【完結】異世界へ五人の落ち人~聖女候補とされてしまいます~

かずきりり

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第二章

02.これからを考えて

 辺境から戻ってきた私達は、ひとつの事を協力してやり遂げたという事からか、更に仲間意識のようなものが芽生えた……感じにも見える。

「見てるとウィルの方が幼さを感じるような……」
「キィ様は遊び方を知らないような所がありますからね」

 子どもが遊ぶ所を見て微笑ましく思うけれど、琴子は相変わらずキィとは距離を保っている。
 一緒に居るとはいえ、仲良しこよし、なんて事にはなっていない。
 恵の件があったからか、どうにか枢機卿や護衛騎士たちが和ませようと努力しているようにしか見えないのは、私が捻くれているのか。
 それでも……まぁギスギスして険悪な雰囲気になるくらいなら、今の空気が良い。

「そろそろ果物も冷えた頃でしょう」
「食べましょうか」

 デイルとアンドリューが率先して果物を切ってくれる。
 自然豊かで、一昔前の田舎を思い出させるような生活。
 現代社会からは考えられない程で、いくら生活魔術があったとしても不便のようにも思えるけれど……それはそれで、また良いのではないか。
 こうやってゆっくりした時間を自然の中で過ごしていれば、そう思える事もある。
 ……スマホはないし、テレビやゲームもないという生活は、娯楽がないようにも思えるけれど。

「何か考え事?」
「いや、娯楽って何だろうなって」

 真に見破られた私は、素直にそのままを口に出す。
 昔の人って、一体どんな娯楽をしていたのだろう。まさか……和歌をよむとか? いや無理!

「……トランプやウノを作る? すごろく……人生ゲームも作れるんじゃない?」
「懐かしのIT時代よ……」

 機械という文明は凄かった。
 それを知っているから、今更それを自分で作って娯楽にするというのに少し肩を落とす。
 今は神力の勉強や調整の為に、たまに治療を行ったり、荒れた地域の畑を促進させたりするのが仕事となっている位だ。
 辺境である程度は行っていたとしても、神力の差や成長過程を見たいというのもあるのだろう。あとは……神力での攻撃。これは危険を伴うものなので、ゆっくりと少しずつ行われている。
 言うなれば……暇が増えてきているとも言える。

「……趣味とは。特技とは……」
「また話飛んだね」

 デイルから手渡された果物を頬張りながら、真が少し呆れたように言う。
 私も果物を受け取り、溜息を吐きながらも頬張り、果物の冷たさと甘さを堪能した。
 ……この世界で生きていくとして。自立するとして。仕事をするとして。
 時間があればある程に考える時間が増え、不器用な自分に撃沈したりもするのだけれど……。

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