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第三章
第99話 神の目的
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ようやくフィーとニペルの主と対面出来たのだが。
それがまさか自らを神よばわりする様な変人だったとはな。
思ってもみない発言に、ノオン達共々困惑を隠せない。
ただ先の概念的隔たりといい、普通の存在でない事は確かだ。
それにこの街自体も普通の建築物と一線を画している。
こんな場所を造った存在ならば信じざるを得ないのかもしれない。
その目的を聞くまではとても安心なんて出来ないけどな。
「つまりアンタはこの世界の事を何から何まで知っている全知全能だと言いたいのか? そんな神などといきなり言われても信じられる訳が無いだろう」
「あぁそうか。君達の場合〝神〟と言われたら偶像神が思い浮かぶんだったね。久しく自己紹介していなかったからすっかり忘れていたよ」
「……違うのか?」
「うん、違うね。僕達はこの世界の始まるキッカケを創っただけに過ぎないんだ。だから君と同じで見て聴いた事しか知らないし、世界にどんな人々が生きているかも知らない。何だったら普通に死ぬし、こうして話を交わす事に楽しみを感じる事だって同じさ」
信憑性はともかく、言う事自体に理解は及ぶ。
少なくとも偶像でしかない世間の神なんかよりはずっとな。
祈った所で報いもしない奴なんて信じられる訳も無いだろう。
少なくとも俺達の様な混血は大概そう思っているんじゃあないか?
〝神なんざいるだけで差別さえ失くせない役立たずだ〟ってね。
「なので当然心を読むなんて事も出来はしないよ。ただ、昔からずっと人の顔を見て来たからある程度は察せるけれども。例えばアークィン、君は偶像神よりは信用出来るな、ってくらいには思っているんじゃないかい?」
「正解だ」
「いいね、そういう正直な所。誠意を見せれば信用してくれるって。おまけに飲み込みも早いから話が早くて助かるよ。フィーに聞いた通り、とても誠実で素敵だと思う」
とはいえコイツもコイツで胡散臭いが。
ずっと二人だから寂しかったんだろうか、やたらと口が軽い。
だからと言っていくら褒め殺そうとも無駄だ。
それくらい表情を見ればわかるだろう。
「悪いが余計な事を話している暇は無いんでな、本題に移らせてもらう。俺達を呼んだ理由はなんだ?」
「それは君達に僕の頼みを聞いてもらいたかったからさ。本当はノオン君達四人にお願いしようと思っていたんだけどね。そうしたらたまたま偶然君という逸材を見つけた様で、折角だからと連れてきてもらったのさ」
「つまりフィーはその案内役という訳か。ついでに選別も兼ねての」
「ご名答。おまけに言うと山登りも僕に会う為の試練なんだ。どこまで辿り着けるか、なんて力の指標を診る為の。だから本当は誰にも登れない様に創ったんだけどね。それをまさか素で登頂しちゃうなんて思いもしなかったよ」
こうやって褒めちぎりたいと思っている事は俺からでも読み取れるけども。
それだけ嬉しいんだろうさ。
こうして会話する事も、ノオン達が辿り着いた事も。
そして俺という存在が現れた事も。
……決して己惚れなんかじゃないぞ?
神の言う通りなら、俺は本来成し得ない事をやり遂げた訳だからな。
だから好奇心が湧いたんだろう。
〝選ばれなかった存在がどうしてここまでやれるのか〟とな。
「あと君の推測通りだよ。僕は君に大いな興味を抱いている。だから無理を言ってフィーとニペルに連れて来てもらったんだ。今までにも沢山の人を連れて来てもらったけれど、君ほどの人は見た事が無かったからね」
確かに俺は異質だろうさ。
単に言えば改造生物の様なモノだから。
この肉体は我が父によって徹底的に鍛え上げられ、限界をゆうに超えている。
なので自然の営みの中で生まれた様な存在とはちょっと違うんだ。
それに輝操術という特殊な力もあるしな。
ただ、父からはそんな神の話なんて聞いた事が無い。
あれだけ強かったのに選ばれなかったのだろうか。
そもそもなぜ選ぶ必要があるんだ?
……疑問が尽きそうにないな。
「それで一体どれくらいの長い間続けて来たんだ?」
「ん~、世界が虹空界と呼ばれる様になってからの、およそ三〇〇〇年くらいかな」
「さんぜん……ッ!? って事はも、もしかしてフィーもニペルもそれくらいの歳だったりするのか!?」
「いやいやまさか。僕ならいざ知らず、彼女達は【準生体】だから君達と同じくらいの寿命しかないよ」
「「「おぷらいと……?」」」
おまけに三〇〇〇年もこんな事を続けて来たというだから驚きだ。
それだけの間に一体どれだけの人間がこの地に訪れたと言うのか。
それにそんな途方も無い年月で繰り返している。
だからか、今度はフィーとニペルの存在が怪しくなってきたぞ。
そもそも何なんだ、その【オプライト】っていうのは……?
「昔ちょっとした試みを行ってね。僕達と原生体の細胞を掛け合わせた生物を造る事になったんだ。そうすれば僕達の姿も見えるし、原生体の理解も得る事が出来る。そう期待されて生まれたのが彼女達なんだ」
「「「ッ!?」」」
待て、それはどういう事だ!?
つまりフィーもニペルも、人として生まれた訳では無いのか!?
人でも獣人でも、混血でも無い存在、だと……ッ!?
「つまりは【神造生命体】――それが彼女達【準生体】なのさ」
その実態は、俺達の想像を遥かに絶していた。
まさか二人が造られた存在だったなどとはな……!
