20 / 83
20
しおりを挟む
むしろ婚約者でした! そうでした!
期間限定だと思うのだけれど。
「義姉上、俺と踊ってくれませんか?」
軽く飲み食いしていれば、もうダンスの時間らしい。
ルイスに差し出された手を取るか……未だにヒロインは現れていない。
ここで断るのも、義姉……いや、婚約者としてどうよ? エスコートされているわけだし。
――と、考えたのも、ほんのわずか。
居ないヒロインの事を考えても仕方ない!
ここはルイスに恥をかかせない事が重要だ。
「はいっ!」
私はルイスの手に自分の手を乗せる。
嬉しそうにするルイスの顔を見て、私は幸せを感じる。ルイスの喜びは私の幸せだ。
正直言うなら、ルイスのダンススチルを現実で見て、目に焼き付けたかったのだけれど……ルイスと踊れるなんて、それもそれで良いのでは?
リアルにルイスと触れ合うダンス。
ルイスの体温や力強さ……そして匂いを合法的に拝めるダンス!
息遣いまで感じられる、思った以上の密着具合に、今この瞬間を密封したいとまで願ってしまう。……どういった道具があれば、そういうの作れるんですかねー!?
ルイスの口から吐き出された息が四散されるなんて……勿体ない!
――バタンッ!
ありえない現実に蕩けていれば扉の開く大きな音が響き、そちらに意識と視線を向ければ、ピンクのロングへアに、可愛らしいドレスを来た女の子が入場口からパーティ会場を見下ろしていた。
――ヒロイン、マリー・クレトン子爵令嬢だ!
私はダンスのステップではなく、嬉しさから軽く飛び跳ねてしまったのだけれど、立ち止まったルイスにより、その胸の中へ顔面からダイブした。
うん、ごちそうさまです胸筋!
喜びから少し冷静さを取り戻した私は、そこで音楽が止まっている事や、周囲の人達もダンスを止めて騒めいている事に気が付いた。
そうだ。名を呼ばれる事もない途中入場ならば、静かに誰にも悟られないよう入るものなのだ。
思いっきり初日から、ヒロインならではの無邪気さ出てますかー!?
しかし、こんなシーンなんて覚えがない。
「気に食わない……」
ボソリと呟いたルイスの言葉に顔を上げて表情を見れば、鋭い目つきでヒロインの居る方向を睨みつけている。
何で!? 恋に落ちるのは、いつだっけ!?
と、ヒロインの方に顔を向ければ、何故か視線が合ったような……しかも、思いっきり睨みつけられてませんかね!?
しかも私の方を睨みつけながら、パーティ会場へと歩いていませんかねー!?
え? なんで? どうしてだ?
私、何かイベント忘れていたっけ?
期間限定だと思うのだけれど。
「義姉上、俺と踊ってくれませんか?」
軽く飲み食いしていれば、もうダンスの時間らしい。
ルイスに差し出された手を取るか……未だにヒロインは現れていない。
ここで断るのも、義姉……いや、婚約者としてどうよ? エスコートされているわけだし。
――と、考えたのも、ほんのわずか。
居ないヒロインの事を考えても仕方ない!
ここはルイスに恥をかかせない事が重要だ。
「はいっ!」
私はルイスの手に自分の手を乗せる。
嬉しそうにするルイスの顔を見て、私は幸せを感じる。ルイスの喜びは私の幸せだ。
正直言うなら、ルイスのダンススチルを現実で見て、目に焼き付けたかったのだけれど……ルイスと踊れるなんて、それもそれで良いのでは?
リアルにルイスと触れ合うダンス。
ルイスの体温や力強さ……そして匂いを合法的に拝めるダンス!
息遣いまで感じられる、思った以上の密着具合に、今この瞬間を密封したいとまで願ってしまう。……どういった道具があれば、そういうの作れるんですかねー!?
ルイスの口から吐き出された息が四散されるなんて……勿体ない!
――バタンッ!
ありえない現実に蕩けていれば扉の開く大きな音が響き、そちらに意識と視線を向ければ、ピンクのロングへアに、可愛らしいドレスを来た女の子が入場口からパーティ会場を見下ろしていた。
――ヒロイン、マリー・クレトン子爵令嬢だ!
私はダンスのステップではなく、嬉しさから軽く飛び跳ねてしまったのだけれど、立ち止まったルイスにより、その胸の中へ顔面からダイブした。
うん、ごちそうさまです胸筋!
喜びから少し冷静さを取り戻した私は、そこで音楽が止まっている事や、周囲の人達もダンスを止めて騒めいている事に気が付いた。
そうだ。名を呼ばれる事もない途中入場ならば、静かに誰にも悟られないよう入るものなのだ。
思いっきり初日から、ヒロインならではの無邪気さ出てますかー!?
しかし、こんなシーンなんて覚えがない。
「気に食わない……」
ボソリと呟いたルイスの言葉に顔を上げて表情を見れば、鋭い目つきでヒロインの居る方向を睨みつけている。
何で!? 恋に落ちるのは、いつだっけ!?
と、ヒロインの方に顔を向ければ、何故か視線が合ったような……しかも、思いっきり睨みつけられてませんかね!?
しかも私の方を睨みつけながら、パーティ会場へと歩いていませんかねー!?
え? なんで? どうしてだ?
私、何かイベント忘れていたっけ?
