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第三十八節「反旗に誓いと祈りを 六崩恐襲 救世主達は今を願いて」
~岩塊はなお執拗に 莉那達 対 揚猜⑤~
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破滅の赤光が、荒野の中心を蒸発させた。
オーギュだけを焼き尽くさんと、グランディオンを犠牲にして。
そんな光景を前に福留と莉那が安堵の溜息を漏らす。
邪神の眷属へと一矢報いれた事と、グランディオンが遺らなかった事に。
とはいえ、安心は出来ない。
先程の事例があったからこそ。
これだけの破壊エネルギーの中で生き残っているとは到底思い難いが。
何せ相手は人知を超越している存在。
福留達の想定を覆す事も容易い相手なのだから。
「莉那さん、念の為グランデス全武装の安全装置を解除しておきました。 着地時の負荷で第三脚部のBブロックアクチュエータにエラーが出ていますが、戦闘行為に支障無いレベルです」
「了解。 でもいい加減これで終わっていて欲しいですね。 正直疲れました」
「はは、莉那さんが弱音を吐くとは珍しい。 いいですねぇ、そう正直になれるのは良い傾向です」
だから準備も怠らない。
武装の用意も、機体の確認も、その心構えも。
〝如何な時であろうと冷静であれ〟
これが福留達の常々抱く理念だからこそ。
そしてその冷静さがもう隙を見逃さないからこそわかる。
この戦いがまだ終わりでは無かったという事を。
「しかしどうやらもう少し頑張ってもらう必要がありそうですよ。 爆破領域内に動体反応!!」
「ッ!! 本当にしつこい奴ですねッ!!」
なら莉那がこう愚痴を漏らさずには居られない。
あの執拗さが何よりうっとおしいと思えるものだったから。
空かさず莉那が操縦桿を握り、機体を後方へと走らせる。
四脚に備えられた車輪による高速走行で。
それと同時に、遥か前方の爆光にも変化が。
突如として中から小さな粒が飛び出し現れたのだ。
その全長はおおよそ一五メートル程。
丸めの岩塊でありながら顔が浮かぶその姿の如何に異様な事か。
更には四本の虫節脚の様な物が生え、異常さを引き立たせる。
しかして全身が焼けて茶色に染まり、蒸気をも発していて。
それでも、その動きが止まる事は―――無い。
「おのれ肉共がァァァ!! 主様より賜った体をよくもォォォ!! 許さん、絶対に許さんぞォォォ!!」
そう、オーギュである。
その姿は腹部にあった顔がそのまま飛び出してきたかのよう。
しかも地に着くや否や、その四肢を動かしてグランデスへと向け走り込んでいて。
その姿はさながら昆虫だ。
胴体を揺らさない水平走行で高速接近してくるのだから。
足の動きは荒々しく、それでいて見えない程に素早くかつ規則的。
気色悪いとも言えるその動きを前に、莉那も福留も思わず顔を不快に歪めさせる。
動きも、速さも、その性格も、何もかもが気に入らなくて。
ただ、見えたものが一概に悪い事だけとは限らないが。
「でもあの巨体ではありません。 恐らくはもう再生出来ないのでしょう。 つまりあれが本体、アルトラン・ネメシスの力とは別の、彼の正体そのものです!!」
「ならグランデスでもまだ応戦可能かもかもしれません!!」
見立て通り、オーギュは再生していない。
怒りに身を任せ、ただ本体のまま走り込んでくるだけで。
恐らくは先の爆破で再生が叶わない程に破壊し尽くされたのだろう。
アルトラン・ネメシスから貰ったという仮の身体を。
それで怒り狂っているのだ。
例え本体だけになろうとも復讐する為に。
だからこそだ。
だからこそ福留達にも付け入る隙がある。
「引き続き私が退避行動を取ります!! おじい様は腕部武装管制を!!」
「譲渡確認。 さぁて、昔取った杵柄を久々に奮うとしましょうか! ただし、グランデスの杵はちょっとばかり強烈ですよぉ!!」
グランデスが弧を描きつつ荒野を背走していく。
その杵、四本の腕を正面へと構えさせながら。
腕々の先には三連装の回転砲塔が相変わらず備わったままだ。
発見当初、あの剣聖をも苦戦させた武装が。
高威力の命力弾を無数に撃ち放てる、あの命力連撃砲が。
福留が武装腕を迫るオーギュへと構え向け、狙いを定める。
その鋭く正確な動きは昔どころか今も健在。
操舵幹を握った時にはもう照準が相手へと合わせられていて。
たちまち砲塔が火を放つ。
無数の弾丸が空を裂く。
激音を打ち鳴らしながら超高速で。
ガガガガガ―――ッ!!!
