【完結】異世界へ五人の落ち人~聖女候補とされてしまいます~

かずきりり

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第四章

13.私達が落ちてきた場所

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 知識を教えてくれて、衣食住を提供してくれるのは有難い。
 自分自身に力も付けさせてもらえる。でもそれは神殿がやってくれた事で、国は……?
 戦争に行かされたり、真が追放されたりと、ろくな事をしていないではないか。
 ならば、今後同じように誰かが落ちて来た時の為にも、この国から切り離しておいた方が良いだろう。
 それこそ男が落ちてきたら、すぐに悪魔だとか言って、今度は処刑にまで発展しそうだ。

「それ……神殿と王城の中間くらい……?」
「闘技場のようなものがあったよね」

 私の意図が伝わったのか分からないけれど、琴子とキィは焦った様子で地図にマークを入れる。
 王城、そして神殿……。

「それ……何か関係があるのですか……?」
「枢機卿の所へ行こう!」

 アンドリューが眉を顰めて私達へと声をかけたが、そんな事よりも場所を特定する方が先だ。確実な場所は枢機卿が知っている。
 更に私達へと詰め寄ろうとしたのか、寄って来たアンドリューをデイルとウィルが身体で阻んだのが視界の隅で見えたけれど、私達はとっとと図書館から出て枢機卿の元へと向かった。





「枢機卿!」
「どうしました?」

 ノックよりも先に部屋へと入って来た私達に対して、枢機卿は咎めるどころか優しく微笑んで答えてくれる。

「私達が落ちた場所ってどこにあるの?」

 机の上に地図を広げて真剣な瞳で問えば、枢機卿の目も一瞬厳しいものへと変わる。

「レキソングス国の国境はこうなっています。そして中立である神殿の領土はこう……」

 枢機卿が指で指示してくれたけれど、そこはしっかり把握しておきたいのか、キィがペンを渡す。意図を理解してくれた枢機卿は、地図上に国境線となる線を描いていく。
 こう見ていれば、近いけれど違う領土なのだという事は理解できた。パスポートもないし、簡単に街へと行っていたけれど、完全に区切られている。

「そして、贈り人様方がやってくるのはここです」

 レキソングス国の開けた大地。その周囲は森に囲まれていて、近くに村や街といったものはないようだ。
 森を含めてレキソングス国の領土だけれど……王城と場所の間に障がい物となるようなものはなさそうだ。

「……どうして、そこまでするのですか? その場所を詳しく知る必要はあるのですか?」

 黙って事の成り行きを見守っていたアンドリューだが、やはり疑問が残るのか、口を挟んできた。
 その表情は厳しく、眉間に皺を寄せて信じられないものを見るような目つきでもある。

「……何か企てているのですか? それもマコトの指示ですか!?」

 激昂し、アンドリューは叫んだ。
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