【完結】悪役令息の義姉となりました

かずきりり

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 デートだなんて! そんなの恐れ多い!
 一緒に街歩きをした事は、幼い時に何度もあるけれど! そ……そんな今更この歳でデートだなんて! デートと言わないで!
 と、思ってました。先ほどまでは、恥ずかしさと申し訳なさで頭がパニックでしたよ。

「義姉上?」

 貴族らしくない、ラフな格好に身をつつみ、いつもと違った雰囲気を纏うルイス。香水なんて貴族らしいものもつけていなくて、ただルイスの純粋な香りが鼻腔につく。
 馬車という狭い空間に大感謝しながら、至近距離でルイスを目に焼き付けて……。

「義姉上、つきましたよ?」

 時間が短い!
 折角、合法的かつ当然のようにルイスの香りに包まれていたというのに! どうしてこんなに距離が短いのだ!
 ……ルイスと遠出すれば、この香りに包まれる時間も長くなるのか……良い!

「どうぞ、義姉上」

 心の中で泣きつつも、新たな邪な願いを湧き起こさせていれば、馬車の外からルイスがエスコートの為に手を差し伸べてくれている。
 ルイスの温もり! 合法的におさわりできる!
 気持ちはルイスの手に飛びつくように、しかしきちんと淑女らしくエスコートされる公爵令嬢らしく、馬車から下りる。
 動きやすい!
 私もルイスと同じようにラフな格好なのだ。やはりドレスなんかよりは、ラフな格好の方が性に合う。

「アクセサリーでも見に行きますか?」

 王都の街並みに、ラフな格好のルイス。萌える! 良い!
 しかし、ルイスの後光で王都の街並みなぞ、かすんで見えるわ!
 そんな事を考えながらも、私の思考は現実的なわけで……。

「ウィンドウショッピングをしながら、まずは文具店にでも行きたいのだけれど……」

 まぁ、どうせ壊されるか隠されるだろうけれど、持っていて損はない。
 むしろ、無くなった時の為に予備が大量に必要となる。

「良い文具でも仕立てますか……?」
「使えれば良いのよ」
「義姉上……」

 愛着を沸かせる気もないし、お気に入りのものが壊されでもしたら悲しいだけだもの。
 所詮は消耗品と割り切っているのだけれど、ルイスはどこか悲しそうな瞳で私を見つめる……のだけれど、一瞬歯ぎしりの音が聞こえた。
 何か怒ってるようだけど、私は本当にルイス推し活グッズというか、ルイスグッズの文房具以外であればどうでも良いのよ。
 ルイスグッズを壊されたら問答無用でぶん殴りますけどね?
 命を持って償いなさいと!

「なら文具店を目指して……義姉上、はぐれないように手を」

 恐れ多いですー! と、断る前に、私はルイスに手を繋がれて引っ張られた。
 うぉおお! ルイスの温もり! あぁ! 汗が! 手汗がー!
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