1,123
あなたにおすすめの小説
悪役令息の婚約者になりまして
どくりんご
恋愛
婚約者に出逢って一秒。
前世の記憶を思い出した。それと同時にこの世界が小説の中だということに気づいた。
その中で、目の前のこの人は悪役、つまり悪役令息だということも同時にわかった。
彼がヒロインに恋をしてしまうことを知っていても思いは止められない。
この思い、どうすれば良いの?
【完結】悪役令嬢は何故か婚約破棄されない
miniko
恋愛
平凡な女子高生が乙女ゲームの悪役令嬢に転生してしまった。
断罪されて平民に落ちても困らない様に、しっかり手に職つけたり、自立の準備を進める。
家族の為を思うと、出来れば円満に婚約解消をしたいと考え、王子に度々提案するが、王子の反応は思っていたのと違って・・・。
いつの間にやら、王子と悪役令嬢の仲は深まっているみたい。
「僕の心は君だけの物だ」
あれ? どうしてこうなった!?
※物語が本格的に動き出すのは、乙女ゲーム開始後です。
※ご都合主義の展開があるかもです。
※感想欄はネタバレ有り/無しの振り分けをしておりません。本編未読の方はご注意下さい。
遊び人の令嬢が目を付けたのは、私の真面目な婚約者でした
おいどん
恋愛
子爵家の令嬢エリーネと伯爵家の次男のノルトが婚約を結んだのは、半年前だった。
真面目で優秀なノルトに相応しい婚約者であろうとするものの、エリーネには自信がなかった。
ある日、遊び人と噂の令嬢べルティーナとノルトが共にいるところを見てしまう。
「真面目クンは壁さえ破っちゃえばこっちのもんだからね〜」
「きっと、彼女の美しさに嫉妬しているのだわ…」
「…今度は、ちゃんと言葉にするから」
【完結】転生したので悪役令嬢かと思ったらヒロインの妹でした
果実果音
恋愛
まあ、ラノベとかでよくある話、転生ですね。
そういう類のものは結構読んでたから嬉しいなーと思ったけど、
あれあれ??私ってもしかしても物語にあまり関係の無いというか、全くないモブでは??だって、一度もこんな子出てこなかったもの。
じゃあ、気楽にいきますか。
*『小説家になろう』様でも公開を始めましたが、修正してから公開しているため、こちらよりも遅いです。また、こちらでも、『小説家になろう』様の方で完結しましたら修正していこうと考えています。
【完結】冤罪で殺された王太子の婚約者は100年後に生まれ変わりました。今世では愛し愛される相手を見つけたいと思っています。
金峯蓮華
恋愛
どうやら私は階段から突き落とされ落下する間に前世の記憶を思い出していたらしい。
前世は冤罪を着せられて殺害されたのだった。それにしても酷い。その後あの国はどうなったのだろう?
私の願い通り滅びたのだろうか?
前世で冤罪を着せられ殺害された王太子の婚約者だった令嬢が生まれ変わった今世で愛し愛される相手とめぐりあい幸せになるお話。
緩い世界観の緩いお話しです。
ご都合主義です。
*タイトル変更しました。すみません。
【完結】私ですか?ただの令嬢です。
凛 伊緒
恋愛
死んで転生したら、大好きな乙女ゲーの世界の悪役令嬢だった!?
バッドエンドだらけの悪役令嬢。
しかし、
「悪さをしなければ、最悪な結末は回避出来るのでは!?」
そう考え、ただの令嬢として生きていくことを決意する。
運命を変えたい主人公の、バッドエンド回避の物語!
※完結済です。
※作者がシステムに不慣れかつ創作初心者な時に書いたものなので、温かく見守っていだければ幸いです……(。_。///)
※ご感想・ご指摘につきましては、近況ボードをお読みくださいませ。
《皆様のご愛読に、心からの感謝を申し上げますm(*_ _)m》
【完結】名前もない悪役令嬢の従姉妹は、愛されエキストラでした
犬野きらり
恋愛
アーシャ・ドミルトンは、引越してきた屋敷の中で、初めて紹介された従姉妹の言動に思わず呟く『悪役令嬢みたい』と。
思い出したこの世界は、最終回まで私自身がアシスタントの1人として仕事をしていた漫画だった。自分自身の名前には全く覚えが無い。でも悪役令嬢の周りの人間は消えていく…はず。日に日に忘れる記憶を暗記して、物語のストーリー通りに進むのかと思いきや何故かちょこちょこと私、運良く!?偶然!?現場に居合わす。
何故、私いるのかしら?従姉妹ってだけなんだけど!悪役令嬢の取り巻きには絶対になりません。出来れば関わりたくはないけど、未来を知っているとついつい手を出して、余計なお喋りもしてしまう。気づけば私の周りは、主要キャラばかりになっているかも。何か変?は、私が変えてしまったストーリーだけど…
【完結】断罪された悪役令嬢は、全てを捨てる事にした
miniko
恋愛
悪役令嬢に生まれ変わったのだと気付いた時、私は既に王太子の婚約者になった後だった。
婚約回避は手遅れだったが、思いの外、彼と円満な関係を築く。
(ゲーム通りになるとは限らないのかも)
・・・とか思ってたら、学園入学後に状況は激変。
周囲に疎まれる様になり、まんまと卒業パーティーで断罪&婚約破棄のテンプレ展開。
馬鹿馬鹿しい。こんな国、こっちから捨ててやろう。
冤罪を晴らして、意気揚々と単身で出国しようとするのだが、ある人物に捕まって・・・。
強制力と言う名の運命に翻弄される私は、幸せになれるのか!?
※感想欄はネタバレあり/なし の振り分けをしていません。本編より先にお読みになる場合はご注意ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる