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第一章
第21話 空に煌めく陽珠の様に
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まさかノオンが女性だったとは。
あのテンションと存在感ですっかり騙されていた。
いやいや、普通気付かないだろコレは。
一体どこに気付く要素があったんだ?
外見は比較的細身な剣士としか見えん。
おまけに中性的な顔付きと声だから、見分けも聞き分けもつかないじゃないか!
――とはいえ、間違えていた事に変わりは無い。
その上で言い訳などただ見苦しいだけだ。
「本当にすまないノオン、俺はずっとお前の事を男だと認識していた」
だからここは潔く謝罪しよう。
とても失礼な事をしてしまっていたからな。
父曰く。
〝翌謝低実。過ちは即座に認めよ。過失とは時と共に信頼を失わせるもの。意固地になりて日を改めようものならば、戻らぬ関係もあると知れ〟
俺はまだ今の信頼を失わせたくはない。
大事を控えている今だからこそ、この関係だけは。
「え? あぁボクは別に構わないよ。むしろ男だと思われて光栄だね。それだけ強く逞しく美しい騎士だと見間違われたという事なのだから! ハッハー!」
「「「ポジティーブ↑!」」」
――と思っていたんだが、一切ダメージが無いらしい。
間も無く俺の肩へと、ノオンの手が「ビタンビタン」とはたかれる事に。
なんかむしろ慰められているんだが。
なんだかこの兄妹には常識が通用しなさそう。
まぁ世間知らずな俺が常識を語るなどおこがましい事なんだが。
「……しかし、ノオンが騎士を目指したのも、これで何となくわかった気がする。ディアルの様な兄達が居たからこそ、強くなりたいと思ったのかもしれないな」
「それも違うぞアークィン君!」
「へ?」
ほらな。
こうやって簡単に予想を覆してくれるよ。
観察眼への自信を完膚なきまで打ち崩すくらいに。
「ノオンは昔から最近までずぅ~っと珠の様な可愛い可愛い女の子だったのだ!」
「それはさすがに嘘だろう!?」
「いいや、嘘ではないぞッ!! これを見たまえッ!!」
すると何を思ったのか、ディアルが懐から何か小さなケースを取り出して。
空かさず中から沢山の写真が飛び出す事に。
そうして現れたのはなんと、小さい頃からのノオンの姿だった。
「「「こ、これはーーーッ!?」」」
「そうだ! これは全てノオンであるッ! どうだ可愛いだろう!? 幼き頃より父が惜しげもなくプロの投射魔法士を雇って映し続けたからな! 被写体の素晴らしさもあって輝いて見えるであろうッ!!」
かっ、可愛い……!
嘘だろ、なんだこれは!?
別人じゃあないのか……!?
当時は髪が長かったらしく、その柔らかさが際立っていた。
加えて明るめのフリフリなドレスを纏い、幼さを強調させていて。
更には花園を走り回り、惜しげもなく髪を巻き上げているのだ。
そのきめ細かい髪までがしっかり映り、美しさを一段と映えさせる。
写真そのものの質も凄いが、そう映させたのは紛れもないノオン自身だ。
紛れも無い絶世の美少女がこの擦り切れた写真の先にいたのである。
評価が高いのは、決して幼女趣味だからって訳じゃあないぞ。
これくらいの美観は俺にだってあるんだ。
「そして見よ、この至高の一枚をッ!!」
「「「ううッ!? これはまさかッ!?」」」
この様にして皆が驚きを見せる中、ディアルが秘蔵の一枚を取り出す。
そうして映り込んでいたのは比較的最近のノオン。
そして、被写体はもう一人居たのだ。
「これはいつか表敬訪問にいらっしゃったエルナーシェ様と共に撮った写真だ」
そう、それこそなんとあのエルナーシェ姫。
この二人が純白のドレス姿で抱き合い、笑い合っていたのである。
「どうだ素晴らしいであろう? 二人の美しさ、可愛さ、可憐さが全てここに凝縮されている! 故にこの写真は我が一族の家宝! 今も引き延ばしたこの写真が屋敷の居間に堂々と飾ってあるはずだ!」
「待って、なんかノオンの扱い凄くない?」
「当然だろうッ!! なんたってノオンは我がドゥキエル一族の至宝だからな!」
「ハッハー! お兄様、それは言い過ぎだよ!」
ダメだ理解が追い付かない。
既に頭が理解する事を拒否し始めている。
昔と今のギャップが凄すぎて脳がエラーを起こしているぞッ!!
しかもまだディアルの高らかな笑みが収まらない。
なんだ、まだ隠し種があると言うのか!?
もう俺は突っ込まんからなッ!!
