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第六部~魔界争乱:来たる変化に備えて
9.二人の夜
「うちの父がすまなかった」
ソラノが頬を染めながら謝ってきた。
食事も終わり、俺とソラノはリビングルームのソファに隣り合って座っていた。
アダムは食事の後にテーブルでうとうとと眠りだし、エスラが寝室へと連れていっている。
「慣れない酒をあんなに飲むものだから」
ソラノがため息をついた。
「ソラノのお父さんも緊張していたんだろうな。正直言うと俺も料理の味がよく分からないくらいだったんだ」
「私もだ。テツヤが来ると聞いた時は驚いたぞ」
ソラノがそう言って微笑んだ。
「でもソラノのご両親に会えてよかったよ。一度あいさつしたいと思ってたんだ」
「そ、そうか?いつまでも子離れできない両親で恥ずかしいのだが…」
「そんなことないよ。ソラノが愛されて育ってきたというのがよくわかったよ。騎士隊に入ったソラノを心配するのだってよくわかるしね」
恥ずかしそうにうつむくソラノの頬が淡く朱に染まった。
「私の家系は代々軍人の家系で親族にも軍人が多いのだが父様は生まれつき体が弱くて軍人への道を諦めざるを得なくてな。私が騎士隊に入った時はそれは喜んでくれたのだが、それでもやはり心配らしい。今でもしょっちゅう連絡してくるのだ」
そう言って寝室の方を向いた。
その瞳には優し気な光が瞬いている。
「それはわかる気がするな。ソラノは真面目だし職務に入れ込みすぎる部分があるから心配なんだろうな。そういえばソラノはお父さん似かもしれないな」
「そうかあ?」
嫌そうな顔をしつつもソラノは少し嬉しそうだった。
「ああ、根が真面目な部分なんかそっくりだよ。お父さんはソラノが可愛くて仕方がないんだろうな。それにこんな可愛い子が男だらけの軍隊に入るとなったら誰だって心配するって」
「か、可愛いっ!?わわわ、私がか?」
ソラノの顔が真っ赤になった。
「ああ、そのドレスだってよく似合ってるよ。そうしているとまるでどこかのお姫様みたいだ」
「か、からかうのはよせ!」
耳まで真っ赤にしながらソラノが腕を伸ばして体を離そうとした。
その手を掴んで引き寄せる。
「からかってなんかいないさ。お父さんにとってもソラノはきっとお姫様なんだよ。俺にもその気持ちはわかる。ソラノがどこかの戦場に送られるとなったらきっと気が気じゃなくなるよ」
「ほ、本当か?本当に私のことを心配してくれるのか…?」
ソラノが驚いたようにこっちを見つめてきた。
「当たり前じゃないか。きっと夜も眠れなくなる、というかソラノが戦場に行くなら俺が一緒に行ってソラノを守る。約束する」
「テツヤ…」
ソラノが俺のシャツの胸元を掴んだ。
見上げるその眼が熱くうるんでいる。
うっすらと開かれたバラの花弁のような唇から甘い吐息が漏れている。
「ソラノ…」
ゆっくりとその唇に唇を近づけようとした時、誰かの視線を感じた。
扉の方を向くとエスラが顔を半分だけのぞかせているところだった。
「お、お、お、お母様…」
ソラノの頬が羞恥で真っ赤になっている。
「違うのよ、ソラノ。これは二人に飲み物でも持っていこうとしていたところなの。邪魔をするつもりはないから、どうぞ続きをしてちょうだい。母はあっちにいきますからね」
そう言って部屋に入ってくると何食わぬ顔でテーブルの上にお茶のセットを並べだした。
「さ、あとは若い二人に任せるわね。テツヤさん、今日はお泊りになるんでしょう?ソラノの部屋で良かったかしら?」
「お母さん!」
「おお怖い。それではゆっくりしていってくださいましね」
エスラはそう言って出ていった。
そして扉から出ていこうとする時にソラノの方に振り向いてウィンクをした。
「ソラノ、しっかりね!」
「おか…!」
ソラノが叫ぼうとした時にはエスラの姿は消えていた。
「~~~まったくあの人はっ」
ソラノが顔を真っ赤にして頭を抱えている。
「まあまあ、明るくていいお母さんじゃないか」
