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第二章
第47話 スカイフライヤー
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【フライハイアー】。
それは大空に想いを馳せた者達の夢。
最も空高く翔け、風よりも速く進んだ勇者達を示す名である。
その勇者達を決める競技こそが【スカイフライヤー】。
腕自慢の操縦士が世界中から集まり、飛行技術を競うのだ。
この競技は大昔、世界が虹空界となって間も無い頃より生まれた。
起源は只の配送業から。
最速の配達に拘った者達が仲間同士で競い始めたのがキッカケ。
それより時を経て、競争が競技となって今に至ったという。
その伝統は今なお語り継がれている。
【スカイフライヤー国立競船場】という、遥か昔に郵便局だったこの場所で。
無数の熱狂的なファンと、一獲千金を夢見る賭博師達の間にて。
そして今日もまた彼等は高々と伝説を叫ぶのだ。
今日この日、新たな【フライハイアー】の誕生を祝う為に。
「いいかい、よく聞くんだ。実はね、今日はこの赤空界でもとびっきりの特別な日なのさ。だから皆がこぞってこの場に集まって来たってワケ」
「特別~て~?」
「それはね、今日が年に一回の【S1フライハイアー】決定戦。つまり、今年最強の操縦士を決めるレース開催日だからなのさ」
「ほう、最強か……!」
そんな競技場の中に今、俺達はいる。
件の伝説をマオから教えて貰って。
だからこそこの熱狂ぶりがわかるというものだ。
なにせ今の会話さえ聞こえ辛くなるくらいに騒がしいからな。
皆、これから始まるレースに興奮を隠せないのだろう。
それに、この白熱ぶりはいつもよりもずっと火力マシだそうだ。
「しかも今日のS1は一味も二味も違うよ。なんたって出場選手が奇跡にも近い組み合わせだからね!」
「奇跡ってなにー?」
「ふふん、よぉくぞ聞いてくれた!」
するとテッシャの質問を聞いた途端、マオが躍り出る様に俺達の前へ。
クロ様をぶん回しつつクルリと振り返ると、大きな笑顔を見せつけてくれた。
「なんたって今日の試合には史上最強と呼ばれた二人のスカイプリンスが同時出場するんだ! 今まで不幸続きで成し遂げられなかった最高のカードさぁ! この瞬間を多くのファンが一体どれだけ待ち望んできた事か……!」
それで遂には両握り拳を胸元で奮わせていて。
「くぅ~!」と声を唸らせている所を見るに、彼女も相当なファンなんだな。
赤空界に住んでた理由がなんとなくわかったよ。
「けどね、私はこの勝敗が見えている!」
「「「えッ!?」」」
「なんたって昔は〝先見のマオ〟なんて呼ばれた事がある私だからねぇ。ふふ、あの時はだいぶ稼がせてもらったものさぁ」
そしてついでに荒稼ぎしていた訳か。
なるほど、人を見る目があるからこそ目利きが効くんだな。
つまりその千里眼で今日の予想をも当ててみせると。
俺は賭けに関しては全くの無知だ。
しかし達人が常識の範疇を越えた者という事は心から理解している。
だからこそ、賭けの達人たるマオにも何かが見えていると信じよう。
今のマオの言葉にはそう出来る程の〝強み〟があった。
このレースを知り尽くした、そう思わせるくらいのな。
ならもう後は運を天ではなく彼女に任せるだけだ。
「あ、でも全財産は要らないよ。せっかくだし皆も楽しみな。一口分づつ好きな選手に賭けるとかさ。レースはこれだけじゃあないからね。それに、今日はお祭りみたいなもんだから、ずっと緊張しっぱなしだった私達にゃいい刺激になると思うよぉ?」
更にこんな慈悲深いお言葉まで貰えば甘えない訳にもいかない。
おかげでノオン達は大喜びだ。
やはり祭りというのはここまで人の心を動かすもんなんだな。
聞いていた以上の盛り上がり具合だよ。
それにマオの言う事にも一理ある。
今日まで頑張って来た俺達なんだから今日くらいは騒いだっていい。
たまには今を忘れてレースに興奮するのもいいだろう。
マオがなんで今回のレースにこうも詳しいのかはこの際置いといて。
「だが俺はいい。よくわからないからな。俺の分はマオが回してくれ」
「まぁそう言いなさんなってぇ。何も考えずに買えばいいんだよ。ほら、あれが今日行われるレースの出場枠さ。あの表に書かれた選手を選ぶだけでいいんだ」
それで早速と、マオが試合前に色んな事を教えてくれた。
レースの仕組みや賭け方、これから何が起きるのかもな。
その聞いた話をざっくり説明するとこんな感じ。
これから始まるレースは【S1スカイレジェンド杯】というものらしい。
競技ランクS1を誇る選手達がトップを競うレースなのだとか。
出場するのはなんと総勢一八人の強豪達。
いずれも過去のレースで優秀な成績を残してきた者達だ。
そんな選手達が今日一日を掛けて五回ほど空を駆け巡るそう。
それで最も多く成績ポイントを稼いだ選手が優勝へ。
今年最強選手の称号である【フライハイアー】を冠する事が出来るという。
ちなみにその五回のレース個々に賭けが発生する。
なので一回目の配当率は決まっているが、二回目以降はまだ不明。
運営が戦況と機体状態、操縦士のメンタルを見て決めるそうな。
ただその数値はあくまで指標であって、絶対的な勝率ではない。
もちろん実力に従って精査した数値に違いはないが。
要は運営側による興行の一環だな。
だからプロの賭博師はこの数値だけで運営の感情が読み取れるらしい。
「この配当率は、勝てる確証が無いな」「この数値は絶対来る」って。
