【完結】ネットゲームで知り合った配信者に恋をした

かずきりり

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「もぉ、無理かもしれない」

 涙が一筋零れ落ちた。
 今まで、色々と我慢して、言いたい事も言わずに、楽しい時間だけを共有していた。それが何より楽しくて幸せな時間だった。
 だけど、それも出来ない程に、私は苦しくて悲しくて仕方ないという気持ちが勝ってしまったのだ。
 忘れるかのように、私はゲームを起動して、いつものメンバーが居る事を確認した。

 しぃ:もぉ無理。
 あすやん:どうした!?
 りっぷ:あちゃ~。何か深刻? パーティ申請するねー!
 あすやん:私も入れろ! あと、シン坊も!
 シン:いや、まぁ暇してるけども……。

 ギルドチャットに打ち込めば即座に返事をくれ、パーティ申請してくれた。
 私は先ほどあった事を全てパーティチャットに打ち込んだ。心の闇を晴らすかのように、一心不乱に説明をしている間は、誰もチャットに打ち込まず聞いてくれた。

 あすやん:呑気だなぁ……。
 りっぷ:いやまぁ、言いたくないけど、ここまでくるとクズ?
 シン:呆れるしかない。
 あすやん:ファンの統率くらいして欲しいもんだ。
 りっぷ:それは難しいんじゃない? でも、注意とかは出来るよね。前してくれてたし。
 シン:言う程の事でもないって話だろ。
 あすやん:しぃが不快感感じてるのに?
 シン:その程度って事。前はたまたまロイさんも嫌だったから言っただけじゃね?

 心にズシリと鉛が乗ったような感覚だ。

 しぃ:嫌われた……。

 こちらも、もう嫌だ! という気持ちもあったけれど、嫌われたと思えば、もぉ全てどうでも良くなる。

 りっぷ:もぉ諦める?
 あすやん:連絡しまくるか?w
 シン:ブロックされそうじゃね?

 もぅ、これで終わりなのだろうと思う。友達だけでなく、ファンとしても。
 何て事を送ったのだろう、我慢すれば良かったのにと思う気持ちはあれど、後悔していない自分も居る。

 しぃ:後悔はしてない、けれどやるせない。全部どうでも良い。
 あすやん:不安定だな~。
 シン:イキロ。
 りっぷ:生きて。

 率直な気持ちを言えば心配されるのは分かっていたけれど、やはり言わずにいられない。気持ちを吐き出すように文字へ打ち込み、自分の中にある感情を整理していくように。

 しぃ:どうせ嫌われてるなら、会ってみれば良かったかなぁ。
 あすやん:会え。そこまで行ったなら一度会ってみろ! ご尊顔を拝んで来い!
 りっぷ:草w 進む事や戻る事も出来ない状態なら、打破するのには会う位でも良いんじゃない?
 シン:遊ばれるなよ……ホテル連れ込まれそうで心配だわ。
 しぃ:しない!
 シン:断れなさそうだから良いけど、病気貰ってくるなよ?
 あすやん:持ってそう……。
 りっぷ:遊んでそう……。
 しぃ:肝に銘じます……。
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