摩擦によって強い回転力を発生させる。
ギャリリリンッッ!!!
こうして生まれた回転力が勇にこれと無い力を与える事となる。
「なんじゃとおッ!?」
そうして棍棒を転げ落ちた先に待つのは当然、オンズ王。
でも、勇の狙いは彼女自身ではない。
「おおおおおッッッ!!!」
狙うは、その戦闘力の源たる一つ。
バヅンッッッ!!!!!
その瞬間、暗闇の空に鈍く弾けた断裂音が響き渡る。
勇がその一閃の下に、オンズ王の舌を断ち切ったのである。
とても強靭な舌だった。
今の回転力と魔剣の威力が無ければこうも断てはしないだろうと思える程に。
しかしそれもこうして成し遂げたから。
「きぃやあああ~~~~~~ッ!!??」
たちまちオンズ王がきりもみしながら大地へと落ちていく。
舌を失い、超重量の金棍棒が離れた事で重量バランスが崩れた所為で。
よほどの力を込めていたのだろう、もはやその軌道はグラグラと。
もちろん勇もようやく地上へ降りる事が出来る。
切り抜けられた事への安堵を感じながら。
ズズゥーーーンッ!!!
勇が着地を果たしたのとほぼ同時に、大地に強い衝撃が響き渡る。
おそらくオンズ王がきりもみのままに落ちた所為だろう。
つまり、まともには着地出来なかったという訳で。
「あれだけの速度で落ちたからな……さすがに死ぬよな?」
一方の勇は器用に木の枝を使って軽々と着地。
こういう時こそ【感覚鋭化】が非常に役に立つもので。
ちなみに互いの落ちた場所はそれなりに離れている様だ。
あれだけ暴れれば落下軌道がずれるのも当然か。
ともあれ、結果的になんとかなりはした。
終わった確証はまだ無いが、仕切り直すとしても十分過ぎる好戦況だろう。
「念の為、少し息だけ整えていくか……」
だからこそ勇の足取りは軽く。
でも最後の最後まで気を抜かない。
油断しない事。
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