ま、何言ってるのかさっぱりわからなかったけども。
それは大空に想いを馳せた者達の夢。
最も空高く翔け、風よりも速く進んだ勇者達を示す名である。
その勇者達を決める競技こそが【スカイフライヤー】。
腕自慢の操縦士が世界中から集まり、飛行技術を競うのだ。
この競技は大昔、世界が虹空界となって間も無い頃より生まれた。
起源は只の配送業から。
最速の配達に拘った者達が仲間同士で競い始めたのがキッカケ。
それより時を経て、競争が競技となって今に至ったという。
その伝統は今なお語り継がれている。
【スカイフライヤー国立競船場】という、遥か昔に郵便局だったこの場所で。
無数の熱狂的なファンと、一獲千金を夢見る賭博師達の間にて。
そして今日もまた彼等は高々と伝説を叫ぶのだ。
今日この日、新たな【フライハイアー】の誕生を祝う為に。
「いいかい、よく聞くんだ。実はね、今日はこの赤空界でもとびっきりの特別な日なのさ。だから皆がこぞってこの場に集まって来たってワケ」
「特別~て~?」
「それはね、今日が年に一回の【S1フライハイアー】決定戦。つまり、今年最強の操縦士を決めるレース開催日だからなのさ」
「ほう、最強か……!」
そんな競技場の中に今、俺達はいる。
件の伝説をマオから教えて貰って。
だからこそこの熱狂ぶりがわかるというものだ。
なにせ今の会話さえ聞こえ辛くなるくらいに騒がしいからな。
皆、これから始まるレースに興奮を隠せないのだろう。
それに、この白熱ぶりはいつもよりもずっと火力マシだそうだ。
「しかも今日のS1は一味も二味も違うよ。なんたって出場選手が奇跡にも近い組み合わせだからね!」
「奇跡ってなにー?」
「ふふん、よぉくぞ聞いてくれた!」
するとテッシャの質問を聞いた途端、マオが躍り出る様に俺達の前へ。
クロ様をぶん回しつつクルリと振り返ると、大きな笑顔を見せつけてくれた。
「なんたって今日の試合には史上最強と呼ばれた二人のスカイプリンスが同時出場するんだ! 今まで不幸続きで成し遂げられなかった最高のカードさぁ! この瞬間を多くのファンが一体どれだけ待ち望んできた事か……!」
それで遂には両握り拳を胸元で奮わせていて。
「くぅ~!」と声を唸らせている所を見るに、彼女も相当なファンなんだな。
赤空界に住んでた理由がなんとなくわかったよ。
「けどね、私はこの勝敗が見えている!」
「「「えッ!?」」」
「なんたって昔は〝先見のマオ〟なんて呼ばれた事がある私だからねぇ。ふふ、あの時はだいぶ稼がせてもらったものさぁ」
そしてついでに荒稼ぎしていた訳か。
なるほど、人を見る目があるからこそ目利きが効くんだな。
つまりその千里眼で今日の予想をも当ててみせると。
俺は賭けに関しては全くの無知だ。
しかし達人が常識の範疇を越えた者という事は心から理解している。
だからこそ、賭けの達人たるマオにも何かが見えていると信じよう。
今のマオの言葉にはそう出来る程の〝強み〟があった。
このレースを知り尽くした、そう思わせるくらいのな。
ならもう後は運を天ではなく彼女に任せるだけだ。
「あ、でも全財産は要らないよ。せっかくだし皆も楽しみな。一口分づつ好きな選手に賭けるとかさ。レースはこれだけじゃあないからね。それに、今日はお祭りみたいなもんだから、ずっと緊張しっぱなしだった私達にゃいい刺激になると思うよぉ?」
更にこんな慈悲深いお言葉まで貰えば甘えない訳にもいかない。
おかげでノオン達は大喜びだ。
やはり祭りというのはここまで人の心を動かすもんなんだな。
聞いていた以上の盛り上がり具合だよ。
それにマオの言う事にも一理ある。
今日まで頑張って来た俺達なんだから今日くらいは騒いだっていい。
たまには今を忘れてレースに興奮するのもいいだろう。
マオがなんで今回のレースにこうも詳しいのかはこの際置いといて。
「だが俺はいい。よくわからないからな。俺の分はマオが回してくれ」
「まぁそう言いなさんなってぇ。何も考えずに買えばいいんだよ。ほら、あれが今日行われるレースの出場枠さ。あの表に書かれた選手を選ぶだけでいいんだ」
それで早速と、マオが試合前に色んな事を教えてくれた。
レースの仕組みや賭け方、これから何が起きるのかもな。
その聞いた話をざっくり説明するとこんな感じ。
これから始まるレースは【S1スカイレジェンド杯】というものらしい。
競技ランクS1を誇る選手達がトップを競うレースなのだとか。
出場するのはなんと総勢一八人の強豪達。
いずれも過去のレースで優秀な成績を残してきた者達だ。
そんな選手達が今日一日を掛けて五回ほど空を駆け巡るそう。
それで最も多く成績ポイントを稼いだ選手が優勝へ。
今年最強選手の称号である【フライハイアー】を冠する事が出来るという。
ちなみにその五回のレース個々に賭けが発生する。
なので一回目の配当率は決まっているが、二回目以降はまだ不明。
運営が戦況と機体状態、操縦士のメンタルを見て決めるそうな。
ただその数値はあくまで指標であって、絶対的な勝率ではない。
もちろん実力に従って精査した数値に違いはないが。
要は運営側による興行の一環だな。
だからプロの賭博師はこの数値だけで運営の感情が読み取れるらしい。
「この配当率は、勝てる確証が無いな」「この数値は絶対来る」って。
ま、何言ってるのかさっぱりわからなかったけども。
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