【完結】婚約破棄された令息を婿に迎えますが、その人は私の最推しです!

かずきりり

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「あ~もう! 絶対! 絶対絶対! 嫌だ!!」

 収まらない怒りのまま、私はベッドへと突っ伏した。
 冗談じゃない! 私に貴族令嬢は無理だし、結婚だってしたくない! そもそも目標があるというのに!

『貴族令嬢も大変ね。家出するの?』
「もはや家出が一番良い選択肢に思える」

 真っ赤な羽根をバサリと羽ばたかせ、私の枕元にやって来た、尾の長い鳥が話す。

『本当に面白い』
「クレハ、私の観察そんな楽しい?」

 器用に笑う鳥は、私の魂が面白いと言って、ずっと私に付いて来ているのだ。
 だから私は紅羽という漢字から、クレハという名前をつけた。
 そう、漢字。
 私は日本という国で過ごした前世の記憶があるのだ。

『いっそ王城を消し炭にしてやろうか? ソフィアの目的はノエルという者だけだろう?』
「そうよ! だから駄目! ノエル様まで消し炭になるじゃない!」

 ガバッとベッドから顔をあげると、私は自室から繋がっている小さな倉庫のような一室へと向かった。

「あぁ……ノエル様……貴方の幸せの為に頑張ります!」
『……』

 この部屋には、黄緑の髪とオレンジの瞳を持つ男の人の絵や人形がビッシリと飾られている。
 私が作ったり手配した、ノエル様グッズだ。

 ――ここは、前世でプレイしていたゲームの世界。

 記憶が戻り、それに気が付いたのは、魔物の森でスタンピートが発生しかけた時だ。
 幼い私は見事その周辺で遊んでいたわけなのだが……面白い魂を持つ娘だと言って助けてくれたクレハがいなければ、私は間違いなく死んでいただろう。
 奇しくも、ゲームで私の最推しであるノエル様と同じように!!

『悪役令息とか言う人なのに、そこまで好きになるものなの?』
「冤罪だからね! 攻略対象じゃないけど、もうドストライクなの!」

 唯一前世の事を話せる相手として、クレハには昔から色々と知っている。というか教えこんだというか、覚えてしまっているとも言う。

「よし! 魔物の森へ狩りに行くかー!」

 とりあえずストレス発散に魔物をボコりに行こうと、私は付けていた髪を外した。

 ソフィア・マリアック。それが今の名前だ。
 だが日本の記憶がある私には、貴族令嬢というのは難しいというか馴染まない。
 令嬢ならば綺麗な長い髪が当たり前なのに、私は赤い髪を肩まで切り落とし、つけ毛を作るという手段に出たのだ。まさに令嬢あるまじき行為。
 15歳なのに、少し幼く見え、紫の瞳は大きく、鼻は小さい。
 見事父親に似た可愛い系なのだが、手足はスラっと伸びつつも低身長なので小柄な小動物系とも言えるだろう。
 ……外見だけは。
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