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後ろ手で縛られている為、危険なく入るのも困難だ。
まだしっかりと座りきっていないうちに美和は私の髪を掴んだ。
「はい、しっかり洗うわよ」
美和は高らかに笑い声を上げて言うと同時に、私の頭を湯舟に潜るよう押さえつける。
何度も、何度も。
問答無用で面白がって行うなんて、美和に人の心はないのか。
いや、あったなら前回の人生であんな非道な事は出来ない。
私はずっと……ずっと人間扱いなんてされていないのだ。
タイミングを間違えてぬるま湯を吸い込み、むせていても関係なく、ぬるま湯に顔を沈められ続けていれば、呼吸もやっとの状態になる。
苦しい。
苦しくて、もう嫌になる。
「私の服まで水浸しになったじゃない!」
自分でやった事なのに私が怒られる理不尽さ。
これも当たり前で、いつもの事だったという事を思い出す。
「しっかし汚いわね。匂いもまだあるみたいだし……適当にこするしかないか」
ゾっとする言葉と共に、問答無用でタオルより硬い何かで肌を無理矢理こすられる。
傷口が裂ける。
痣になっているだろう部分にも強い力が加わり、痛みで声にならない悲鳴が口から飛び出す。
痛みから逃れようと身をよじるも、狭い浴槽らしきものの中では無意味だし、縛られた手では抵抗も出来ない。
ただ、為すがままになるしかなく、痛みに耐えていれば美和は気分を良くしたのか、小さく笑って洗う手の力が少し弱まった。
「いい気味よね。なんでも持ってるお嬢様が、私にこんな扱いされるなんて」
なんでも持ってる……? 何を言っているんだ。
そう悪態を付きたくても、今は大人しくしていた方が良いと判断をして、ただ聞くだけ人形へと徹する。
「どう? 私に色んな物を奪われて。惨めな庶民の気持ちが分かったでしょ? いい勉強になってるんじゃない?」
何を言っているんだ。
確かに家は資産を持っているし、古くから続く旧家的存在でお嬢様と言われるかもしれないが、私は庶民的な生活しかしていない。
それでも惨めだなんて思った事はないというのに。
何が勉強だ。
コンプレックスを植え付けられ、奪われ、人権なんて無視されて。
ただの虐め。
むしろ根付けられたものを考えたら、洗脳に近いのではないかとさえ思う。
美和は狂っているのでは、そう思った時だった。
「私の方が明るくて美人なのに! あんたが親の七光りで目立つのが本当に腹立つ!」
悲痛な叫び声を上げる美和。
確かに出会った時はまだ幼く、親の存在が子どもにまで影響する場合もあった。
美和の親も美しかったけれど、その頃は確かにお嬢様と呼ばれていた時期だったかもしれない。
まだしっかりと座りきっていないうちに美和は私の髪を掴んだ。
「はい、しっかり洗うわよ」
美和は高らかに笑い声を上げて言うと同時に、私の頭を湯舟に潜るよう押さえつける。
何度も、何度も。
問答無用で面白がって行うなんて、美和に人の心はないのか。
いや、あったなら前回の人生であんな非道な事は出来ない。
私はずっと……ずっと人間扱いなんてされていないのだ。
タイミングを間違えてぬるま湯を吸い込み、むせていても関係なく、ぬるま湯に顔を沈められ続けていれば、呼吸もやっとの状態になる。
苦しい。
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傷口が裂ける。
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痛みから逃れようと身をよじるも、狭い浴槽らしきものの中では無意味だし、縛られた手では抵抗も出来ない。
ただ、為すがままになるしかなく、痛みに耐えていれば美和は気分を良くしたのか、小さく笑って洗う手の力が少し弱まった。
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「どう? 私に色んな物を奪われて。惨めな庶民の気持ちが分かったでしょ? いい勉強になってるんじゃない?」
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