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第一章
24.辺境へ送られる
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「贈り人メグミ! あなたには辺境へと行ってもらう!」
枢機卿と贈り人達、そしてそれに連なる護衛騎士達が集められた場で、王太子殿下は声高々に宣言した。
辺境……? 辺境って、そのままの意味だよね?
というか、贈り人としての力は国にとって有益なものではないのかと、頭の中を疑問符が駆け巡る。
「お……王太子殿下! 発言をお許し下さい!! 贈り人相手にそれは……聖女候補でもありますし!」
必死の形相で異議を唱えたのはロランだ。
「しかし、メグミは帰る事にしか興味がないと聞く。マナーの授業は受けず、ずっと力を磨くだけならば、辺境の地でのびのびとしてもらった方が良いのでは?」
「しかし、同郷の者達と切磋琢磨をしていればこそ……」
「元の世界へしがみ付いているのもメグミのみと聞く……それは、あまりにも危険ではないか?」
「それは……」
王太子の言葉に必死で食いついていたロランだが、ぐうの音も出なくなった。
良い言葉で飾っているようだが、そんなに帰りたいと願うのは駄目な事だろうか。いや、国にとって都合良く扱えないから……か?
ロランの態度から、辺境へ行く事はあまり良くない事に思える。
「……別にそれでいいけど」
「メグミ様!?」
手を口にあてて、しばらく何かを考えこんでいた恵は、小さく頷いて発した言葉にロランが驚きの表情を見せた。
「あなた辺境なんて、ただの田舎ですよ!?」
「私は聖女になりたいわけではないから。学べるならどこでも良いわ」
必死に止めようとするロラン。それをものともしない恵。
恵は帰る事という一択にしか重きを置いていないから、田舎や街とか、娯楽や食事なんて関係ないのだろう。どんな言葉にも靡かない。
「おぉっ! メグミ様は物分かりが良い。辺境でゆっくりしていただけば良いので」
にこやかな王太子。苦痛な表情をしているものの、止める事のない枢機卿。
……枢機卿でも止められない事なのか。
元の世界へ帰りたいという思いは、そんなにもいけない事なのだろうか。
「そんな……くそ! こんな筈じゃ!」
ロランは納得いかないと、口調が荒く険しい表情となる。
それを王太子は見逃さなかった。
「……何だ? 不満か? ロラン・コントラ―侯爵令息」
ビクリとロランは身体を揺るがす。
ロランは護衛騎士だ。国に仕えている身だからこそ、王太子に逆らえる筈などない。
「それは……」
「護衛騎士の役目を放棄するとでも……?」
「っ!」
自分の仕事を放りだすのかと、そういう事なのだろう。
ロランは悔しそうに唇を噛みしめた後、いいえと小さく呟いた。
枢機卿と贈り人達、そしてそれに連なる護衛騎士達が集められた場で、王太子殿下は声高々に宣言した。
辺境……? 辺境って、そのままの意味だよね?
というか、贈り人としての力は国にとって有益なものではないのかと、頭の中を疑問符が駆け巡る。
「お……王太子殿下! 発言をお許し下さい!! 贈り人相手にそれは……聖女候補でもありますし!」
必死の形相で異議を唱えたのはロランだ。
「しかし、メグミは帰る事にしか興味がないと聞く。マナーの授業は受けず、ずっと力を磨くだけならば、辺境の地でのびのびとしてもらった方が良いのでは?」
「しかし、同郷の者達と切磋琢磨をしていればこそ……」
「元の世界へしがみ付いているのもメグミのみと聞く……それは、あまりにも危険ではないか?」
「それは……」
王太子の言葉に必死で食いついていたロランだが、ぐうの音も出なくなった。
良い言葉で飾っているようだが、そんなに帰りたいと願うのは駄目な事だろうか。いや、国にとって都合良く扱えないから……か?
ロランの態度から、辺境へ行く事はあまり良くない事に思える。
「……別にそれでいいけど」
「メグミ様!?」
手を口にあてて、しばらく何かを考えこんでいた恵は、小さく頷いて発した言葉にロランが驚きの表情を見せた。
「あなた辺境なんて、ただの田舎ですよ!?」
「私は聖女になりたいわけではないから。学べるならどこでも良いわ」
必死に止めようとするロラン。それをものともしない恵。
恵は帰る事という一択にしか重きを置いていないから、田舎や街とか、娯楽や食事なんて関係ないのだろう。どんな言葉にも靡かない。
「おぉっ! メグミ様は物分かりが良い。辺境でゆっくりしていただけば良いので」
にこやかな王太子。苦痛な表情をしているものの、止める事のない枢機卿。
……枢機卿でも止められない事なのか。
元の世界へ帰りたいという思いは、そんなにもいけない事なのだろうか。
「そんな……くそ! こんな筈じゃ!」
ロランは納得いかないと、口調が荒く険しい表情となる。
それを王太子は見逃さなかった。
「……何だ? 不満か? ロラン・コントラ―侯爵令息」
ビクリとロランは身体を揺るがす。
ロランは護衛騎士だ。国に仕えている身だからこそ、王太子に逆らえる筈などない。
「それは……」
「護衛騎士の役目を放棄するとでも……?」
「っ!」
自分の仕事を放りだすのかと、そういう事なのだろう。
ロランは悔しそうに唇を噛みしめた後、いいえと小さく呟いた。
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