【完結】悪役令息の義姉となりました

かずきりり

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 ここはアサノヨ国。
 中世のようなドレスを来た貴族階級に、石造りの建物。 科学なんてものは存在しなくて、自然と共存しているような世界。
 だけれど、ここには魔法というものが存在している。

 魔術を得意とし、魔術師を輩出する一族、セフィーリオ公爵家。
 武術を得意とし、騎士団長を輩出する一族、アールトン公爵家。
 文術を得意歳、宰相を輩出する一族、ファミリア家。

 この三家のみが公爵という爵位を授かっており、三大公爵家と呼ばれている。
 そして、それを束ねているのが国王陛下だ。

 そのうちのひとつ、セフィーリオ魔術公爵家の第一子として生まれた、ミア・セフィーリオ公爵令嬢が私である。
 産まれた時から、この世界にはないものや知らない景色や物が脳裏に過る事は度々あったし、妙な既視感に襲われる事もあった。
 小さい内は塑像力が豊かなのだと、引きつりながらも言う大人達だったが、それも大きくなるにつれ、幻覚の類ではないかと言われるようになった。
 おかげで私は、そんな記憶を底に封じるかのように、誰かに向けて言う事はなくなったのだけれど……その原因が、五歳となる年で判明した。

「今日から家で住む事になった、ルイスだ」

 お父様が連れて来た、同じ歳の子ども。
 私とお母様は、あまりに突然の事で少しだけ小首を傾げたのだけれど、いち早く正気に戻ったのは、お母様だった。

「一緒に住む……とは?」

 いつも優しく穏やかなお母様から発せられた、感情を伴わない、低く冷淡な声。
 その声に、お父様だけでなく、私や周囲の使用人達もビクリと肩を跳ね上げさせた。
 お母様の表情は、いつも以上に無となっており感情なんて読めない。ただ、目だけはお父様を射貫くように鋭い冷気を伴っているようだ。

 ――お父様の隠し子? 公爵家を乗っ取るつもり!?

 既に跡継ぎ教育にも入っていた私は、睨みつけるように、その子を見た。
 何も映していないような瞳に、お母様とお父様の冷戦にも何も動じていない様子で、ただ無関心といった言葉が似合う。
 そんなルイスに、自分の居場所を取られるのかもしれないと、嫉妬が怒りとなってカッと燃え上がりそうになった瞬間、私の脳裏に色んな情報が映し出された。

 自然は伐採され、絶滅危惧種なんてものが多数あり、人間が住みやすいけれど動物は住みにくい。地球は温暖化され、年々上昇していく気温。
 鉄の塊が早く走り、空を飛び、海を渡る。ネット環境というもので人々は繋がっており、そして……ゲームがある。

 ――ここ、乙女ゲームの世界だ。
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