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45.国王夫妻との話
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「…………」
「何でここに……?」
お父様やフィンと共に王城へ来ると、何故か通されたのは謁見の場ではなく、温室のサロンだった。しかもテーブルの上にはお茶やお茶菓子などが用意されていて、パッと見ただけではお茶会のようだ。
……王命で呼び出された筈だけど?
それは私だけでなく、お父様やフィンも同じ気持ちらしく、フィンはあからさまに警戒心を出しているし、お父様もお茶に手をつける事すらしない。
と言っても、私だって首を捻るだけで、目の前に並ぶ全てのものが毒のように思えて手をつけようと思わない。
「待たせたな」
そう言ってきたのは、国王陛下だけではなく、王妃陛下や王太子殿下までいらっしゃった。
立ち上がり挨拶をしようとするのを、国王陛下は手で制し、そのまま席を促し自らも席へついた。
「久しぶりね、シア!元気にしていた?いつ王子妃教育には来てくれるのかしら?」
「……は?」
隣に座った王妃陛下が、馴れ馴れしく手を握り締めてきたかと思ったら、そんな事を言ってきた為、呆気に取られて変な声が出た。数か月、平民として暮らしていたから、つい素が出てしまった自分に焦りつつ、表情を引き締める。
「何を言ってるんですか!?」
慌てたかのように王太子殿下が席を立ち、王妃陛下の方へ駆け寄り、私を握り締める手をほどこうとする。
「レティシア嬢にディアスが何をしたのか理解しておいでですよね!?」
「でも、シアにだって情くらいあるでしょう?」
はぁあああ~~~~????
思いっきり素っ頓狂な叫びを出しそうになったが、今回はそれを堪えて、グッジョブ自分!なんて心の中で自画自賛した。
「長年、婚約者として一緒にいたのだもの」
「うむ。ディアスの為になる事をすべきだろう。あの伯爵令嬢では使えない」
「母上!?父上!?」
王太子殿下が慌てて声を荒げるが、正直な所、今陛下達が何を言ったのか脳内で理解出来ていない。というか、理解したくない。
「情なんてありませんが」
しまったと思った時には既に遅く、思わず漏れた声に、陛下達の空気が凍った。それと反対して、お父様はフィンからはよく言った!という視線を感じる。良いのか、それでと内心思いながらも視線を上げると、陛下達の顔は赤く、怒りからか身体が震えている。
「大丈夫です!王命からの婚約ですし……愛情どころか情すらもありませんよ……!?」
「シア……それはフォローのつもりか……?」
慌てて続けた言葉に、お父様は笑いを堪えながらそんな事を言う。確かに本音を駄々洩れにして言っただけにしかならない。フォローのつもりが、全くフォローになっていない。
「ミゼラ公爵!?」
「シア!貴女には優しさというものがないの!?」
案の定、怒らせてしまった……。しかも、矛先がお父様にいってしまったものだから、申し訳ない気持ちでお父様を見ると……。
「お言葉ですが……」
冷たい眼差しで、低い声を出すお父様が、そこに居た。
「何でここに……?」
お父様やフィンと共に王城へ来ると、何故か通されたのは謁見の場ではなく、温室のサロンだった。しかもテーブルの上にはお茶やお茶菓子などが用意されていて、パッと見ただけではお茶会のようだ。
……王命で呼び出された筈だけど?
それは私だけでなく、お父様やフィンも同じ気持ちらしく、フィンはあからさまに警戒心を出しているし、お父様もお茶に手をつける事すらしない。
と言っても、私だって首を捻るだけで、目の前に並ぶ全てのものが毒のように思えて手をつけようと思わない。
「待たせたな」
そう言ってきたのは、国王陛下だけではなく、王妃陛下や王太子殿下までいらっしゃった。
立ち上がり挨拶をしようとするのを、国王陛下は手で制し、そのまま席を促し自らも席へついた。
「久しぶりね、シア!元気にしていた?いつ王子妃教育には来てくれるのかしら?」
「……は?」
隣に座った王妃陛下が、馴れ馴れしく手を握り締めてきたかと思ったら、そんな事を言ってきた為、呆気に取られて変な声が出た。数か月、平民として暮らしていたから、つい素が出てしまった自分に焦りつつ、表情を引き締める。
「何を言ってるんですか!?」
慌てたかのように王太子殿下が席を立ち、王妃陛下の方へ駆け寄り、私を握り締める手をほどこうとする。
「レティシア嬢にディアスが何をしたのか理解しておいでですよね!?」
「でも、シアにだって情くらいあるでしょう?」
はぁあああ~~~~????
思いっきり素っ頓狂な叫びを出しそうになったが、今回はそれを堪えて、グッジョブ自分!なんて心の中で自画自賛した。
「長年、婚約者として一緒にいたのだもの」
「うむ。ディアスの為になる事をすべきだろう。あの伯爵令嬢では使えない」
「母上!?父上!?」
王太子殿下が慌てて声を荒げるが、正直な所、今陛下達が何を言ったのか脳内で理解出来ていない。というか、理解したくない。
「情なんてありませんが」
しまったと思った時には既に遅く、思わず漏れた声に、陛下達の空気が凍った。それと反対して、お父様はフィンからはよく言った!という視線を感じる。良いのか、それでと内心思いながらも視線を上げると、陛下達の顔は赤く、怒りからか身体が震えている。
「大丈夫です!王命からの婚約ですし……愛情どころか情すらもありませんよ……!?」
「シア……それはフォローのつもりか……?」
慌てて続けた言葉に、お父様は笑いを堪えながらそんな事を言う。確かに本音を駄々洩れにして言っただけにしかならない。フォローのつもりが、全くフォローになっていない。
「ミゼラ公爵!?」
「シア!貴女には優しさというものがないの!?」
案の定、怒らせてしまった……。しかも、矛先がお父様にいってしまったものだから、申し訳ない気持ちでお父様を見ると……。
「お言葉ですが……」
冷たい眼差しで、低い声を出すお父様が、そこに居た。
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