出生や境遇で驚かないとは思っていたが、これはさすがに無理な話だろう。
それがまさか自らを神よばわりする様な変人だったとはな。
思ってもみない発言に、ノオン達共々困惑を隠せない。
ただ先の概念的隔たりといい、普通の存在でない事は確かだ。
それにこの街自体も普通の建築物と一線を画している。
こんな場所を造った存在ならば信じざるを得ないのかもしれない。
その目的を聞くまではとても安心なんて出来ないけどな。
「つまりアンタはこの世界の事を何から何まで知っている全知全能だと言いたいのか? そんな神などといきなり言われても信じられる訳が無いだろう」
「あぁそうか。君達の場合〝神〟と言われたら偶像神が思い浮かぶんだったね。久しく自己紹介していなかったからすっかり忘れていたよ」
「……違うのか?」
「うん、違うね。僕達はこの世界の始まるキッカケを創っただけに過ぎないんだ。だから君と同じで見て聴いた事しか知らないし、世界にどんな人々が生きているかも知らない。何だったら普通に死ぬし、こうして話を交わす事に楽しみを感じる事だって同じさ」
信憑性はともかく、言う事自体に理解は及ぶ。
少なくとも偶像でしかない世間の神なんかよりはずっとな。
祈った所で報いもしない奴なんて信じられる訳も無いだろう。
少なくとも俺達の様な混血は大概そう思っているんじゃあないか?
〝神なんざいるだけで差別さえ失くせない役立たずだ〟ってね。
「なので当然心を読むなんて事も出来はしないよ。ただ、昔からずっと人の顔を見て来たからある程度は察せるけれども。例えばアークィン、君は偶像神よりは信用出来るな、ってくらいには思っているんじゃないかい?」
「正解だ」
「いいね、そういう正直な所。誠意を見せれば信用してくれるって。おまけに飲み込みも早いから話が早くて助かるよ。フィーに聞いた通り、とても誠実で素敵だと思う」
とはいえコイツもコイツで胡散臭いが。
ずっと二人だから寂しかったんだろうか、やたらと口が軽い。
だからと言っていくら褒め殺そうとも無駄だ。
それくらい表情を見ればわかるだろう。
「悪いが余計な事を話している暇は無いんでな、本題に移らせてもらう。俺達を呼んだ理由はなんだ?」
「それは君達に僕の頼みを聞いてもらいたかったからさ。本当はノオン君達四人にお願いしようと思っていたんだけどね。そうしたらたまたま偶然君という逸材を見つけた様で、折角だからと連れてきてもらったのさ」
「つまりフィーはその案内役という訳か。ついでに選別も兼ねての」
「ご名答。おまけに言うと山登りも僕に会う為の試練なんだ。どこまで辿り着けるか、なんて力の指標を診る為の。だから本当は誰にも登れない様に創ったんだけどね。それをまさか素で登頂しちゃうなんて思いもしなかったよ」
こうやって褒めちぎりたいと思っている事は俺からでも読み取れるけども。
それだけ嬉しいんだろうさ。
こうして会話する事も、ノオン達が辿り着いた事も。
そして俺という存在が現れた事も。
……決して己惚れなんかじゃないぞ?
神の言う通りなら、俺は本来成し得ない事をやり遂げた訳だからな。
だから好奇心が湧いたんだろう。
〝選ばれなかった存在がどうしてここまでやれるのか〟とな。
「あと君の推測通りだよ。僕は君に大いな興味を抱いている。だから無理を言ってフィーとニペルに連れて来てもらったんだ。今までにも沢山の人を連れて来てもらったけれど、君ほどの人は見た事が無かったからね」
確かに俺は異質だろうさ。
単に言えば改造生物の様なモノだから。
この肉体は我が父によって徹底的に鍛え上げられ、限界をゆうに超えている。
なので自然の営みの中で生まれた様な存在とはちょっと違うんだ。
それに輝操術という特殊な力もあるしな。
ただ、父からはそんな神の話なんて聞いた事が無い。
あれだけ強かったのに選ばれなかったのだろうか。
そもそもなぜ選ぶ必要があるんだ?
……疑問が尽きそうにないな。
「それで一体どれくらいの長い間続けて来たんだ?」
「ん~、世界が虹空界と呼ばれる様になってからの、およそ三〇〇〇年くらいかな」
「さんぜん……ッ!? って事はも、もしかしてフィーもニペルもそれくらいの歳だったりするのか!?」
「いやいやまさか。僕ならいざ知らず、彼女達は【準生体】だから君達と同じくらいの寿命しかないよ」
「「「おぷらいと……?」」」
おまけに三〇〇〇年もこんな事を続けて来たというだから驚きだ。
それだけの間に一体どれだけの人間がこの地に訪れたと言うのか。
それにそんな途方も無い年月で繰り返している。
だからか、今度はフィーとニペルの存在が怪しくなってきたぞ。
そもそも何なんだ、その【オプライト】っていうのは……?
「昔ちょっとした試みを行ってね。僕達と原生体の細胞を掛け合わせた生物を造る事になったんだ。そうすれば僕達の姿も見えるし、原生体の理解も得る事が出来る。そう期待されて生まれたのが彼女達なんだ」
「「「ッ!?」」」
待て、それはどういう事だ!?
つまりフィーもニペルも、人として生まれた訳では無いのか!?
人でも獣人でも、混血でも無い存在、だと……ッ!?
「つまりは【神造生命体】――それが彼女達【準生体】なのさ」
その実態は、俺達の想像を遥かに絶していた。
まさか二人が造られた存在だったなどとはな……!
出生や境遇で驚かないとは思っていたが、これはさすがに無理な話だろう。
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