双子の妹に全てを奪われた令嬢は訳あり公爵様と幸せになる

甘糖むい

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クロディクス様らしい物と言えばなんだろうと考えるミシャルをほほえましい物を見る目でゼリヌは見つめていた。

ゼリヌはクロディクスよって作り出された人形だった。
薔薇の枝を使って作り出されたゼリヌはクロディクスから人間に必要な知識や言葉を与えれて、誰が見ても人間に見える使い魔としてミシャルに使える侍女の真似事を頼まれていた。

昨日から傍にお仕えして思ったのは、ミシャルはゼリヌよりもずっと物を知らないという事だった。
植物であったゼリヌでも知っている事を知らないミシャルは怯えた仕草一つとってもゼリヌには可愛く映っていた。
幼子のような様子を不安視してゼリヌを召喚したクロディクスの気持ちをすぐに察したゼリヌは出来るだけミシャルに怯えられないよに接するように心がけていた。

「あの、クロディクス様の耳飾りのお花はなんていうお花なんでしょうか?」

好みがわからないのであれば、身に着けた物を刺す事にした様子のミシャルに問われてゼリヌは自分が答えてよい物かと思案した。
主が殆ど自分の事を伝えていない状態でゼリヌが教えられる事はクロディクスの居場所くらいで細かな事は本人から直接聞いてもらうべきかと考えた。
特にクロディクスの呪いに関連する話はタブーではないものの、どこまでミシャルに教えてよいかまで確認を取らなくてはおいそれと口に出来ない物が多かった。

「それならクロディクス様に直接伺ってはどうでしょうか?本日は1日書庫で調べものをされていると伺っております」

実際に聞いたのはゼリヌの本体でもある薔薇達がクロディクスとリュークとの会話を聞いていたのだが、そこまで教える必要はないと判断してゼリヌはミシャルに提案をした。

「でも、私が伺ってご迷惑じゃないですか?」

ミシャルの不安そうな声にゼリヌが顔を覗き込むようにすると、ミシャルの黒い瞳が不安げに揺れてた。
目が合ってすぐさっと、顔色を変えたミシャルは俯いてその色を隠して怯えるように肩を震わせソファーから降りるとじゅうたんの上で身体を丸めた。
すぐにでも殴られてもいいような、慣れた動きで体罰を受け入れようとするミシャルの慣れた姿にゼリヌはこの姿になって初めて心を痛めた。

今までどんな目に合ってきたのかを察したゼリヌはその細い肩に手を置いてミシャルの身体を起き上がらせると、明るい声でミシャルに声をかけた。

「ミシャル様とお話出来ると主も喜びますよ、きっと」

無理矢理立ち上がらせられて、困惑した表情のミシャルと目を合わせてからゼリヌは最後のダメ押しとしてにっこりと微笑んだ。
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