まるで閃光そのものだ。
無数の青い閃光筋がオーギュへと一挙に撃ち込まれていく。
すると途端に岩の外皮が打ち削れ、破片が飛び散る事に。
巨体を失った事で頑丈ささえも失われたのだろう。
であればもはや無敵とは言い難い。
「ぬぉあああッ!? 痛たたた!! おのれぇい、まだ抵抗するかぁーーーッ!!」
効いている。
間違い無く通用している。
ならまだ、福留達にも希望はある。
連撃砲が再び火を噴き、オーギュを狙い撃つ。
少しでも多く、その表皮を削り取る為に。
その脅威の進撃を食い止める為に。
ただ、それも全てが上手く行くとは限らない。
なんと次の瞬間、オーギュが跳ねていた。
バッタの様に高く、それでいて進路から逸れる様に縦横無尽と。
しかも走行速度が相まって、跳躍速度までが尋常ではないという。
それこそ、照準から一瞬にして姿を消す程に―――速い。
「くっ!! やはり一筋縄ではいきませんか。 莉那さん、もうちょっと優しく丁寧に操縦して頂けますか?」
「無茶を言いますね!! 善処しますッ!!」
加えて起伏の激しい地形が本体ごと砲塔を揺らし、照準をブレさせる。
それがとうとう相まって、撃ち放たれた弾丸が空ばかりを裂く事に。
グランディオンと違い、グランデスには【S.A.D.A.M.E.】が備わっていない。
つまり操縦桿を操作して動かす必要がある。
そのため直感的な操作が出来ず、機体の揺れを制御する事は事実上不可能だ。
精々操縦しつつ機体安定システムを構築するしか対策は無い。
今それは莉那の役目だ。
福留が手を離せないからこそ。
迎撃を怠ればオーギュが追い付いてしまいかねない。
故に片手で機体を操縦し、もう片手で操作パネルを叩く。
それも福留にも負けず劣らずの速度でマルチタスクをこなして見せるという。
やはり血は争えないという事か。
その甲斐あって、間も無く機体安定システムが構築される。
有言実行。
すぐさま機体の揺れが収まり、照準が安定した。
こうなれば後は福留の腕次第だ。
こうしている間にもオーギュは迫ってきている。
走り、時に飛び跳ねながら確実に。
しかしグランデスも負けてはいない。
先回りを防がんと、左右ジグザグに弧を描いて走る姿が。
進路を読ませない様にするランダム走行だ。
それに加え、今は安定した射撃が可能になった。
ならばと撃ち放たれた弾丸が正確な軌道を描き飛ぶ。
するとたちまち青の弾丸が線を刻む様に空へと突き抜けて―――
ガッガガッ!! チュインッ!!
再びオーギュへと直撃する事となる。
確かに、放たれた弾全てが当たる訳では無いだろう。
しかし跳躍中を捉える事なら充分可能だ。
弾丸の威力は相応にして高い。
宙に跳んでいた所に当たれば即弾かれ、あらぬ場所へと落ちていく。
それでもすぐさま立ち直り、再び走行を続けようとする訳だが。
「おのれ おのれ おのれぇーーーーーーいッ!!!」
高速機動 対 高速機動。
二体の攻防はもはや息を付かせぬ程にとめどない。
少しでも隙を見せれば、追われ追い返されてしまう。
そうしない為にも、互いに必死なのだ。
だがそれでも、速度が拮抗しているならば追手側が速くなるのは必然である。
明らかにオーギュが接近してきていた。
波の様にして放たれる弾丸の中を掻い潜って。
やはり人間以上の存在であるからか反応速度も尋常ではないらしい。
オーギュには遠距離武器は無い。
しかし何事にも負けぬ硬い意志と強靭な脚があるからこそ止まらない。
故に、その魔手がとうとうグランデスへと及ぶ事に。
「くぅらえぇーーーいッ!!」
グランデスへと向けて飛び掛かり、その脚を伸ばしてきたのだ。
その勢いは凄まじく、弾丸を受けても怯む事無く。
バッキャァァァーーーンッ!!
