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アランの舌がシャオの口内にはいった。
アランの舌は自身の口の中を這い回り、苦い味を確かめるように薬を舐めとっていく。
「んッ――、ふっ、んッ!」
抵抗することすらできなかった。
口の中の苦味がどうでもよくなるほどに、アランの舌はシャオの口内を侵していく。
――これを、どこかでッ……!!
この感触。どこかで体験したことがある。
今回が初めてでは無い。今まで何回か、したことある。
いつそんなことをしたのか全く覚えていない。だが、この行為をシャオの身体は確かに歓喜していた。
背筋が震え、身体の力が無くなる。
アランに口付けされたまま床に倒れこもうというとき、アランの腕がシャオを引っ張り、そのままベッドに引きずり込まれる。
気がつけばシャオはアランに押し倒される形となっていた。
アランの長い髪がシャオの頬に振れ、銀の瞳が呆然と見上げる自分を映した。
「あ、ある、じーー」
掠れた声で名前を呼ぶと、アランはシャオの唇を指でなぞり、不敵な笑みを浮かべた。
「別に、大して苦くないではないか」
「え、あ、あの……」
「少し、大人しくしていろ」
アランは器用に片手でシャオの手をまとめながら、もう片方の手でシャオの服のボタンを外していった。
どこでそんなこと覚えたのだろう。気がつけばシャオの胸は部屋の空気に晒されていた。
「はーー?」
今まで服の中に隠してあった肌が空気に触れたせいでシャオの体が震える。
それと同時に、アランにシャオのはだけた肌を見られているという羞恥心がシャオの体を内側から熱くした。
「な、なに……、あ、ある、じ――ッ!」
体を触るアランの指の動きにシャオの体は跳ねた。
腹や首を擽られるように撫ぜられ、シャオの身体は魚のように跳ねる。
「あ、ある、あるじ……。んぅ!」
こんなの自分ではない。逃げたいと心の底から願うが、アランの前では何の抵抗もできない。
ーーあぁ……、主が私に、触れて、いる……。
なぜこんな状況になっているのか全く分からないが、そんな疑問が全てどうでもよくなるくらい今の状況はシャオの頭を混乱させた。アランの指がシャオの胸の突起を掠るたびに、体が反応しシャオの喉からは甲高い声が鳴る。
「うっ、あっ……!はっ――! んッ!」
ーーう、うそ、うそだ、主が、私に触るなど……
これは夢だと思い込もうとするが、胸の突起を弾かれる度、アランの手がシャオの腹をさする度、今が現実なのだと非情に突きつける。
アランは何を考えているのか、もうシャオには分からない。
「あ、あるじっ、な、なぜ……!」
「……共にいたいのではないのか?」
「ッ!?」
確かにシャオはアランに褒美として傍に居たいといった。だが、それは変わらず従者としてこのままそばにいたいという意味で――、こんなことをする関係の傍ではない。
アランの舌は自身の口の中を這い回り、苦い味を確かめるように薬を舐めとっていく。
「んッ――、ふっ、んッ!」
抵抗することすらできなかった。
口の中の苦味がどうでもよくなるほどに、アランの舌はシャオの口内を侵していく。
――これを、どこかでッ……!!
この感触。どこかで体験したことがある。
今回が初めてでは無い。今まで何回か、したことある。
いつそんなことをしたのか全く覚えていない。だが、この行為をシャオの身体は確かに歓喜していた。
背筋が震え、身体の力が無くなる。
アランに口付けされたまま床に倒れこもうというとき、アランの腕がシャオを引っ張り、そのままベッドに引きずり込まれる。
気がつけばシャオはアランに押し倒される形となっていた。
アランの長い髪がシャオの頬に振れ、銀の瞳が呆然と見上げる自分を映した。
「あ、ある、じーー」
掠れた声で名前を呼ぶと、アランはシャオの唇を指でなぞり、不敵な笑みを浮かべた。
「別に、大して苦くないではないか」
「え、あ、あの……」
「少し、大人しくしていろ」
アランは器用に片手でシャオの手をまとめながら、もう片方の手でシャオの服のボタンを外していった。
どこでそんなこと覚えたのだろう。気がつけばシャオの胸は部屋の空気に晒されていた。
「はーー?」
今まで服の中に隠してあった肌が空気に触れたせいでシャオの体が震える。
それと同時に、アランにシャオのはだけた肌を見られているという羞恥心がシャオの体を内側から熱くした。
「な、なに……、あ、ある、じ――ッ!」
体を触るアランの指の動きにシャオの体は跳ねた。
腹や首を擽られるように撫ぜられ、シャオの身体は魚のように跳ねる。
「あ、ある、あるじ……。んぅ!」
こんなの自分ではない。逃げたいと心の底から願うが、アランの前では何の抵抗もできない。
ーーあぁ……、主が私に、触れて、いる……。
なぜこんな状況になっているのか全く分からないが、そんな疑問が全てどうでもよくなるくらい今の状況はシャオの頭を混乱させた。アランの指がシャオの胸の突起を掠るたびに、体が反応しシャオの喉からは甲高い声が鳴る。
「うっ、あっ……!はっ――! んッ!」
ーーう、うそ、うそだ、主が、私に触るなど……
これは夢だと思い込もうとするが、胸の突起を弾かれる度、アランの手がシャオの腹をさする度、今が現実なのだと非情に突きつける。
アランは何を考えているのか、もうシャオには分からない。
「あ、あるじっ、な、なぜ……!」
「……共にいたいのではないのか?」
「ッ!?」
確かにシャオはアランに褒美として傍に居たいといった。だが、それは変わらず従者としてこのままそばにいたいという意味で――、こんなことをする関係の傍ではない。
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