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第二章
16.魔物との対峙
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「以外と魔物に出会わないものなんですね」
「そんな事はないのですが……」
結構歩いたというのに、一切魔物に出会わないどころか、森の中に居るだろう動物達にも出会わない。……この世界に熊みたいな動物がいるのかは知らないけど。
真は気が抜けたように声を発するも、アンドリューは逆に緊張感ました声で返す。
「贈り人の神力に怯ええているとか?」
「そんな事、聞いた事ありませんね」
ウィルが楽しそうに言った言葉を否定したのはデイルだ。
そんな都合良い事があるのであれば、過去の贈り人は魔物に襲われる事もなかったと思う。というか、そういう都合良い事はむしろ欲しいのですけれどね。無問題! ウェルカム!
「これじゃあ聖女教育にならない……?」
「もう少しだけ奥へと入ってみます」
キィの言葉にアンドリューは前方へと歩き始めた。
琴子は未だ怯え、キィは未だに聖女教育を気にしているが、真や私は魔物と全く出会わず、ただ森の散歩と化して緊張感が少しほぐれてしまった。
反面、護衛騎士達は若干緊張感が高まっているようにも見える、そんな時だった。
――ガァアアアッ!!
「っ!」
側面から、いきなり咆哮と共に現れた魔物。
熊のような大型な魔物で、鋭い爪をこちらに振りかぶった瞬間、飛び出したウィルが剣でそれを受け止めた。
「この程度なら、僕たちが抑えたり弱めたり出来るから、その隙に……」
――グァアアッ!!
ウィルが余裕で私達へと声をかけている間に、その後方からもまた魔物の声が聞こえた。
今度は大きな狼のようなもので、その牙は鋭く、大きな口からは涎が垂れている。
すぐにアンドリューがそちらを抑えに私達との間に立ち憚る。
作戦としては、護衛騎士達が私達に危険が及ばないように、剣で防御したり弱らせたりしている間に、私達は神力で攻撃するのだ。
……しかし、魔物はいきなり二匹も現れてしまった。
「ひっ」
キィは小さく悲鳴をあげたが、すぐにウィルが立ち向かっている熊魔物の方へと向き合う。アンドリューの方にいる狼魔物は琴子が狙い撃つのだろうと、私は熊魔物の方へと視線を向けるけれど……手を出したらキィに邪魔するなと言われそうだ。
とりあえずは自分の身を守る事に専念しよう。確か神力で防御も出来た筈だ。
デイルは先ほどまで歩いてきた方を、真は進もうとしていた方へと気を配り、剣に手をかけて警戒している時だった。
「もう嫌ぁあああああ! 死にたくない!!」
「えっ?」
いきなり叫び出した琴子は、森の奥に注意を向けていた真の横をすり抜けて、森の奥深くへと走り去ってしまった。
「そんな事はないのですが……」
結構歩いたというのに、一切魔物に出会わないどころか、森の中に居るだろう動物達にも出会わない。……この世界に熊みたいな動物がいるのかは知らないけど。
真は気が抜けたように声を発するも、アンドリューは逆に緊張感ました声で返す。
「贈り人の神力に怯ええているとか?」
「そんな事、聞いた事ありませんね」
ウィルが楽しそうに言った言葉を否定したのはデイルだ。
そんな都合良い事があるのであれば、過去の贈り人は魔物に襲われる事もなかったと思う。というか、そういう都合良い事はむしろ欲しいのですけれどね。無問題! ウェルカム!
「これじゃあ聖女教育にならない……?」
「もう少しだけ奥へと入ってみます」
キィの言葉にアンドリューは前方へと歩き始めた。
琴子は未だ怯え、キィは未だに聖女教育を気にしているが、真や私は魔物と全く出会わず、ただ森の散歩と化して緊張感が少しほぐれてしまった。
反面、護衛騎士達は若干緊張感が高まっているようにも見える、そんな時だった。
――ガァアアアッ!!
「っ!」
側面から、いきなり咆哮と共に現れた魔物。
熊のような大型な魔物で、鋭い爪をこちらに振りかぶった瞬間、飛び出したウィルが剣でそれを受け止めた。
「この程度なら、僕たちが抑えたり弱めたり出来るから、その隙に……」
――グァアアッ!!
ウィルが余裕で私達へと声をかけている間に、その後方からもまた魔物の声が聞こえた。
今度は大きな狼のようなもので、その牙は鋭く、大きな口からは涎が垂れている。
すぐにアンドリューがそちらを抑えに私達との間に立ち憚る。
作戦としては、護衛騎士達が私達に危険が及ばないように、剣で防御したり弱らせたりしている間に、私達は神力で攻撃するのだ。
……しかし、魔物はいきなり二匹も現れてしまった。
「ひっ」
キィは小さく悲鳴をあげたが、すぐにウィルが立ち向かっている熊魔物の方へと向き合う。アンドリューの方にいる狼魔物は琴子が狙い撃つのだろうと、私は熊魔物の方へと視線を向けるけれど……手を出したらキィに邪魔するなと言われそうだ。
とりあえずは自分の身を守る事に専念しよう。確か神力で防御も出来た筈だ。
デイルは先ほどまで歩いてきた方を、真は進もうとしていた方へと気を配り、剣に手をかけて警戒している時だった。
「もう嫌ぁあああああ! 死にたくない!!」
「えっ?」
いきなり叫び出した琴子は、森の奥に注意を向けていた真の横をすり抜けて、森の奥深くへと走り去ってしまった。
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