「あれは明るいというんじゃない。私をからかっているだけなのだ!」
「でもソラノの家が仲のいい家族で良かったよ。俺にはそういうのが憧れだからさ」
俺の言葉にソラノの動きが止まった。
しまった、つい口が。
「す、すまない。テツヤのことも考えずに私は…私は…!」
俺は狼狽するソラノの肩を掴んだ。
「いいんだ。こっちこそ余計な気を使わせちゃってごめん。知ってると思うけど俺は孤児院育ちだからさ。こういう温かな家族を見るのが嬉しいんだ。だからソラノが俺のこと気に病むことなんかないんだ。本当だよ」
「で、でも…」
ソラノの双眸から涙が溢れだす。
俺はそれを指で拭った。
「泣かなくてもいいって。むしろお礼を言いたいくらいなんだから。ソラノの家族は俺が思い描いていた家庭そのものだったからね。だからまた遊びに来てもいいかな?ご両親が了承してくれたらだけど」
「テツヤ…」
俺はソラノを抱き寄せると唇を重ねた。
薄いシャツ越しにソラノの体温を感じる。
「そ、それで…今日は泊っていくのか?わ、私は別に…構わないのだが…」
胸元を掴んだまま熱い息と共にソラノが小さく聞いてきた。
「お言葉に甘えて…と言いたいところだけど今日は止めておくよ。なんかゆっくりと休めそうにないからね」
扉の奥から二つの視線を感じながら俺は答えた。
「あ、の、二、人はぁぁぁ~~~」
ソラノがわなわなと震えている。
「じゃあ今日はこれでお暇するよ」
そう言って俺は立ち上がった。
「本当にまた来てくれるんだな?約束だぞ?」
ソラノも立ち上がって俺を見上げてきた。
「もちろんだ。今度はもっとゆっくりさせてもらうよ」
戸口で別れようとした時、ソラノが唇を重ねてきた。
それは一瞬触れたと思うとすぐに離れた。
「こ、この続きは次に来た時だからな。こ、今度は二人きりの時に来てくれ」
「ああ、絶対にまた来るよ」
「あら、もう帰っちゃったの?夜はまだこれからなのに」
「お母さま!誰のせいでこうなったと…」
「で、ど、どうなんだソラノ?彼とはどこまで…」
「父さん!」
ソラノ家の会話を背に俺は一人ゴルドの通りに足を進めた。
まだ夜は肌寒かったけど胸の奥に温かな炎が灯っている気分だった。
ソラノが頬を染めながら謝ってきた。
食事も終わり、俺とソラノはリビングルームのソファに隣り合って座っていた。
アダムは食事の後にテーブルでうとうとと眠りだし、エスラが寝室へと連れていっている。
「慣れない酒をあんなに飲むものだから」
ソラノがため息をついた。
「ソラノのお父さんも緊張していたんだろうな。正直言うと俺も料理の味がよく分からないくらいだったんだ」
「私もだ。テツヤが来ると聞いた時は驚いたぞ」
ソラノがそう言って微笑んだ。
「でもソラノのご両親に会えてよかったよ。一度あいさつしたいと思ってたんだ」
「そ、そうか?いつまでも子離れできない両親で恥ずかしいのだが…」
「そんなことないよ。ソラノが愛されて育ってきたというのがよくわかったよ。騎士隊に入ったソラノを心配するのだってよくわかるしね」
恥ずかしそうにうつむくソラノの頬が淡く朱に染まった。
「私の家系は代々軍人の家系で親族にも軍人が多いのだが父様は生まれつき体が弱くて軍人への道を諦めざるを得なくてな。私が騎士隊に入った時はそれは喜んでくれたのだが、それでもやはり心配らしい。今でもしょっちゅう連絡してくるのだ」
そう言って寝室の方を向いた。
その瞳には優し気な光が瞬いている。
「それはわかる気がするな。ソラノは真面目だし職務に入れ込みすぎる部分があるから心配なんだろうな。そういえばソラノはお父さん似かもしれないな」
「そうかあ?」
嫌そうな顔をしつつもソラノは少し嬉しそうだった。
「ああ、根が真面目な部分なんかそっくりだよ。お父さんはソラノが可愛くて仕方がないんだろうな。それにこんな可愛い子が男だらけの軍隊に入るとなったら誰だって心配するって」
「か、可愛いっ!?わわわ、私がか?」
ソラノの顔が真っ赤になった。
