26 / 77
25
しおりを挟む
クロディクス様らしい物と言えばなんだろうと考えるミシャルをほほえましい物を見る目でゼリヌは見つめていた。
ゼリヌはクロディクスよって作り出された人形だった。
薔薇の枝を使って作り出されたゼリヌはクロディクスから人間に必要な知識や言葉を与えれて、誰が見ても人間に見える使い魔としてミシャルに使える侍女の真似事を頼まれていた。
昨日から傍にお仕えして思ったのは、ミシャルはゼリヌよりもずっと物を知らないという事だった。
植物であったゼリヌでも知っている事を知らないミシャルは怯えた仕草一つとってもゼリヌには可愛く映っていた。
幼子のような様子を不安視してゼリヌを召喚したクロディクスの気持ちをすぐに察したゼリヌは出来るだけミシャルに怯えられないよに接するように心がけていた。
「あの、クロディクス様の耳飾りのお花はなんていうお花なんでしょうか?」
好みがわからないのであれば、身に着けた物を刺す事にした様子のミシャルに問われてゼリヌは自分が答えてよい物かと思案した。
主が殆ど自分の事を伝えていない状態でゼリヌが教えられる事はクロディクスの居場所くらいで細かな事は本人から直接聞いてもらうべきかと考えた。
特にクロディクスの呪いに関連する話はタブーではないものの、どこまでミシャルに教えてよいかまで確認を取らなくてはおいそれと口に出来ない物が多かった。
「それならクロディクス様に直接伺ってはどうでしょうか?本日は1日書庫で調べものをされていると伺っております」
実際に聞いたのはゼリヌの本体でもある薔薇達がクロディクスとリュークとの会話を聞いていたのだが、そこまで教える必要はないと判断してゼリヌはミシャルに提案をした。
「でも、私が伺ってご迷惑じゃないですか?」
ミシャルの不安そうな声にゼリヌが顔を覗き込むようにすると、ミシャルの黒い瞳が不安げに揺れてた。
目が合ってすぐさっと、顔色を変えたミシャルは俯いてその色を隠して怯えるように肩を震わせソファーから降りるとじゅうたんの上で身体を丸めた。
すぐにでも殴られてもいいような、慣れた動きで体罰を受け入れようとするミシャルの慣れた姿にゼリヌはこの姿になって初めて心を痛めた。
今までどんな目に合ってきたのかを察したゼリヌはその細い肩に手を置いてミシャルの身体を起き上がらせると、明るい声でミシャルに声をかけた。
「ミシャル様とお話出来ると主も喜びますよ、きっと」
無理矢理立ち上がらせられて、困惑した表情のミシャルと目を合わせてからゼリヌは最後のダメ押しとしてにっこりと微笑んだ。
ゼリヌはクロディクスよって作り出された人形だった。
薔薇の枝を使って作り出されたゼリヌはクロディクスから人間に必要な知識や言葉を与えれて、誰が見ても人間に見える使い魔としてミシャルに使える侍女の真似事を頼まれていた。
昨日から傍にお仕えして思ったのは、ミシャルはゼリヌよりもずっと物を知らないという事だった。
植物であったゼリヌでも知っている事を知らないミシャルは怯えた仕草一つとってもゼリヌには可愛く映っていた。
幼子のような様子を不安視してゼリヌを召喚したクロディクスの気持ちをすぐに察したゼリヌは出来るだけミシャルに怯えられないよに接するように心がけていた。
「あの、クロディクス様の耳飾りのお花はなんていうお花なんでしょうか?」
好みがわからないのであれば、身に着けた物を刺す事にした様子のミシャルに問われてゼリヌは自分が答えてよい物かと思案した。
主が殆ど自分の事を伝えていない状態でゼリヌが教えられる事はクロディクスの居場所くらいで細かな事は本人から直接聞いてもらうべきかと考えた。
特にクロディクスの呪いに関連する話はタブーではないものの、どこまでミシャルに教えてよいかまで確認を取らなくてはおいそれと口に出来ない物が多かった。
「それならクロディクス様に直接伺ってはどうでしょうか?本日は1日書庫で調べものをされていると伺っております」
実際に聞いたのはゼリヌの本体でもある薔薇達がクロディクスとリュークとの会話を聞いていたのだが、そこまで教える必要はないと判断してゼリヌはミシャルに提案をした。
「でも、私が伺ってご迷惑じゃないですか?」
ミシャルの不安そうな声にゼリヌが顔を覗き込むようにすると、ミシャルの黒い瞳が不安げに揺れてた。
目が合ってすぐさっと、顔色を変えたミシャルは俯いてその色を隠して怯えるように肩を震わせソファーから降りるとじゅうたんの上で身体を丸めた。
すぐにでも殴られてもいいような、慣れた動きで体罰を受け入れようとするミシャルの慣れた姿にゼリヌはこの姿になって初めて心を痛めた。
今までどんな目に合ってきたのかを察したゼリヌはその細い肩に手を置いてミシャルの身体を起き上がらせると、明るい声でミシャルに声をかけた。
「ミシャル様とお話出来ると主も喜びますよ、きっと」
無理矢理立ち上がらせられて、困惑した表情のミシャルと目を合わせてからゼリヌは最後のダメ押しとしてにっこりと微笑んだ。
151
あなたにおすすめの小説
何もしない公爵夫人ですが、なぜか屋敷がうまく回っています
鷹 綾
恋愛
辺境公爵カーネル・クリスの妻となったフィレ・バーナード。
けれど彼女は、屋敷を仕切ることも、改革を行うことも、声高に意見を述べることもしなかった。
指示を出さない。
判断を奪わない。
必要以上に関わらない。
「何もしない夫人」として、ただ静かにそこにいるだけ。
それなのに――
いつの間にか屋敷は落ち着き、
使用人たちは迷わなくなり、
人は出入りし、戻り、また進んでいくようになる。
誰かに依存しない。
誰かを支配しない。
それでも確かに“安心できる場所”は、彼女の周りに残っていた。
必要とされなくてもいい。
役に立たなくてもいい。
それでも、ここにいていい。
これは、
「何もしない」ことで壊れなかった関係と、
「奪わない」ことで続いていった日常を描く、
静かでやさしい結婚生活の物語。
一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました
しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、
「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。
――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。
試験会場を間違え、隣の建物で行われていた
特級厨師試験に合格してしまったのだ。
気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの
“超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。
一方、学院首席で一級魔法使いとなった
ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに――
「なんで料理で一番になってるのよ!?
