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第一章
第20話 衝撃の事実
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ノオンの兄ディアル、職業は漁師。
現在は紫空界産業組合、漁業部へと所属している。
親方からの信頼は厚く、常日頃こき使われているのだとか。
ただ、当人からは漁師とは思えない貫禄を感じる。
例えるなら、良いとこ出の貴族といった清楚な雰囲気がな。
粗暴な奴では決して出せない様なオーラを纏っているんだ。
それでいて騎士を志すノオンの同類だからこそ。
もしかしたら俺が知らない様な凄い何かを秘めているのかもしれない。
……まぁ、そんな勘繰りはさておき。
俺達は借りた一部屋に辿り着くや否や、早速と机を囲った。
どうやらディアルは何かを悟っていたらしい。
だから机を囲む際にも黙々と椅子を並べたものだ。
まるでこれから話す事まで理解しているかの様に。
「さて、まずは皆さんの事から教えて貰おうか! ノオンの友達に会うのは初めてでな、お兄さんとてもワクワクしている!」
そんな緊張を掃うかの様な声を上げているが、これは俺でも察せる。
目が笑っていないんだよ。
俺達に探りを入れているかの様にな。
身なりを見回し、どんな癖を持ち、どんな装備を持っているか、と。
これは戦いの前における戦士の目だ。
外じゃ気付かなかったが、向き合ってやっとわかった。
こいつ……やはり只の漁師じゃないな。
となると元戦士、あるいは元騎士と言った所か。
何かしらの理由で武器を置いたといった様な。
「アークィンだ。一応、複合闘戦士をやっている」
「精霊使いのマオさ」
「療術師のフィーなの~」
「テッシャだよー!」
「ほほう、良きパーティだな! バランスもとれていて素晴らしい! これでノオンが大盾を持てば完璧だろう!」
こうして戦術知識に関して妙に詳しいしな。
今の俺達に不足しているのが何なのかを瞬時に見抜いた。
それが実際に必要かどうかはこの際、別として。
つまりこんな机上論を叩き出せるくらいには卓越しているという事だ。
普通の漁師じゃまず至れない領域だろう。
「ハハッ! 兄上、ボクは速さで戦う剣士だよ? 大盾なんて持ったら持ち味が死んでしまうじゃあないか!」
「そうだったぁ! ハッハー、俺とした事が迂闊な意見だったな!」
とすれば、こうやってはぐらかしているのも全て計算の内。
この男、もしかしたら俺が気付いた以上の大物なのかもしれん。
――そうか!
だからノオンはここに来たのか!
兄であり大物のディアルに頼り、活路を見出そうというのだな!
確かにそれなら理解にも至る。
この男からは得体の知れない凄みを感じるからな。
だとすれば漁師とは仮の姿。
裏では産業組合にまで手を回せる程の重鎮という事か。
これは凄いぞ……!
この予想が正しければ、確かに皇国の陰謀を止められるかもしれない!
産業組合は国に意見も出来るくらいに大きい団体だと聞いた事があるんだ。
なにせ国の財産を生み出す生産管理の元締めだからな。
ならこの人に希望を託すのも――
「見ない間にとても立派になったなノオンは! 兄としてとても誇りに思うぞ! やはりドゥキエル家の期待を一身に受けた妹は一つ二つ違うな! ハーッハッハ!」
「――待て待て、弟の間違いだろう」
おや、夢中になって言い間違えたか?
きっと末っ子辺りの妹と間違えたんだ。
もしくは俺が思考するのに夢中で聞き違えたのかもしれんな。
「何を言っているんだアークィン殿?」
「えっ?」
「よく見たまえノオンの素顔を! この白く美しい肌! このクリッとした可愛らしい瞳! この艶やかな透き通った唇ッ! そしてこのフワッフワでモッコモコな髪質をッ!! どこからどう見ても可愛らしい――女の子じゃあないかあッ!!!!!」
え、そうじゃないって?
待て。
待ってくれ。
ノオンが女の子だと!?
ずっと男だと思っていたノオンが実は女の子だっただとォ!!!??
で、ふと横に振り向いてみれば、フィーとテッシャがウンウンと。
振り返ってみれば、マオと当人ノオンもがウンウンと。
なん……だと……!?
俺が勘違いしていた、だとォ……ッ!!?
故にこの時、俺は静かに机へ突っ伏していた。
まさかの驚愕の事実に驚く事さえも出来なくて。
余りの事で、思考の何もかもが吹き飛んでしまったんだ。
誰か嘘だと言ってくれ。
悪夢なら醒めてくれ。
でも事実だというなら、こう叫ばずにはいられない。
気付かなかったのって、俺だけなのかァァァーーーーーー!!!??