「この写真が撮れた時はもう家族・親族総出で騒いだものだ! すぐに大金をはたいて複写しまくり、国中に走り回っては配り渡り、新聞の一面記事にも載せてもらったぞ!」
「何たる凄まじき行動力ゥ!!」
「お陰で当時の私は愚か、父上と次男のお小遣いも使い切り、危うく資産を切り崩す所であった……! だが親戚の総カンパでどうにかなったのだ!」
「何その結束力ゥ!!」
「良かったら君達にも分けようじゃあないか! なに気にするな! 常に百枚は懐に仕舞ってある! 布教用さ!」
「ギークもビックリの懐広さだよ!」
いかん、ついつい突っ込んでしまう。
彼等の言葉にはツッコミを誘引する呪法でも掛かっているんじゃないか?
となれば、俺の様な生真面目な奴を簡単に殺せるレベルの呪いだぞ。
お陰で頭がくらくらしてきた。
どうやら叫び過ぎて酸欠を催したらしい。
肺活量には自信があったんだが、まさかこれ程とは。
なのでここで一旦心を無にして気持ちを落ち着かせる。
ディアルにはまだまだ話したい事があるらしいが。
悪いけれど、少しだけ自慢話をスルーさせてもらおう。
――にしても、これがエルナーシェ姫か。
確かに美しいな。
ノオンも凄いが、姫の美しさもかなり際立っている。
見ただけで包容力もがわかる様だ。
小さいノオンを腰から抱き込み、引き寄せていて。
二人で胸を合わせて喜びを一杯に示している。
その笑顔には一切の屈託がない。
本気で笑っているんだ。
混血の少女を抱きながらも。
その姿から、写真ででも優しさと気高さが伝わってくる。
そして世界を導いたというカリスマ性も。
これなら俺にもわかる気がする。
彼女が何をしようとしていたのかを。
きっと存命なら今頃、この虹空界は名に恥じぬ美しさを誇っていた事だろう。
だからこそ惜しくもある。
どうして彼女は死んでしまったのか、と。
もしかしたら彼女は俺とは別の希望だったのかもしれないな。
戦いという手段を必要としない世界の希望、輝き。
俺の様な存在が無駄になるくらいの、真なる平和の象徴として。
そう、まるで大空に煌く【陽珠】の様に。
よりぬき言語紹介
――――――――――――――――――
投射魔法士(プロマイダー)
いわゆる写真家。専用の魔法道具を使い、映したい景色を紙に念写させる事が出来る。そんなに難しい技術でも無く、需要もそこそこ。安定した時代だからこそ生まれた職業と言えるだろう。ちなみに暗幕に隠れて投射する事もあって「隠者」という複名もある。もちろん、紫空界の隠者だからといって決して茨を出したり、魔法道具を叩き潰したりする事は無い。
――――――――――――――――――
突っ込まざるを得ない呪い
そんなものはない。ドゥキエル家の人間が基本的に天然でツッコミどころが多いだけだ。だがもしかしたらこれこそが魔女の呪いの効果なのかもしれない。その真相まではもはや不明である。
――――――――――――――――――
あのテンションと存在感ですっかり騙されていた。
いやいや、普通気付かないだろコレは。
一体どこに気付く要素があったんだ?
外見は比較的細身な剣士としか見えん。
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――とはいえ、間違えていた事に変わりは無い。
その上で言い訳などただ見苦しいだけだ。
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だからここは潔く謝罪しよう。
とても失礼な事をしてしまっていたからな。
父曰く。
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俺はまだ今の信頼を失わせたくはない。
大事を控えている今だからこそ、この関係だけは。
「え? あぁボクは別に構わないよ。むしろ男だと思われて光栄だね。それだけ強く逞しく美しい騎士だと見間違われたという事なのだから! ハッハー!」
「「「ポジティーブ↑!」」」
――と思っていたんだが、一切ダメージが無いらしい。
間も無く俺の肩へと、ノオンの手が「ビタンビタン」とはたかれる事に。
なんかむしろ慰められているんだが。
なんだかこの兄妹には常識が通用しなさそう。
まぁ世間知らずな俺が常識を語るなどおこがましい事なんだが。
「……しかし、ノオンが騎士を目指したのも、これで何となくわかった気がする。ディアルの様な兄達が居たからこそ、強くなりたいと思ったのかもしれないな」
「それも違うぞアークィン君!」
「へ?」
ほらな。
こうやって簡単に予想を覆してくれるよ。
観察眼への自信を完膚なきまで打ち崩すくらいに。
「ノオンは昔から最近までずぅ~っと珠の様な可愛い可愛い女の子だったのだ!」
「それはさすがに嘘だろう!?」
「いいや、嘘ではないぞッ!! これを見たまえッ!!」
すると何を思ったのか、ディアルが懐から何か小さなケースを取り出して。
空かさず中から沢山の写真が飛び出す事に。
そうして現れたのはなんと、小さい頃からのノオンの姿だった。
「「「こ、これはーーーッ!?」」」
「そうだ! これは全てノオンであるッ! どうだ可愛いだろう!? 幼き頃より父が惜しげもなくプロの投射魔法士を雇って映し続けたからな! 被写体の素晴らしさもあって輝いて見えるであろうッ!!」
かっ、可愛い……!
