極悪ヒロインVS性悪妹の争いは見てて飽きないむしろもっとやれ

みさにゃんにゃん

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第1部

その30 兄の帰還

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屋敷に到着すると唯ならぬ緊張が玄関前からしていた。

奴はもう既に中にいる…。

もしこの場で銃があれば一種のガンゲームみたいにちょっとワクワクするが…これはワクワクしねぇよ心臓キュって掴まれるみたいに圧迫感半端ない。

それくらい奴は手強い相手ということだ。


はい、シリアス終わりここから通常運転に切り替えよう、私シリアスは似合わない女だから。

「お姉様から先にお入りになって? お姉様なんだから」

「理由になってはいないけどその代わり逃げたら兄様に言いつけるからね」

「酷いわお姉様! いつもそうやってマリアをいじめるんですわぁ!」

何言ってんだこいつ…まあ、バカは放っておいて玄関のドアを開くと正面ホールの階段で仁王立ちで立っている男がいた。

「随分早かったね2人とも」
 
貼り付けたような嘘の笑顔を向けゆっくりと階段を下る人物こそが我々の…

「兄様…」

「今この時間帯は学校だと聞いているけど…? どういうことなのかな?」


アーサー兄はポンっとマリアンナの肩に手を置くとマリアンナは「ヒィッ」と小さく悲鳴をあげ肩をビクッと震わせた。

へいへいーいピッチャービビって…関係ねえーな。
とりあえずフォローを入れて置いてやるか。

「兄様、申し訳ございませんマリアンナが兄様が帰ってくるという情報を今し方聞いて兄様に久しぶり会えると思い急いで帰宅した所存でございます。」

どうだ…ここまではお兄ちゃん大好きな妹二人が授業抜け出してまで兄に会いに帰ってきた健気な感じが出てるけど、マリアンナのあの様子じゃ疑われるよな…。
 
「へぇ、リリアナは僕に一刻も早く会いたかった・・・・・・・・・・・・んだ?」

違うそうじゃないマリアンナのフォローだがそんなことは言えずつい「はい」と答えてしまった。

「マリアンナは? さっきから一向に僕と目を合わせてくれない・・・・・・・・・・・・けど…どうしてかな?」

「そ……れは…っ」

「姉のリリアナは僕に会いたかったって言ってるけどマリアンナはどうなのかな?僕に会いたかった?会いたくなかった?」

もしここでマリアンナが「会いたくなかった」と言ってしまえばマリアンナはおしおきコースまっしぐら、まあ自業自得だけど流石のマリアンナも馬鹿ではない(馬鹿だけど)さあ、マリアンナなんて言うんだ?

妙に緊張感が走る…なんで家の玄関で既にファイナルアンサー状態になってんだミ〇オ〇アか?

「どうなの? マリアンナ」

マリアンナ早う答えんかいアーサー兄がちょっとイラついてるから、それに気づかずマリアンナは俯いて怯えてるけど。

「あ…あ………ああ……」

カ〇ナシ?

「あ……あ…会いたかった……ですわ…」

最後まで目を合わせず俯いて結局嘘ついたがまあ、問題はないとは思うが……。

チラリと兄の方に視線を向けると穏やかに笑っているが首の血管が浮き出てる。

あ…キレてる。

マリアンナどんまーい。



✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼

リリアナ達のお兄ちゃん出しちゃいました。
「どういうキャラなの?」とか「どうして今まで出てこなかったの?」という疑問があるかと思いますが次のお話で明らかになります。

鬼畜キャラ上手くできるかな…
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