現在は紫空界産業組合、漁業部へと所属している。
親方からの信頼は厚く、常日頃こき使われているのだとか。
ただ、当人からは漁師とは思えない貫禄を感じる。
例えるなら、良いとこ出の貴族といった清楚な雰囲気がな。
粗暴な奴では決して出せない様なオーラを纏っているんだ。
それでいて騎士を志すノオンの同類だからこそ。
もしかしたら俺が知らない様な凄い何かを秘めているのかもしれない。
……まぁ、そんな勘繰りはさておき。
俺達は借りた一部屋に辿り着くや否や、早速と机を囲った。
どうやらディアルは何かを悟っていたらしい。
だから机を囲む際にも黙々と椅子を並べたものだ。
まるでこれから話す事まで理解しているかの様に。
「さて、まずは皆さんの事から教えて貰おうか! ノオンの友達に会うのは初めてでな、お兄さんとてもワクワクしている!」
そんな緊張を掃うかの様な声を上げているが、これは俺でも察せる。
目が笑っていないんだよ。
俺達に探りを入れているかの様にな。
身なりを見回し、どんな癖を持ち、どんな装備を持っているか、と。
これは戦いの前における戦士の目だ。
外じゃ気付かなかったが、向き合ってやっとわかった。
こいつ……やはり只の漁師じゃないな。
となると元戦士、あるいは元騎士と言った所か。
何かしらの理由で武器を置いたといった様な。
「アークィンだ。一応、複合闘戦士をやっている」
「精霊使いのマオさ」
「療術師のフィーなの~」
「テッシャだよー!」
「ほほう、良きパーティだな! バランスもとれていて素晴らしい! これでノオンが大盾を持てば完璧だろう!」
こうして戦術知識に関して妙に詳しいしな。
今の俺達に不足しているのが何なのかを瞬時に見抜いた。
それが実際に必要かどうかはこの際、別として。
つまりこんな机上論を叩き出せるくらいには卓越しているという事だ。
普通の漁師じゃまず至れない領域だろう。
「ハハッ! 兄上、ボクは速さで戦う剣士だよ? 大盾なんて持ったら持ち味が死んでしまうじゃあないか!」
「そうだったぁ! ハッハー、俺とした事が迂闊な意見だったな!」
とすれば、こうやってはぐらかしているのも全て計算の内。
この男、もしかしたら俺が気付いた以上の大物なのかもしれん。
――そうか!
だからノオンはここに来たのか!
兄であり大物のディアルに頼り、活路を見出そうというのだな!
確かにそれなら理解にも至る。
この男からは得体の知れない凄みを感じるからな。
だとすれば漁師とは仮の姿。
裏では産業組合にまで手を回せる程の重鎮という事か。
これは凄いぞ……!
この予想が正しければ、確かに皇国の陰謀を止められるかもしれない!
産業組合は国に意見も出来るくらいに大きい団体だと聞いた事があるんだ。
なにせ国の財産を生み出す生産管理の元締めだからな。
ならこの人に希望を託すのも――
「見ない間にとても立派になったなノオンは! 兄としてとても誇りに思うぞ! やはりドゥキエル家の期待を一身に受けた妹は一つ二つ違うな! ハーッハッハ!」
「――待て待て、弟の間違いだろう」
おや、夢中になって言い間違えたか?
きっと末っ子辺りの妹と間違えたんだ。
もしくは俺が思考するのに夢中で聞き違えたのかもしれんな。
「何を言っているんだアークィン殿?」
「えっ?」
「よく見たまえノオンの素顔を! この白く美しい肌! このクリッとした可愛らしい瞳! この艶やかな透き通った唇ッ! そしてこのフワッフワでモッコモコな髪質をッ!! どこからどう見ても可愛らしい――女の子じゃあないかあッ!!!!!」
え、そうじゃないって?
待て。
待ってくれ。
ノオンが女の子だと!?
ずっと男だと思っていたノオンが実は女の子だっただとォ!!!??
で、ふと横に振り向いてみれば、フィーとテッシャがウンウンと。
振り返ってみれば、マオと当人ノオンもがウンウンと。
なん……だと……!?
俺が勘違いしていた、だとォ……ッ!!?
故にこの時、俺は静かに机へ突っ伏していた。
まさかの驚愕の事実に驚く事さえも出来なくて。
余りの事で、思考の何もかもが吹き飛んでしまったんだ。
誰か嘘だと言ってくれ。
悪夢なら醒めてくれ。
でも事実だというなら、こう叫ばずにはいられない。
気付かなかったのって、俺だけなのかァァァーーーーーー!!!??
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