極悪ヒロインVS性悪妹の争いは見てて飽きないむしろもっとやれ

みさにゃんにゃん

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第1部

その39 落ち着けもちつけ

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さてと、参ったなアーサーにここまでベッタリメイリンちゃんにくっつかれると(そんなにくっついてないけど)イベントミッションのことを聞けない。

肝心のメイリンは最推しのアーサーが隣にいてそれどころじゃないみたいだけど…。

「あ、そうだ2人とも喉乾いてない? 僕買ってくるよ」

「えっそんな悪いです」

「いいから2人とも紅茶かコーヒーどっちがいい?」

「私は紅茶をお願いしますわ。」

「あ…えっと、コーヒーでその角砂糖5つとミルクを多めに…」

紅茶飲めなくてあえてゲロ甘なコーヒーに選択を搾ったな。

「分かったよ、すぐ戻ってくるからそこのベンチで大人しく座って待っててね」

アーサーは笑顔で飲み物を買いに走り去って行った。
「大人しく座ってろ」って子供じゃないんだから…。
いや、アーサー自身からしてみれば我々は子供ということか?

「リリアナ様…どうしましょう…」

流石のメイリンちゃんもイベント発生させられなくて戸惑ってるみた…

「アーサー様とのデートすごく楽しいです!」

「はぁん?」

いや、ちょっと待て?この前までリチャードのイベントミッション解放するんだって息巻いてなかった?
アーサーが急遽加わったことによって掌返しよったぞこの女!

「いや、あのヤンヌさんイベントのことで悩んでいたのでは?」

「そ…それもありますが…でも私の真横に最推しが隣を歩いてニコニコしてるって…どんなご褒美ですか!
生前私はもし星乙女の世界に行けるならば彼のピアスになりたい!とか彼のオープンフィンガーグローブになりたいと思ってましたし!」

指ぬきグローブってオープンフィンガーグローブって言うんだ…知らなかった…。

「それくらいアーサー様が好きなんです!愛してますキャーー!」

「ハイハイ、少し落ち着きなさいよ もし今ここで彼が聞いていたら卒倒して喜んでるわよ」

「そして優しく包容されてこう言うんですよね「僕も君を愛している、僕の瞳に映るのは世界でただ1人君だけさ」とか言ってとか言ってチュー!ってされるんですよキャー!」

それってアーサーエロルートの前座のシーンじゃね?

とにかくこの恋するハッスルバカを止めないと道行く人に変な目で見られる…。

メイリンちゃんを少し落ち着かせていると数人の男たちが私たちを取り囲んだ。

「君たち な~にしてんの?」

「暇なら俺らと遊ぶ? なんなら楽しいことしてやってもいいけど?」

なんだコイツら…メイリンちゃんならともかく私が誰だか知らないで話しかけてる? だとすると相当舐められてんな、ここは悪役令嬢としての本領発揮だな。
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