嘘だろ、なんだこれは!?
別人じゃあないのか……!?
当時は髪が長かったらしく、その柔らかさが際立っていた。
加えて明るめのフリフリなドレスを纏い、幼さを強調させていて。
更には花園を走り回り、惜しげもなく髪を巻き上げているのだ。
そのきめ細かい髪までがしっかり映り、美しさを一段と映えさせる。
写真そのものの質も凄いが、そう映させたのは紛れもないノオン自身だ。
紛れも無い絶世の美少女がこの擦り切れた写真の先にいたのである。
評価が高いのは、決して幼女趣味だからって訳じゃあないぞ。
これくらいの美観は俺にだってあるんだ。
「そして見よ、この至高の一枚をッ!!」
「「「ううッ!? これはまさかッ!?」」」
この様にして皆が驚きを見せる中、ディアルが秘蔵の一枚を取り出す。
そうして映り込んでいたのは比較的最近のノオン。
そして、被写体はもう一人居たのだ。
「これはいつか表敬訪問にいらっしゃったエルナーシェ様と共に撮った写真だ」
そう、それこそなんとあのエルナーシェ姫。
この二人が純白のドレス姿で抱き合い、笑い合っていたのである。
「どうだ素晴らしいであろう? 二人の美しさ、可愛さ、可憐さが全てここに凝縮されている! 故にこの写真は我が一族の家宝! 今も引き延ばしたこの写真が屋敷の居間に堂々と飾ってあるはずだ!」
「待って、なんかノオンの扱い凄くない?」
「当然だろうッ!! なんたってノオンは我がドゥキエル一族の至宝だからな!」
「ハッハー! お兄様、それは言い過ぎだよ!」
ダメだ理解が追い付かない。
既に頭が理解する事を拒否し始めている。
昔と今のギャップが凄すぎて脳がエラーを起こしているぞッ!!
しかもまだディアルの高らかな笑みが収まらない。
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もう俺は突っ込まんからなッ!!
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「良かったら君達にも分けようじゃあないか! なに気にするな! 常に百枚は懐に仕舞ってある! 布教用さ!」
「ギークもビックリの懐広さだよ!」
いかん、ついつい突っ込んでしまう。
彼等の言葉にはツッコミを誘引する呪法でも掛かっているんじゃないか?
となれば、俺の様な生真面目な奴を簡単に殺せるレベルの呪いだぞ。
お陰で頭がくらくらしてきた。
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肺活量には自信があったんだが、まさかこれ程とは。
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――にしても、これがエルナーシェ姫か。
確かに美しいな。
ノオンも凄いが、姫の美しさもかなり際立っている。
見ただけで包容力もがわかる様だ。
小さいノオンを腰から抱き込み、引き寄せていて。
二人で胸を合わせて喜びを一杯に示している。
その笑顔には一切の屈託がない。
本気で笑っているんだ。
混血の少女を抱きながらも。
その姿から、写真ででも優しさと気高さが伝わってくる。
そして世界を導いたというカリスマ性も。
これなら俺にもわかる気がする。
彼女が何をしようとしていたのかを。
きっと存命なら今頃、この虹空界は名に恥じぬ美しさを誇っていた事だろう。
だからこそ惜しくもある。
どうして彼女は死んでしまったのか、と。
もしかしたら彼女は俺とは別の希望だったのかもしれないな。
戦いという手段を必要としない世界の希望、輝き。
俺の様な存在が無駄になるくらいの、真なる平和の象徴として。
そう、まるで大空に煌く【陽珠】の様に。
よりぬき言語紹介
――――――――――――――――――
投射魔法士(プロマイダー)
いわゆる写真家。専用の魔法道具を使い、映したい景色を紙に念写させる事が出来る。そんなに難しい技術でも無く、需要もそこそこ。安定した時代だからこそ生まれた職業と言えるだろう。ちなみに暗幕に隠れて投射する事もあって「隠者」という複名もある。もちろん、紫空界の隠者だからといって決して茨を出したり、魔法道具を叩き潰したりする事は無い。
――――――――――――――――――
突っ込まざるを得ない呪い
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