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ロイさんをブロックしてから三ヵ月が経とうとしている。
胸の痛みはまだ残ったままだけれど、どこか色あせていっているようで。でも、まだロイさんの動画を見てしまいたい欲求を、必死に我慢している状態だ。
「かんぱーい!」
「おつかれー!」
金曜の仕事終わり。あれから慎司と気軽に会うようにはなり、今日は焼き鳥を食べに居酒屋へとやってきた。
ごくごくとビールを一気飲みする慎司に驚きつつ、私はチビチビと舐めるように飲む。こうやって夜に会うのは初めてだ。
「すいませーん!」
飲み干すと同時に手を上げて店員を呼ぶ慎司。
「おかわりで」
「あ、豆腐サラダと焼き鳥盛り合わせ。あとレバーに砂肝、ししとうと銀杏を。慎司もいる?」
「いや、焼き鳥盛り合わせとポテトで」
ぶんぶんと首を振る慎司に、レバーは苦手なのかなと思った。意外と苦手な人が多い部位だ。私みたいに好きな人は好きなのだが。あ、ししとうや銀杏もそうか。
焼き鳥をリクエストしたのは私で、慎司はももと揚げ物でビールを流し込んでいる。もはや食べるというより飲む事がメインとなっていると言っても過言ではないだろう。
「お酒好きなの?」
「折角の週末! 詩帆と一緒だし、飲まないと損だろ!」
それもそうかと、私もビールを飲みほした後は梅酒をロックで頼む。普段のストレスはネットゲームで解消していると言っても、お酒は別だ。
リアルでの知り合いのように、仕事の愚痴も垂れ流す。あえてネットでの事は一切触れない。
食べて、愚痴って、お酒を飲んでいれば気分もどんどん高揚していく。
「ほら詩帆、飲みすぎ」
そう言って慎司が差し出してきた水を手にとり、一気に喉へ流し込んだ。
慎司のペースが早いためか、私もついペースを上げて飲んでいたようだ。とても気分が良い。
「そろそろ出るぞー」
二時間程経っていただろうか。慎司がそう言って帰り支度を始めたので、私も後について店を出た。
けれど、正直まだ飲みたい。酔っているのだろうけど、物凄く気分が良いのだ。
「詩帆ー? 送るわ」
「え、やだ。帰りたくない」
ふらついた私の肩を掴んで支えてくれた慎司に、率直な意見を返しながら顔を見上げる。そこには、真剣な表情をした慎司が居た。
「……俺に、そういう事言うの?」
だって、まだ飲みたいもん。という言葉を飲み込んだ。
真剣に向き合うと決めた相手だ。そして、私は慎司に告白もされている。
安易なセリフを吐いたという自責の念もあったけれど、慎司と一緒に居るのは楽しいという気持ちが天秤にかかる。
胸の痛みはまだ残ったままだけれど、どこか色あせていっているようで。でも、まだロイさんの動画を見てしまいたい欲求を、必死に我慢している状態だ。
「かんぱーい!」
「おつかれー!」
金曜の仕事終わり。あれから慎司と気軽に会うようにはなり、今日は焼き鳥を食べに居酒屋へとやってきた。
ごくごくとビールを一気飲みする慎司に驚きつつ、私はチビチビと舐めるように飲む。こうやって夜に会うのは初めてだ。
「すいませーん!」
飲み干すと同時に手を上げて店員を呼ぶ慎司。
「おかわりで」
「あ、豆腐サラダと焼き鳥盛り合わせ。あとレバーに砂肝、ししとうと銀杏を。慎司もいる?」
「いや、焼き鳥盛り合わせとポテトで」
ぶんぶんと首を振る慎司に、レバーは苦手なのかなと思った。意外と苦手な人が多い部位だ。私みたいに好きな人は好きなのだが。あ、ししとうや銀杏もそうか。
焼き鳥をリクエストしたのは私で、慎司はももと揚げ物でビールを流し込んでいる。もはや食べるというより飲む事がメインとなっていると言っても過言ではないだろう。
「お酒好きなの?」
「折角の週末! 詩帆と一緒だし、飲まないと損だろ!」
それもそうかと、私もビールを飲みほした後は梅酒をロックで頼む。普段のストレスはネットゲームで解消していると言っても、お酒は別だ。
リアルでの知り合いのように、仕事の愚痴も垂れ流す。あえてネットでの事は一切触れない。
食べて、愚痴って、お酒を飲んでいれば気分もどんどん高揚していく。
「ほら詩帆、飲みすぎ」
そう言って慎司が差し出してきた水を手にとり、一気に喉へ流し込んだ。
慎司のペースが早いためか、私もついペースを上げて飲んでいたようだ。とても気分が良い。
「そろそろ出るぞー」
二時間程経っていただろうか。慎司がそう言って帰り支度を始めたので、私も後について店を出た。
けれど、正直まだ飲みたい。酔っているのだろうけど、物凄く気分が良いのだ。
「詩帆ー? 送るわ」
「え、やだ。帰りたくない」
ふらついた私の肩を掴んで支えてくれた慎司に、率直な意見を返しながら顔を見上げる。そこには、真剣な表情をした慎司が居た。
「……俺に、そういう事言うの?」
だって、まだ飲みたいもん。という言葉を飲み込んだ。
真剣に向き合うと決めた相手だ。そして、私は慎司に告白もされている。
安易なセリフを吐いたという自責の念もあったけれど、慎司と一緒に居るのは楽しいという気持ちが天秤にかかる。
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