【完結】悪役令息の義姉となりました

かずきりり

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 今や本当の家族のようになっている。大事な家族の一員だ。
 産みの親より育ての親と言う言葉もあるけれど、王弟殿下は隠れてルイスに会っているようだし、頻繁に手紙のやり取りもしている。
 王族の血が流れているから仕方なくな部分もあるかもしれないけれど……。

 ――あれだけ愛し合っていた二人が親なのだ。

 親世代では知らない程に有名で。
 そして、それを貫いた二人としてルイスが居る。
 ゲームではルイスの為、一緒に儚くなった王弟殿下だからこそ、愛する人との子どもに対しての愛も惜しみない事が分かるのだ。

「……ルイスに聞いてみよう」

 ぐるぐると一人考えていたところで、当事者の気持ちが分からないのであれば堂々巡りだ。
 もしかして本心を言わないかもしれないけれど、目を見て仕草に気が付く事が出来れば、何か掴み取れるかもしれない。
 大事なのはルイスの気持ちだ。
 ルイスを……推しを幸せにしなければ私の幸せなんてない!

「ルイス?」

 思い立ったら行動と、すぐにルイスの部屋へ行ったけれど、ノックや声かけに何の反応もない。

「失礼します……?」

 眠っているのかなと思い、扉を開いてみれば、中は真っ暗だ。
 そろそろと室内へ足を踏み入れ、ベッドやソファの上を確認する為に目をこらしてみたけれど、そこに人影はない。

「どこに行ったのだろう……」

 夜も更け始め、邸も寝静まる頃だ。
 余計に不安で心が締め付けられそうになったが、ふと香りが鼻腔についた。
 そう、ここはルイスの部屋である。ルイスの物に囲まれた、ルイスの王城と言って良い。

 ――常にルイスが居る場所!

「スゥウウウウウ」

 呼吸の事なんて忘れて、ただ鼻から息を吸い続ける。というか、ルイスの香りを堪能する。
 そして目の前にはルイスがいつも眠っているベッド。

 ――飛び込みたい!

 けれど、そんな事をしては、はしたない。
 葛藤と戦いながら、ただただ香りを堪能しまくる横では、ルイスの私物を思わず一つ手に入れたいなんて邪な思いが生まれてくる。
 ……出来れば使用済みハンカチなんかが良いのだけれど。
 本音を言えば、匂いの染み付いた服……いやいや、そのベッドシーツが代えていなければ!
 香りに酔わされて、ふらふらとソファへと近づき腰掛けると、そのまま倒れ込む。

「あ、ルイスの匂い最高……」

 ソファに顔を埋めるようにすれば、ルイスの香りに包まれているかのようだ。
 ゲームでは知る事のなかった、私の大好きな匂い。
 視覚と聴覚だけでなく、触角と嗅覚で、 現実にルイスが居ると知る事が出来るのだ。
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