遂にはグランデスの腕一本を叩き潰す。
弾丸用に溜め込まれていた命力を炸裂させながら。
「くうッ!?」
「右一番腕部大破ッ!! これはいけませんねえッ!!」
とはいえ間も無く、残り三本の腕からの集中砲火でオーギュが大きく後退していく。
でもそんな事など関係無いのだろう。
例え激しく削られようが構う事無く走り始めていて。
オーギュももはや死に物狂いだ。
そんな相手を、腕一本失った状態で抑えきれるかどうか。
しかも問題はそれだけに留まらない。
途端にグランデスの速度が落ち、機体が揺れ始める。
「第三脚部アクチュエータに異常発生ッ!! どうやら今の攻撃で動力主軸がいかれた様です!」
戦闘前に発生したエラーがここで足を引っ張る事に。
ここに至るまでの無理が祟ったのだろう。
なにせ凹凸の激しい地表走行に加え、急ごしらえのシステムを無理矢理運用していたのだから。
「第三、第四脚部強制パージッ!! 二足歩行モードに切り替えますッ!! こんのぉーーー!!」
「では一番と二番の腕も切り離します! 三番四番メインアームへ移行!」
しかし壊れてしまった以上はもう何の役に立たない。
二人が咄嗟に操作し、壊れた部分ごと不要パーツを強制的に切り離す。
そうして上体が起きれば、たちまちグランデスが人型の姿に。
確かに軽快にはなった。
ただやはり安定性低下は否めないか。
これは人型タイプが抱きやすい欠点だ。
だからこそ福留達の不利は免れない。
武装が減り、精度も落ち、機動力もが低下したグランデス。
その状態のまま逃げ撃ちし続けても、恐らく勝利する事は困難を極めよう。
果たして、福留達はこの状況をどの様に打開するつもりなのだろうか……。
オーギュだけを焼き尽くさんと、グランディオンを犠牲にして。
そんな光景を前に福留と莉那が安堵の溜息を漏らす。
邪神の眷属へと一矢報いれた事と、グランディオンが遺らなかった事に。
とはいえ、安心は出来ない。
先程の事例があったからこそ。
これだけの破壊エネルギーの中で生き残っているとは到底思い難いが。
何せ相手は人知を超越している存在。
福留達の想定を覆す事も容易い相手なのだから。
「莉那さん、念の為グランデス全武装の安全装置を解除しておきました。 着地時の負荷で第三脚部のBブロックアクチュエータにエラーが出ていますが、戦闘行為に支障無いレベルです」
「了解。 でもいい加減これで終わっていて欲しいですね。 正直疲れました」
「はは、莉那さんが弱音を吐くとは珍しい。 いいですねぇ、そう正直になれるのは良い傾向です」
だから準備も怠らない。
武装の用意も、機体の確認も、その心構えも。
〝如何な時であろうと冷静であれ〟
これが福留達の常々抱く理念だからこそ。
そしてその冷静さがもう隙を見逃さないからこそわかる。
この戦いがまだ終わりでは無かったという事を。
「しかしどうやらもう少し頑張ってもらう必要がありそうですよ。 爆破領域内に動体反応!!」
「ッ!! 本当にしつこい奴ですねッ!!」
なら莉那がこう愚痴を漏らさずには居られない。
あの執拗さが何よりうっとおしいと思えるものだったから。
空かさず莉那が操縦桿を握り、機体を後方へと走らせる。
四脚に備えられた車輪による高速走行で。
それと同時に、遥か前方の爆光にも変化が。
突如として中から小さな粒が飛び出し現れたのだ。
その全長はおおよそ一五メートル程。
丸めの岩塊でありながら顔が浮かぶその姿の如何に異様な事か。
更には四本の虫節脚の様な物が生え、異常さを引き立たせる。
しかして全身が焼けて茶色に染まり、蒸気をも発していて。
それでも、その動きが止まる事は―――無い。
「おのれ肉共がァァァ!! 主様より賜った体をよくもォォォ!! 許さん、絶対に許さんぞォォォ!!」
そう、オーギュである。
その姿は腹部にあった顔がそのまま飛び出してきたかのよう。
しかも地に着くや否や、その四肢を動かしてグランデスへと向け走り込んでいて。
その姿はさながら昆虫だ。
胴体を揺らさない水平走行で高速接近してくるのだから。
足の動きは荒々しく、それでいて見えない程に素早くかつ規則的。
