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13.手当します
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眠っているのか。しかし警戒心は強い筈だと思い、私はじっとその姿を見つめると、体の下に血だまりのようなものが出来ているのが見えた。
「大変!」
「シア!危険だ!」
思わず近寄ろうとした私の腕をフィンが掴んだけれど、思わず私はそれを振りほどいた。
「でも!このままじゃこの子が死んじゃう!」
様子を見ながら一歩、また一歩と近づく。途中から唸り声が聞こえるが動こうとしない為、大丈夫だよと声をかけながら近づく。興奮して暴れたり逃げる様子もない事から、私はゆっくりと歩みを進める。
大丈夫、大丈夫だ。前世での事を思い出せ私!
そう自分に言いながらサーバルキャットのようなものに手を差し伸べるも、抵抗するような暴れるようなそぶりを見せない。それどころか、どこか諦めたかのように唸る事すらも止めてしまった。
そっと体に触れて確認をすると、足に大きな怪我をしている事が分かった。これじゃ逃げたくても逃げられない。
「シア……」
「フィン!毛布と薬草を頂戴!」
何かを言おうとしたフィンに対して、焦りのあまり大きな声で返してしまったけれど、フィンはすぐにマジックバックから取り出してくれた。
怖くないよ、と言いながら、少しでも安心してもらえるよう毛布に包む。怪我をしている部分だけは外に出して、薬草の準備をする。
フィンに使う事がなかったから、色んな薬草がまだ残ったままだ。だけれど私に動物の医療知識はない……この世界において、だけど。否、向こうの世界でもしっかり理解していたわけではない。結局その道のプロというか、獣医さんのお世話になる事ばかりだったのだから。
サーバルキャットの頭を私の膝に乗せると、ジッとこちらを伺っている瞳と目が合った。ニコリと微笑みかけ、大丈夫と繰り返しながら、その頭を撫でる。
いきなり大きな動きをする事なく、ゆっくりと驚かさないように動き、手当を進めていく。傷もそこまで深くはないようだ。ただ、これで歩くのは無理だろうし、しばらく安静にする必要もあるだろう。
「できたっ」
嬉しくて、つい大きな声を出しそうになったところを、ぐっと我慢する。これで大丈夫だろうと思うけれど、念のために簡単な治癒魔法をかけておく。日常生活で起こる怪我くらいなら治せる程度なのだけど……この世界には獣医なんてものは存在しないし、せめてもの気休めだ。感染症等にかかってしまえば命がない。
「っ!」
かけられた魔法に、サーバルキャットが驚いたように目を見開いて頭を上げた。うん、可愛い。
「……シア……」
可愛くて思わずサーバルキャットの頭を撫でまくっていたら、後方から少し拗ねたようなフィンの声が聞こえた。
「大変!」
「シア!危険だ!」
思わず近寄ろうとした私の腕をフィンが掴んだけれど、思わず私はそれを振りほどいた。
「でも!このままじゃこの子が死んじゃう!」
様子を見ながら一歩、また一歩と近づく。途中から唸り声が聞こえるが動こうとしない為、大丈夫だよと声をかけながら近づく。興奮して暴れたり逃げる様子もない事から、私はゆっくりと歩みを進める。
大丈夫、大丈夫だ。前世での事を思い出せ私!
そう自分に言いながらサーバルキャットのようなものに手を差し伸べるも、抵抗するような暴れるようなそぶりを見せない。それどころか、どこか諦めたかのように唸る事すらも止めてしまった。
そっと体に触れて確認をすると、足に大きな怪我をしている事が分かった。これじゃ逃げたくても逃げられない。
「シア……」
「フィン!毛布と薬草を頂戴!」
何かを言おうとしたフィンに対して、焦りのあまり大きな声で返してしまったけれど、フィンはすぐにマジックバックから取り出してくれた。
怖くないよ、と言いながら、少しでも安心してもらえるよう毛布に包む。怪我をしている部分だけは外に出して、薬草の準備をする。
フィンに使う事がなかったから、色んな薬草がまだ残ったままだ。だけれど私に動物の医療知識はない……この世界において、だけど。否、向こうの世界でもしっかり理解していたわけではない。結局その道のプロというか、獣医さんのお世話になる事ばかりだったのだから。
サーバルキャットの頭を私の膝に乗せると、ジッとこちらを伺っている瞳と目が合った。ニコリと微笑みかけ、大丈夫と繰り返しながら、その頭を撫でる。
いきなり大きな動きをする事なく、ゆっくりと驚かさないように動き、手当を進めていく。傷もそこまで深くはないようだ。ただ、これで歩くのは無理だろうし、しばらく安静にする必要もあるだろう。
「できたっ」
嬉しくて、つい大きな声を出しそうになったところを、ぐっと我慢する。これで大丈夫だろうと思うけれど、念のために簡単な治癒魔法をかけておく。日常生活で起こる怪我くらいなら治せる程度なのだけど……この世界には獣医なんてものは存在しないし、せめてもの気休めだ。感染症等にかかってしまえば命がない。
「っ!」
かけられた魔法に、サーバルキャットが驚いたように目を見開いて頭を上げた。うん、可愛い。
「……シア……」
可愛くて思わずサーバルキャットの頭を撫でまくっていたら、後方から少し拗ねたようなフィンの声が聞こえた。
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