【完結】ネットゲームで知り合った配信者に恋をした

かずきりり

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 ネット内とはいえ、長く友達をしていたが故に、お互いをよく知っているとも言えるから分かる事だ。

『このゲーム、しぃ楽しめてるか? 他のゲーム探すか?』

 タイミング良く、シンからもスマホにメッセージが入った。私がゲームにログインだけして、何もしていない事が分かったのだろう。

『タンク方面で思案中! グラフィック綺麗だから頑張りたい!』
『そっか。攻略サイト少し探ってみるわ』
『ありがとう~!』

 それだけで、もっと頑張ろうと楽しみを得てしまう私は単純なのだろう。僅かに灯る楽しいという感情が、今の私にはとても必要なものだ。

「真剣に向き合う……か」

 少し思案した後、私は思い切って文章を打って送った。

『どこかへ出かけない?』

 シンプルな誘い。言い訳じみた事や理由づけを全て省いたら、こうなった。しかし、シンから即座に返事が来なくて、私は迷惑だった? 都合良く扱うなと怒っている? なんて嫌な思考がグルグル巡った。
 ゲームの相談をしたくて、なんて送れば良かったのかなんて後悔しつつ、文章を打っていれば返事が来た。

『喜んで! どこか行きたいとこでもある? したい事とか。なければ何か探してみようか?』

 その後に続いて、今やっている映画やテーマパークのスクショが送られてきた。シンなりに色々考えてくれていたのだろう。
 軽蔑されていない事に安堵して、会う日や時間などを決めて行った。
 忘れられたら……忘れられれば良い。ロイさんの事を。そして、今ある楽しさや幸せな気持ちを大事に出来たら良い。
 弱くてネガティブな自分に、さよならをしたい。そんな気持ちを表すかのように、私はゲームをログアウトすると同時にパソコンの電源を落とした。



 ◇



「詩帆~! こっち」
「ちゃんと駅まで行けるのに」
「迷いそうで心配だから」

 週末、今日は少し遠出した観光地で、食べ歩きでもしようかとなったのだけれど、またしても慎司は私の最寄り駅まで迎えに来た。

「心配性すぎ」

 苦笑しつつ電車へ向かう。慎司は私が人の波にのまれないよう、前を歩いてくれ、電車に乗る時も端へと誘導して押しつぶされないようにしてくれる。

「慎司、紳士だね~」
「何それ。言葉遊び?」
「いや、違う!」

 一文字違いである事に、言った後で気が付いた。名前まで口に出さなくて良かったのではないかと慌て焦るも、そっぽを向いた慎司の耳が少し赤く染まっているのを見つけて、私も気恥ずかしさに俯いてしまう。
 照れ隠しでふざけたのか。
 そう思ってしまえば、私まで顔が染まりそうだ。

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