気色悪いとも言えるその動きを前に、莉那も福留も思わず顔を不快に歪めさせる。
動きも、速さも、その性格も、何もかもが気に入らなくて。
ただ、見えたものが一概に悪い事だけとは限らないが。
「でもあの巨体ではありません。 恐らくはもう再生出来ないのでしょう。 つまりあれが本体、アルトラン・ネメシスの力とは別の、彼の正体そのものです!!」
「ならグランデスでもまだ応戦可能かもかもしれません!!」
見立て通り、オーギュは再生していない。
怒りに身を任せ、ただ本体のまま走り込んでくるだけで。
恐らくは先の爆破で再生が叶わない程に破壊し尽くされたのだろう。
アルトラン・ネメシスから貰ったという仮の身体を。
それで怒り狂っているのだ。
例え本体だけになろうとも復讐する為に。
だからこそだ。
だからこそ福留達にも付け入る隙がある。
「引き続き私が退避行動を取ります!! おじい様は腕部武装管制を!!」
「譲渡確認。 さぁて、昔取った杵柄を久々に奮うとしましょうか! ただし、グランデスの杵はちょっとばかり強烈ですよぉ!!」
グランデスが弧を描きつつ荒野を背走していく。
その杵、四本の腕を正面へと構えさせながら。
腕々の先には三連装の回転砲塔が相変わらず備わったままだ。
発見当初、あの剣聖をも苦戦させた武装が。
高威力の命力弾を無数に撃ち放てる、あの命力連撃砲が。
福留が武装腕を迫るオーギュへと構え向け、狙いを定める。
その鋭く正確な動きは昔どころか今も健在。
操舵幹を握った時にはもう照準が相手へと合わせられていて。
たちまち砲塔が火を放つ。
無数の弾丸が空を裂く。
激音を打ち鳴らしながら超高速で。
ガガガガガ―――ッ!!!
まるで閃光そのものだ。
無数の青い閃光筋がオーギュへと一挙に撃ち込まれていく。
すると途端に岩の外皮が打ち削れ、破片が飛び散る事に。
巨体を失った事で頑丈ささえも失われたのだろう。
であればもはや無敵とは言い難い。
「ぬぉあああッ!? 痛たたた!! おのれぇい、まだ抵抗するかぁーーーッ!!」
効いている。
間違い無く通用している。
ならまだ、福留達にも希望はある。
連撃砲が再び火を噴き、オーギュを狙い撃つ。
少しでも多く、その表皮を削り取る為に。
その脅威の進撃を食い止める為に。
ただ、それも全てが上手く行くとは限らない。
なんと次の瞬間、オーギュが跳ねていた。
バッタの様に高く、それでいて進路から逸れる様に縦横無尽と。
しかも走行速度が相まって、跳躍速度までが尋常ではないという。
それこそ、照準から一瞬にして姿を消す程に―――速い。
「くっ!! やはり一筋縄ではいきませんか。 莉那さん、もうちょっと優しく丁寧に操縦して頂けますか?」
「無茶を言いますね!! 善処しますッ!!」
加えて起伏の激しい地形が本体ごと砲塔を揺らし、照準をブレさせる。
それがとうとう相まって、撃ち放たれた弾丸が空ばかりを裂く事に。
グランディオンと違い、グランデスには【S.A.D.A.M.E.】が備わっていない。
つまり操縦桿を操作して動かす必要がある。
そのため直感的な操作が出来ず、機体の揺れを制御する事は事実上不可能だ。
精々操縦しつつ機体安定システムを構築するしか対策は無い。
今それは莉那の役目だ。
福留が手を離せないからこそ。
迎撃を怠ればオーギュが追い付いてしまいかねない。
故に片手で機体を操縦し、もう片手で操作パネルを叩く。
それも福留にも負けず劣らずの速度でマルチタスクをこなして見せるという。
やはり血は争えないという事か。
その甲斐あって、間も無く機体安定システムが構築される。
有言実行。
すぐさま機体の揺れが収まり、照準が安定した。
こうなれば後は福留の腕次第だ。
こうしている間にもオーギュは迫ってきている。
走り、時に飛び跳ねながら確実に。
しかしグランデスも負けてはいない。
先回りを防がんと、左右ジグザグに弧を描いて走る姿が。
進路を読ませない様にするランダム走行だ。
それに加え、今は安定した射撃が可能になった。
ならばと撃ち放たれた弾丸が正確な軌道を描き飛ぶ。
するとたちまち青の弾丸が線を刻む様に空へと突き抜けて―――
ガッガガッ!! チュインッ!!