あの女、魔法より料理の方が強くない!?」
すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、
天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。
そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、
少しずつ距離を縮めていく。
魔法で国を守る最強魔術師。
料理で国を救う特級厨師。
――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、
ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。
すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚!
笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。
「可愛げがない」と婚約破棄された公爵令嬢ですが、領地経営をしていたのは私です
希羽
恋愛
「お前のような可愛げのない女との婚約は破棄する!」
卒業パーティの会場で、婚約者である第二王子デリックはそう宣言し、私の義妹ミナを抱き寄せました。 誰もが私が泣き崩れると思いましたが――正直、せいせいしました。 だって、王子の領地経営、借金返済、結界維持、それら全ての激務を一人でこなしていたのは「可愛げのない」私だったのですから。
「承知しました。では、あとはミナと二人で頑張ってください」
私は手切れ金代わりに面倒な仕事を全て置いて国を出ました。 すると、国境で待っていたのは、隣国ガルガディア帝国の冷徹皇太子ことクライド様。なぜか彼は私を溺愛し、帝国で最高の地位と環境を与えてくれて……。
婚約破棄された夜、最強魔導師に「番」だと告げられました
有賀冬馬
恋愛
学院の祝宴で告げられた、無慈悲な婚約破棄。
魔力が弱い私には、価値がないという現実。
泣きながら逃げた先で、私は古代の遺跡に迷い込む。
そこで目覚めた彼は、私を見て言った。
「やっと見つけた。私の番よ」
彼の前でだけ、私の魔力は輝く。
奪われた尊厳、歪められた運命。
すべてを取り戻した先にあるのは……
学園では婚約者に冷遇されていますが、有能なので全く気になりません。〜学園でお山の大将されてても、王宮では私の方が有能ですから〜
織り子
恋愛
王都カラディナにある国立魔術学園では、満十六歳の生徒たちの社交界デビューを兼ねた盛大なパーティーが開かれていた。
侯爵令嬢タレイア・オルトランは、婚約者である第二王子アスラン・オグセリアの迎えを待つも、結局ひとりで会場へ向かうことになる。
学園では身分の差がないとはいえ、アスランが公然とタレイアを侮辱し続けてきたことで、彼女は生徒たちから冷笑と蔑視の的となっていた。しかしタレイアは、王城で政務を担ってきた聡明さと矜持を失わず、毅然と振る舞う。
【完結】嫌われ公女が継母になった結果
三矢さくら
恋愛
王国で権勢を誇る大公家の次女アデールは、母である女大公から嫌われて育った。いつか温かい家族を持つことを夢見るアデールに母が命じたのは、悪名高い辺地の子爵家への政略結婚。
わずかな希望を胸に、華やかな王都を後に北の辺境へと向かうアデールを待っていたのは、戦乱と過去の愛憎に囚われ、すれ違いを重ねる冷徹な夫と心を閉ざした継子だった。
婚約破棄をされ、父に追放まで言われた私は、むしろ喜んで出て行きます! ~家を出る時に一緒に来てくれた執事の溺愛が始まりました~
ゆうき
恋愛
男爵家の次女として生まれたシエルは、姉と妹に比べて平凡だからという理由で、父親や姉妹からバカにされ、虐げられる生活を送っていた。
そんな生活に嫌気がさしたシエルは、とある計画を考えつく。それは、婚約者に社交界で婚約を破棄してもらい、その責任を取って家を出て、自由を手に入れるというものだった。
シエルの専属の執事であるラルフや、幼い頃から実の兄のように親しくしてくれていた婚約者の協力の元、シエルは無事に婚約を破棄され、父親に見捨てられて家を出ることになった。
ラルフも一緒に来てくれることとなり、これで念願の自由を手に入れたシエル。しかし、シエルにはどこにも行くあてはなかった。
それをラルフに伝えると、隣の国にあるラルフの故郷に行こうと提案される。
それを承諾したシエルは、これからの自由で幸せな日々を手に入れられると胸を躍らせていたが、その幸せは家族によって邪魔をされてしまう。
なんと、家族はシエルとラルフを広大な湖に捨て、自らの手を汚さずに二人を亡き者にしようとしていた――
☆誤字脱字が多いですが、見つけ次第直しますのでご了承ください☆
☆全文字はだいたい14万文字になっています☆
☆完結まで予約済みなので、エタることはありません!☆
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる