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第三章
18.攻めて来たのは……
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穏やかで平和な日常……それは崩れ去った。
神殿内でも常にピリピリと緊迫した空気が張り詰めている。
「どうやら前に行った辺境の隣にある国が攻め込んできたらしい」
まったりとしたお茶会……なんて空気はなく、珍しく一緒に居る真から、そんな情報がもたらされた。
「前に行ったって……あの、恵が行った……?」
「そう、そこ」
琴子の言葉に真が頷くと、デイルとアンドリュー、そしてウィルが身を乗り出した。
「そことは長い間、友好を保っていた筈ですが……」
「今あの地は復興している途中なのに……!」
「向こうは、かなり武力があった筈だ!」
三人の勢いに、私と琴子、そしてキィはのけぞった。
主に、この国の常識と神力を学んではいたが、他国の事なんて全く理解していない。
地理だって、国の中だけで、まだ周辺国はサッパリだ。国名を言われたところで、それどこにあるの? 状態だ。
聞いている事しか出来ないけれど、それで情報を仕入れる事は出来る。
「むしろ辺境がなくなった事で守りがなくなり、侵攻を許してしまっている状況みたいだ。国の対策が遅かったとも言えるけど。戦力的には確かに兵士の数からしてこちらが不利だよねぇ」
……真は普段、何をしているのかと本当に思う。
この国に馴染んでいるというか、どこでそこまで学んだのかと思う程、護衛騎士達と対等に話している。
「友好を崩す程の侵攻理由とは……」
アンドリューが真剣に考えているが、理由云々より攻められているという事実の方が重大ではないか。
その間も四人は、戦力数、武器。それに地理や侵攻ルートなどの予測等も話していく。
「……怖い……」
「……」
琴子とキィも、戦争の内情を聞いていくうちに自分自身を抱きしめるように小さくなった。
予測は予測であって、現実ではないのだけれど……戦争というものを身近に感じてしまう。
攻めてきているという事は、いつここに到達してもおかしくはないという意味で……でもその前に、私達は戦争へと出る事になるかもしれないのだ。
ブルリと、私の身体も震える。
――もう聞きたくない。
逃げのような思考が私に過った瞬間、慌ただしい足音がこちらに向かってきて、部屋がノックされた。
「はい、どうぞ」
真が声をかけると、扉は大きく開け放たれた。
そこに居たのは顔を真っ青に染めた神官で、何があったのかと皆に緊張が走る。
「お……王太子殿下が参りました! 贈り人様達をお呼びです!」
「……」
「きた……か」
一体、次は何を言われるのか。
それこそ予想は出来るのだけれど、当たって欲しくはないと思いながら、私達は神官の後を着いて王太子殿下の元へと向かった。
神殿内でも常にピリピリと緊迫した空気が張り詰めている。
「どうやら前に行った辺境の隣にある国が攻め込んできたらしい」
まったりとしたお茶会……なんて空気はなく、珍しく一緒に居る真から、そんな情報がもたらされた。
「前に行ったって……あの、恵が行った……?」
「そう、そこ」
琴子の言葉に真が頷くと、デイルとアンドリュー、そしてウィルが身を乗り出した。
「そことは長い間、友好を保っていた筈ですが……」
「今あの地は復興している途中なのに……!」
「向こうは、かなり武力があった筈だ!」
三人の勢いに、私と琴子、そしてキィはのけぞった。
主に、この国の常識と神力を学んではいたが、他国の事なんて全く理解していない。
地理だって、国の中だけで、まだ周辺国はサッパリだ。国名を言われたところで、それどこにあるの? 状態だ。
聞いている事しか出来ないけれど、それで情報を仕入れる事は出来る。
「むしろ辺境がなくなった事で守りがなくなり、侵攻を許してしまっている状況みたいだ。国の対策が遅かったとも言えるけど。戦力的には確かに兵士の数からしてこちらが不利だよねぇ」
……真は普段、何をしているのかと本当に思う。
この国に馴染んでいるというか、どこでそこまで学んだのかと思う程、護衛騎士達と対等に話している。
「友好を崩す程の侵攻理由とは……」
アンドリューが真剣に考えているが、理由云々より攻められているという事実の方が重大ではないか。
その間も四人は、戦力数、武器。それに地理や侵攻ルートなどの予測等も話していく。
「……怖い……」
「……」
琴子とキィも、戦争の内情を聞いていくうちに自分自身を抱きしめるように小さくなった。
予測は予測であって、現実ではないのだけれど……戦争というものを身近に感じてしまう。
攻めてきているという事は、いつここに到達してもおかしくはないという意味で……でもその前に、私達は戦争へと出る事になるかもしれないのだ。
ブルリと、私の身体も震える。
――もう聞きたくない。
逃げのような思考が私に過った瞬間、慌ただしい足音がこちらに向かってきて、部屋がノックされた。
「はい、どうぞ」
真が声をかけると、扉は大きく開け放たれた。
そこに居たのは顔を真っ青に染めた神官で、何があったのかと皆に緊張が走る。
「お……王太子殿下が参りました! 贈り人様達をお呼びです!」
「……」
「きた……か」
一体、次は何を言われるのか。
それこそ予想は出来るのだけれど、当たって欲しくはないと思いながら、私達は神官の後を着いて王太子殿下の元へと向かった。
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