「ああ、そのドレスだってよく似合ってるよ。そうしているとまるでどこかのお姫様みたいだ」
「か、からかうのはよせ!」
耳まで真っ赤にしながらソラノが腕を伸ばして体を離そうとした。
その手を掴んで引き寄せる。
「からかってなんかいないさ。お父さんにとってもソラノはきっとお姫様なんだよ。俺にもその気持ちはわかる。ソラノがどこかの戦場に送られるとなったらきっと気が気じゃなくなるよ」
「ほ、本当か?本当に私のことを心配してくれるのか…?」
ソラノが驚いたようにこっちを見つめてきた。
「当たり前じゃないか。きっと夜も眠れなくなる、というかソラノが戦場に行くなら俺が一緒に行ってソラノを守る。約束する」
「テツヤ…」
ソラノが俺のシャツの胸元を掴んだ。
見上げるその眼が熱くうるんでいる。
うっすらと開かれたバラの花弁のような唇から甘い吐息が漏れている。
「ソラノ…」
ゆっくりとその唇に唇を近づけようとした時、誰かの視線を感じた。
扉の方を向くとエスラが顔を半分だけのぞかせているところだった。
「お、お、お、お母様…」
ソラノの頬が羞恥で真っ赤になっている。
「違うのよ、ソラノ。これは二人に飲み物でも持っていこうとしていたところなの。邪魔をするつもりはないから、どうぞ続きをしてちょうだい。母はあっちにいきますからね」
そう言って部屋に入ってくると何食わぬ顔でテーブルの上にお茶のセットを並べだした。
「さ、あとは若い二人に任せるわね。テツヤさん、今日はお泊りになるんでしょう?ソラノの部屋で良かったかしら?」
「お母さん!」
「おお怖い。それではゆっくりしていってくださいましね」
エスラはそう言って出ていった。
そして扉から出ていこうとする時にソラノの方に振り向いてウィンクをした。
「ソラノ、しっかりね!」
「おか…!」
ソラノが叫ぼうとした時にはエスラの姿は消えていた。
「~~~まったくあの人はっ」
ソラノが顔を真っ赤にして頭を抱えている。
「まあまあ、明るくていいお母さんじゃないか」
「あれは明るいというんじゃない。私をからかっているだけなのだ!」
「でもソラノの家が仲のいい家族で良かったよ。俺にはそういうのが憧れだからさ」
俺の言葉にソラノの動きが止まった。
しまった、つい口が。
「す、すまない。テツヤのことも考えずに私は…私は…!」
俺は狼狽するソラノの肩を掴んだ。
「いいんだ。こっちこそ余計な気を使わせちゃってごめん。知ってると思うけど俺は孤児院育ちだからさ。こういう温かな家族を見るのが嬉しいんだ。だからソラノが俺のこと気に病むことなんかないんだ。本当だよ」
「で、でも…」
ソラノの双眸から涙が溢れだす。
俺はそれを指で拭った。
「泣かなくてもいいって。むしろお礼を言いたいくらいなんだから。ソラノの家族は俺が思い描いていた家庭そのものだったからね。だからまた遊びに来てもいいかな?ご両親が了承してくれたらだけど」
「テツヤ…」
俺はソラノを抱き寄せると唇を重ねた。
薄いシャツ越しにソラノの体温を感じる。
「そ、それで…今日は泊っていくのか?わ、私は別に…構わないのだが…」
胸元を掴んだまま熱い息と共にソラノが小さく聞いてきた。
「お言葉に甘えて…と言いたいところだけど今日は止めておくよ。なんかゆっくりと休めそうにないからね」
扉の奥から二つの視線を感じながら俺は答えた。
「あ、の、二、人はぁぁぁ~~~」
ソラノがわなわなと震えている。
「じゃあ今日はこれでお暇するよ」
そう言って俺は立ち上がった。
「本当にまた来てくれるんだな?約束だぞ?」
ソラノも立ち上がって俺を見上げてきた。
「もちろんだ。今度はもっとゆっくりさせてもらうよ」
戸口で別れようとした時、ソラノが唇を重ねてきた。
それは一瞬触れたと思うとすぐに離れた。
「こ、この続きは次に来た時だからな。こ、今度は二人きりの時に来てくれ」
「ああ、絶対にまた来るよ」
「あら、もう帰っちゃったの?夜はまだこれからなのに」
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