再びオーギュへと直撃する事となる。
確かに、放たれた弾全てが当たる訳では無いだろう。
しかし跳躍中を捉える事なら充分可能だ。
弾丸の威力は相応にして高い。
宙に跳んでいた所に当たれば即弾かれ、あらぬ場所へと落ちていく。
それでもすぐさま立ち直り、再び走行を続けようとする訳だが。
「おのれ おのれ おのれぇーーーーーーいッ!!!」
高速機動 対 高速機動。
二体の攻防はもはや息を付かせぬ程にとめどない。
少しでも隙を見せれば、追われ追い返されてしまう。
そうしない為にも、互いに必死なのだ。
だがそれでも、速度が拮抗しているならば追手側が速くなるのは必然である。
明らかにオーギュが接近してきていた。
波の様にして放たれる弾丸の中を掻い潜って。
やはり人間以上の存在であるからか反応速度も尋常ではないらしい。
オーギュには遠距離武器は無い。
しかし何事にも負けぬ硬い意志と強靭な脚があるからこそ止まらない。
故に、その魔手がとうとうグランデスへと及ぶ事に。
「くぅらえぇーーーいッ!!」
グランデスへと向けて飛び掛かり、その脚を伸ばしてきたのだ。
その勢いは凄まじく、弾丸を受けても怯む事無く。
バッキャァァァーーーンッ!!
遂にはグランデスの腕一本を叩き潰す。
弾丸用に溜め込まれていた命力を炸裂させながら。
「くうッ!?」
「右一番腕部大破ッ!! これはいけませんねえッ!!」
とはいえ間も無く、残り三本の腕からの集中砲火でオーギュが大きく後退していく。
でもそんな事など関係無いのだろう。
例え激しく削られようが構う事無く走り始めていて。
オーギュももはや死に物狂いだ。
そんな相手を、腕一本失った状態で抑えきれるかどうか。
しかも問題はそれだけに留まらない。
途端にグランデスの速度が落ち、機体が揺れ始める。
「第三脚部アクチュエータに異常発生ッ!! どうやら今の攻撃で動力主軸がいかれた様です!」
戦闘前に発生したエラーがここで足を引っ張る事に。
ここに至るまでの無理が祟ったのだろう。
なにせ凹凸の激しい地表走行に加え、急ごしらえのシステムを無理矢理運用していたのだから。
「第三、第四脚部強制パージッ!! 二足歩行モードに切り替えますッ!! こんのぉーーー!!」
「では一番と二番の腕も切り離します! 三番四番メインアームへ移行!」
しかし壊れてしまった以上はもう何の役に立たない。
二人が咄嗟に操作し、壊れた部分ごと不要パーツを強制的に切り離す。
そうして上体が起きれば、たちまちグランデスが人型の姿に。
確かに軽快にはなった。
ただやはり安定性低下は否めないか。
これは人型タイプが抱きやすい欠点だ。
だからこそ福留達の不利は免れない。
武装が減り、精度も落ち、機動力もが低下したグランデス。
その状態のまま逃げ撃ちし続けても、恐らく勝利する事は困難を極めよう。
果たして、福留達はこの状況をどの様に打開するつもりなのだろうか……。
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