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昔、デザインの学校へ行っていた時に言われた言葉だ。
安く叩きあげられる、質の悪い客と仕事をするのではなく、成果に見合った客を相手にしろと。
デザインと配信を一緒にしてはいけないと思うのだけれど、どこかでそうならないのだろうかと考えてしまえば、それが思考を支配した。
――どうして、止めないのだろう。
――何故、放置するのだろう。
そんな時、タイミングが良いのか、それとも悪いのか。ロイさんからのメッセージが届く。
『次の配信でして欲しい事とかあるー?』
何で、こんなに呑気なのだろうと苛立ちが募った。
今まで愛しくて恋しくて、尊敬する大事な人で。やり取りする時間をとても大切にしていたのに。
『自分の動画についたコメントって、見た?』
波風立たず、楽しい事だけやり取りしていたのだけれど、今の私に心の余裕はないのだろう。
送らずとも良い事を送ってしまったと分かっているけれど、もう止められなかった。
『え? どれだろ』
『ファン同士、牽制しあってるよね。配信でもそうだけど』
『そうなの? あれ、牽制?』
『しかも、今回のコメントで、まいまい離れたみたいだよね』
『そうか。仕方ないねー。コインも沢山貰ってたし、いっぱい視聴者連れてきてくれてたんだけど』
一体、何でこんなに他人事なのだろう。確かに他人の事ではあるけれど、ロイさんは配信主でもあるだろう。
どうして、こんなにも呑気なのか。
視聴者は画面の向こう側に居る存在だ。けれど、ちゃんと今、現実として存在している生身の人間なのだ。私だって、今をちゃんと生きている。
『べびぃどぉるって何なの?』
『一体、何が言いたいわけ?』
ロイさんの、いつもと違う不機嫌漂う文面に、言わなくて良い事まで送ったと理解したけれど、止まらなかった。
『仲良さげだよね』
『だから、何が言いたいの。ハッキリ言って』
『見ていて不愉快なんだよね。彼女なら彼女とか言えば良いのに』
『彼女じゃないし。そんな事実ではない事を勘繰られても不愉快。俺じゃどうしようもない事を言われても困る』
『注意もしないの?』
『そんな事くらいで? しかも俺が悪いわけじゃないし、そこまで怒られる意味もわからない。ご飯誘っても会わないのに、何でそんな口出すわけ? 意味わかんないよ』
『その後ホテルに誘われて、すんなり会うわけないでしょう!』
これ以上ないくらい胸に痛みが走り、呼吸の仕方を忘れる。
私はスマホをベッドへ投げつけた。もぅ、これ以上やり取りをしたくないし、見たくもない。ロイさんからも、それ以上通知音が鳴る事もなかった。
安く叩きあげられる、質の悪い客と仕事をするのではなく、成果に見合った客を相手にしろと。
デザインと配信を一緒にしてはいけないと思うのだけれど、どこかでそうならないのだろうかと考えてしまえば、それが思考を支配した。
――どうして、止めないのだろう。
――何故、放置するのだろう。
そんな時、タイミングが良いのか、それとも悪いのか。ロイさんからのメッセージが届く。
『次の配信でして欲しい事とかあるー?』
何で、こんなに呑気なのだろうと苛立ちが募った。
今まで愛しくて恋しくて、尊敬する大事な人で。やり取りする時間をとても大切にしていたのに。
『自分の動画についたコメントって、見た?』
波風立たず、楽しい事だけやり取りしていたのだけれど、今の私に心の余裕はないのだろう。
送らずとも良い事を送ってしまったと分かっているけれど、もう止められなかった。
『え? どれだろ』
『ファン同士、牽制しあってるよね。配信でもそうだけど』
『そうなの? あれ、牽制?』
『しかも、今回のコメントで、まいまい離れたみたいだよね』
『そうか。仕方ないねー。コインも沢山貰ってたし、いっぱい視聴者連れてきてくれてたんだけど』
一体、何でこんなに他人事なのだろう。確かに他人の事ではあるけれど、ロイさんは配信主でもあるだろう。
どうして、こんなにも呑気なのか。
視聴者は画面の向こう側に居る存在だ。けれど、ちゃんと今、現実として存在している生身の人間なのだ。私だって、今をちゃんと生きている。
『べびぃどぉるって何なの?』
『一体、何が言いたいわけ?』
ロイさんの、いつもと違う不機嫌漂う文面に、言わなくて良い事まで送ったと理解したけれど、止まらなかった。
『仲良さげだよね』
『だから、何が言いたいの。ハッキリ言って』
『見ていて不愉快なんだよね。彼女なら彼女とか言えば良いのに』
『彼女じゃないし。そんな事実ではない事を勘繰られても不愉快。俺じゃどうしようもない事を言われても困る』
『注意もしないの?』
『そんな事くらいで? しかも俺が悪いわけじゃないし、そこまで怒られる意味もわからない。ご飯誘っても会わないのに、何でそんな口出すわけ? 意味わかんないよ』
『その後ホテルに誘われて、すんなり会うわけないでしょう!』
これ以上ないくらい胸に痛みが走り、呼吸の仕方を忘れる。
私はスマホをベッドへ投げつけた。もぅ、これ以上やり取りをしたくないし、見たくもない。ロイさんからも、それ以上通知音が鳴る事もなかった。
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